2012年10月9日火曜日

■学校って、必要なの?


学校って、必要なの?
雑誌『En Rich』での内田樹氏のインタビュー③
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=269399
 
-その意味でも「責任を取る」というのは大きな祈りの言葉ですね。武道でいうと、予見的な身体能力といいますか、先ほどの、相反するものを同時にやったときに非常に高いパフォーマンスが出ることにつながるかと思うのですが、そういった知恵を、学校教育をはじめ身近なところに落とし込む手法はないものでしょうか。

今の学校教育というのは、子どもたちを競争させて、数値的にランクづけをしている。
相対的優劣を競わせて、勝者に褒美を、敗者に罰を与えれば人間はその能力を開花させるという「競争信仰」が学校を覆い尽くしていますけれど、これは現場の実感からすると、まったく非現実的なことです。

競争させても、学力なんか伸びません。逆に、どんどん劣化してくるんです。

僕が合気道という武道を通じて教えているのは、「生きる知恵と力」をどう伸ばすかということです。武道では強弱勝敗巧拙を論じません。他者との相対的優劣は問題じゃないんです。競争相手がいるとしたら、それは「昨日の自分」です。昨日の自分よりどれくらい感覚が敏感になったか、どれくらい動きが冴えたか、どれくらい判断力が的確になったか、そういうところを自己点検することが稽古の目的であって、同門の誰より技が巧いとか、動きが速いとかいうことには何の意味もないのです。

競争というのはルールがあって、審判がいて、勝敗や記録のつけ方が決まっている競争です。武道が設定している状況は、生き死にです。

どこで、何が起きても生き延びる。それが武道修業の目的です。武道的な意味での「敵」とは、自分の生きる力を殺ぐものすべてがカウントされる。天変地異も、病気も老化も家庭不和も仕事上のトラブルも、全部そうです。どれも自分の心身のパフォーマンスを損なう。それがもたらすネガティブな影響をどう抑止するか。それが武道的な課題なんです。

武道はもともと戦技であって、競技じゃない。

戦場に放り込まれたときに、「こんな不利なルールではゲームはできない」とか「こんな弱兵では戦えないから精兵と取り替えてくれ」いうような要請はできません。手持ちの資源でやりくりするしかない。その弱兵たちの才能をどうやって開花させ、能力を最大化させるか、それを考える。それを自分自身の心身について行うわけです。

おのれの潜在可能性を爆発的に開花させるためには、何をすればよいのか。

やればわかりますけれど、才能開発の最大のトリガーは「相互扶助」なんです。
「自分が守らなければならないものがいる」人間は強い。自分の能力の受益者が自分ひとりである人間は弱い。

遭難した場合でも、家で妻子が待っているという人は、独身者よりも生存確率が高いことが知られています。そういうものなんです。

集団もそうです。メンバーの中の「弱い個体」を守るために制度設計されている集団は強い。「強者連合」集団は強いように思えますが、メンバー資格のない「弱い個体」を摘発して、それを叩き出す作業に夢中になっているうちに、集団そのものが痩せ細ってしまう。

競争的な発想をすると、修業の目的は地球上の70億人全員を倒してチャンピオンになるということになる。

すると、論理的には自分以外の70億ができるだけ弱くて、愚鈍で、無能であることを願うようになる。できれば、この世界にいるのが自分ひとりで、あとは全部消えてしまうことを願うようになる。
武道の目的はそれとは逆です。地上の70億人全員が武道の達人になることが目標だからです。
すべての人間がおのれの潜在可能性を開花させ、心身の能力を最大化した状態の世界はどれほど愉快で住みやすいか。

競争的なマインドの人は、つねにどうやったら周りの人間の心身の発達を阻害し、能力を下げることができるかを考える。

閉鎖集団内部での相対的優劣を競う限り、自分の能力を高めることと、他人の能力を引き下げることは同義ですから。日本の場合は、競争原理によって、これにみごとに成功した。その結果、全員が全員の足をひっぱるような情けない社会ができてしまった。
競争は国を滅ぼす。僕はそう考えています。




■大阪府学力テスト:泉佐野、学校別の成績公表 学校・保護者に賛否


大阪府学力テスト:泉佐野、学校別の成績公表 学校・保護者に賛否
http://mainichi.jp/feature/news/20121002dde041100028000c.html
毎日新聞 2012年10月02日 東京夕刊

 大阪府泉佐野市は2日、府教委が今年6月に実施した小中学生対象の学力テストの結果について、市内の全小中学校ごとの平均正答率を公表した。個別の成績の公表は学校の序列化につながるとの指摘があり、文部科学省は「全国で初めてではないか」としている。府教委は同市教委に対し公開しないよう求めたが千代松大耕市長は「正確な情報を公表することが行政の責務」として公表の方針を明らかにしていた。学校現場や保護者の間には賛否両論あり、今後波紋が広がりそうだ。

 学力テストは、府内の小中学生を対象に今年6月12日に実施、同市を含む31市町村が参加した。小学6年生が国語と算数、中学3年生が国語、数学、英語の試験を受け、府教委が今月1日までに、テストに参加した各市町村教委に対し個人の成績や学校ごとの正答率を通知した。

 同市は2日朝から市のホームページ上で成績を掲載。小学校は小規模校1校を除く12校分、中学校は5校分について、科目別の正答率を掲載した。

 公表の方針をめぐっては学校現場に反発があり、市教委が校長会で校長らの意見を聴取。「結果の悪かった学校にマイナスのイメージが生じる」などとする否定的な意見が多かったが、千代松市長は「教育環境の整備や学力向上の取り組みに予算を計上している。学校の学力についての誤った判断や先入観が地域の中にあり、自治体として公正で正確なデータを提供して是正したい。府教委の非公開の方針を踏まえたうえで、首長の判断で公開する」として公表に踏み切った。

 文部科学省初等中等教育局学力調査室は、「府教委や参加自治体が判断すること」と静観の構え。

 府教委の学力テストは10年度から実施。これまでは府全体と市町村別の正答率を公表していたが、「大阪維新の会」が学校別の結果の公表を求めていた。【山田泰正、山下貴史】

 ◇「序列化」批判に反論−−府知事

 泉佐野市が学力テストの全小中学校ごとの平均正答率を公表したことについて、松井一郎大阪府知事は2日、記者団に「情報が学校に伝わるのは良いことだ。結果が低いところにマンパワーも資金も投入できる」と評価。

 学校の序列化につながるとの批判には「序列を隠すことが問題。なぜ低いのかを突き詰め、学力を上げていくのは当たり前。一人一人の子どもにはプラスになる」と話した。



■大阪府学テ結果公表 正答率最大18ポイントの開き


大阪府学テ結果公表 正答率最大18ポイントの開き
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20121003-OYT8T00726.htm
(2012年10月3日  読売新聞)

 大阪府内の小学校6年と中学校3年を対象に実施された府独自の学力テスト「府学力・学習状況調査」の市町村別の結果が1日、公表された。

 平均正答率は最大で18ポイントの開きがあり、各市町村の教育委員会は結果を踏まえ、学力向上の取り組みを検証していく。

 テストは私立を含む32市町村の小学校624校、中学校299校の計9万7780人が参加し、6月に行われた。小学生は国語と算数、中学生は国語、数学、英語で、国語と算数・数学は基礎的なA問題と、応用力をみるB問題がある。公表されたのは、私立を除く市町村別の平均正答率で、小学校は科目によって最大で13~18ポイント、中学校では9~15ポイントの差が出た。昨年度も小学校は7~14ポイント、中学校で10~18ポイントの差があった。

 全科目で府平均を上回った池田市では、外部講師に委託し、自分の意見を発表したり、討論でコミュニケーション力をつけたりする授業を行っている。市教委は「一定の成果が出たが、B問題は、良いとまではいえない」と分析した。

 一方、東大阪市は2009年度から、全小中学校に学力向上に重点的に取り組む教員を配置し、放課後学習などを実施。「まだまだ課題が多いが、学習意欲は向上しており、学力につなげていきたい」とする。

 河内長野市は昨年に比べ、小学校の国語Bが0・8ポイントアップした。本の感想を書く「読書ノート」に取り組んでいるといい、「こうした活動が実を結んだと思うが、もっと基礎と活用をリンクできるような授業を目指す」としている。

 市町村別の結果や児童・生徒へのアンケート結果は、府教委のホームページでも公表されている。





■大阪府下のだんじり祭りで2人重傷


大阪府下のだんじり祭りで2人重傷
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20121008-OYO1T00335.htm
(2012年10月8日  読売新聞)

 7日午後1時5分頃、堺市西区津久野町の市道で、地元のだんじり祭りに参加していた男性(28)が転倒し、路面とだんじり(幅2・5メートル、長さ4・6メートル、高さ3・8メートル、重さ約4トン)の間に挟まれた。男性は数メートル引きずられ、腹などを打って重傷。西堺署によると、男性はだんじりを引き始めた際、転んだ仲間を助けようとして転倒したという。

 羽曳野市栄町では同日午後6時50分頃、地元のだんじり祭りに参加中の女性(18)が、国道166号でだんじりの車輪に足をひかれ、重傷を負った。羽曳野署の発表では、だんじりを引き始めた際に転倒したという。




■学力向上策を予算に反映 大阪・泉佐野市長が表明


学力向上策を予算に反映 大阪・泉佐野市長が表明
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121009/edc12100913090001-n1.htm
2012.10.9 13:07

 大阪府泉佐野市の千代松大耕市長は9日の記者会見で、同市立すべての小中学校に対し、府独自に実施している学力テストでの平均正答率の目標値と、それを達成するための学力向上策を10月中に各校に提出させ、2013年度の当初予算編成に反映させる方針を明らかにした。

 市長は「提出しない学校はやる気がないと判断する」とした上で、「目標を明確に定め、それに向け取り組む姿勢を示してほしい」と話した。