2012年6月30日土曜日

■大阪市:文楽補助金、全額カットへ 橋下市長は「面会断られた」 住大夫さん「知らなかった」

■大阪市:文楽補助金、全額カットへ 橋下市長は「面会断られた」 住大夫さん「知らなかった」
http://mainichi.jp/feature/news/20120630ddm012010067000c.html
毎日新聞 2012年06月30日 東京朝刊

大阪市の橋下徹市長は29日、公益財団法人「文楽協会」(同市中央区)への補助金について、予算ヒアリングのため申し入れた面会を人間国宝に拒否されたとして、「特権意識にまみれた今の文楽界を守る必要はない」と、全額カットする意向を表明した。

市は今年度本格予算案に昨年度比25%減の3900万円を計上しているが、橋下市長は議会で可決されても執行しない方針=写真は「曽根崎心中」の一場面。

文楽トップの人間国宝、竹本住大夫(すみたゆう)さんは「面会の申し込みがあったとは聞いていません」と驚き、「こっちが会いたいです」と話した。全額カットには「運営していけません」と話した。





■橋下市長、文楽協会は「特権意識」と予算凍結
(2012年6月29日16時53分  読売新聞)

 大阪市の橋下徹市長は29日、2012年度補正予算案に計上した財団法人文楽協会(大阪市)への補助金3900万円について、協会が公開での市長との協議に応じないことを理由に、予算執行を凍結する考えを示した。


 松井一郎大阪府知事も府教委の補助金約2000万円について同調する方針。文楽協会の担当者は「市長との協議が予算執行の条件という話は聞いていない」と困惑している。

 橋下市長はこの日、報道陣に、「(協会は)市民の代表と話さなくても、補助金をもらえると勘違いしている。唯一無二の特権意識を持った集団だ」と批判。「協会だけでなく、特権意識にまみれた文楽は守る必要がない」と、補助金凍結の理由を述べた。

 また松井知事も、「もらって当たり前という『上から目線』はいかがなものか」と語った。




■大阪市:美術館構想、乱立 中之島図書館/府庁/中之島一帯、実現決め手なく


大阪市:美術館構想、乱立 中之島図書館/府庁/中之島一帯、実現決め手なく
http://mainichi.jp/area/news/20120628ddf001040002000c.html
毎日新聞 2012年06月28日 大阪夕刊


 大阪市中心部で美術館を拠点に集客を図ろうとする提案が相次ぎ、構想乱立の様相を呈している。橋下徹市長が府立中之島図書館(同市北区)を、松井一郎大阪府知事が府本庁舎(同市中央区)を、それぞれ美術館に転用するアイデアを披露、府市の有識者会議も美術館整備計画をまとめた。市内に美術館整備を待望する声はあるが、転用のための施設整備やコストなどハードルは高い。【熊谷豪】

 「図書館を空けてやってもらえませんかね」。19日の府市統合本部会合で、橋下市長は中之島図書館の用途見直しを打ち出し、美術館に利用する考えを後日示した。同館は1904(明治37)年開館。重厚な洋風建築で、公立図書館としては全国でただ一つ国の重要文化財に指定されている。

 一方、近現代の名作など約4500点を市が集めながら宙に浮いている市立近代美術館(仮称)について、府市の有識者会議(座長=橋爪紳也・府立大教授)は北区中之島の計画地に、8〜10の小型美術館を屋上に配置した大型美術館を整備する案を発表した。この市立近代美術館を巡っては、松井知事が1月、都道府県庁舎で現役最古の府本庁舎=1926(大正15)年完成=を転用する構想を明かしている。

 しかし、3構想とも課題は多い。中之島図書館には、貴重な作品を保管するために湿度管理ができる空調など、不可欠な設備がない。エレベーターもないが改修には文化庁の許可が必要で、府教委は「防災などやむを得ない理由でないと認められないのではないか」と懸念する。有識者会議案の整備費は不明だが、約122億円をかける市の元の計画を橋下市長が「しょぼい」と白紙にした経緯がある。小型美術館の費用調達について「企業名を冠し寄付を募る」案も出たが、実現性は未知数だ。府本庁舎も、天井高が3・5〜5メートルで市所蔵の美術品の一部が展示できない▽床が収蔵品の重さに耐えられない恐れがある−−との課題を担当部局が松井知事に報告した。

 さらに、大阪市に譲渡された旧サントリーミュージアム天保山(10年閉館、港区)も、美術館として存続する可能性がある。

 結果的に構想乱立の火付け役となった松井知事は25日に中之島図書館を視察し、首をひねった。「何でもかんでも美術館というのでは、大阪は美術館ばっかりだという話になってしまう。適切に配置できるよう考えたい」



■阪南市社会福祉協議会 事務局長代理7,000万円着服か


■阪南市社会福祉協議会 事務局長代理7,000万円着服か
http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE120629170700583753.shtml
2012年06月30日(土) 18時09分

 大阪府阪南市の社会福祉協議会の事務局長代理が、街頭などで集めた募金、およそ7,000万円を着服した疑いがあることがわかりました。

 阪南市社会福祉協議会によりますと今月下旬、「協議会の金を使い込んでいる」と匿名の通報が市役所に入り、協議会事務局が調査していました。

 その後、事務局長代理(38)の男性が、市民や自治体から集めた共同募金から、およそ7,000万円を私的に流用した疑いが強まり、事務局の調べに対し着服したことを認めているということです。

 事務局長代理は、募金を管理する立場だということで、社会福祉協議会は、29日午前中に警察に被害を申告し、近く業務上横領の疑いで告訴状を提出する方針です。
(06/29 19:15)





■使途不明7千万円、事務局長代理が着服認める 大阪・阪南社協
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120629/crm12062922060036-n1.htm
2012.6.29 22:05

 大阪府阪南市社会福祉協議会(同市尾崎町)で約7千万円の積立金が使途不明になっていることが29日、同協議会への取材で分かった。内部調査に対し、事務局長代理の男性(38)が着服を認めており、同協議会は業務上横領罪で大阪府警に告訴することを検討している。

 同協議会によると今月25日、「局長代理が横領している」という匿名の通報が市と協議会にあった。同協議会が局長代理に確認したところ、「平成23年度くらいから10回以上引き出した」と、流用を認めたという。

 局長代理は会計の出納係で、同協議会への補助金や、寄付金などを積み立てていた通帳や印鑑を管理していた。



■飲酒運転で事故、逃走 岸和田市職員を逮捕(大阪府)

■飲酒運転で事故、逃走 岸和田市職員を逮捕(大阪府)
http://news24.jp/nnn/news89038990.html
[ 6/30 12:26 NEWS24]

29日夜、大阪・岸和田市役所の職員が飲酒運転で事故を起こし、警察の追跡から逃れようと逃走、さらに接触事故を起こして現行犯逮捕された。

  道交法違反(酒気帯び運転)で逮捕されたのは岸和田市役所市民課主査・大西昌一容疑者(38)で、29日午後11時50分頃、岸和田市下池田の民家の植え込みに車で接触する事故を起こした。すぐに警察が駆けつけたが大西容疑者はそのまま車で逃走、約500メートル離れたコンビニエンスストアの駐車場で別の車2台に接触したところで現行犯逮捕された。

  大西容疑者は警察の調べに対し、「酒を飲んで帰宅する途中だった。酒を飲んでいたので逃げた」と話しているという。





■岸和田市職員が飲酒運転で物損事故、逃走
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120630-OYO1T00582.htm?from=main3
(2012年6月30日  読売新聞)

 29日午後11時50分頃、大阪府岸和田市下池田町で、同市箕土路町、同市市民課主査大西昌一容疑者(38)運転のワンボックスカーが道路脇の民家の植え込みに突っ込んだ。通行人の通報で岸和田署員2人が駆け付けると、大西容疑者は車で逃走。約1分後、北西約300メートルのコンビニエンスストア駐車場に逃げ込み、駐車中の軽乗用車2台に接触して停車した。同署員が調べたところ、呼気1リットルあたりの基準値(0・15ミリ・グラム)を超えるアルコール分が検出されたため、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕した。

 大西容疑者は「酒を飲んで運転し、ばれるのが怖くて逃げた」と容疑を認めているという。



■ネットに自分のわいせつ画像 大阪・泉佐野市職員を停職「バカなことをした」

子ども達の全国共通テストでは全国で最低レベルにある大阪。その中でも北(大阪北部)に比べて、泉州エリアの南部はレベルが低い、とか。橋下さんが嘆くのもうなづけるが、ま、今回のコレはそれを裏付ける結果ともいえるのではないか。
ん、どないもこないも‥、理解に苦しむわ、ホンマ。

以下転載。


ネットに自分のわいせつ画像 大阪・泉佐野市職員を停職「バカなことをした」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120629/crm12062921200034-n1.htm
2012.6.29 21:19 サンケイ

自らを撮影したわいせつ画像を勤務中などにインターネットサイトに掲載したとして、大阪府泉佐野市教育委員会は29日、社会教育部の係長級職員(39)を停職3カ月の懲戒処分にした。市は個人の特定につながるとして、職員の性別は公表していない。

市によると、職員は昨年9~10月、勤務時間内や業務終了後に、庁舎内で市のネットワークに接続している私有パソコンを利用。インターネットの会員制サイトに自分の陰部を撮影した画像2枚を掲載したという。

職員は約10日の間に1日1~2回サイトを閲覧し、複数の画像を投稿したとしており、「なぜそんなことをしたか、今となってはわからない。バカなことをした」と話しているという。



2012年6月28日木曜日

■あの泉佐野市、今度は「飼い犬税」の導入検討


■大阪・泉佐野「飼い犬税」検討
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120628/k10013166051000.html
6月28日 6時46分

大阪・泉佐野市が、犬のふんの被害がおさまらないとして、犬の飼い主に対し「飼い犬税」を課すことを検討していることが明らかになりました。

泉佐野市ではことし1月から公共の場所に飼い犬などのふんを放置した場合、飼い主から千円を徴収する条例を施行していますが、ふんの放置はおさまらず、市民からの苦情も続いています。

このため市は犬の飼い主に対し、「飼い犬税」を課すことを検討することになったということです。

泉佐野市では5300匹余りの飼い犬が登録されています。

飼い犬税の額などはまだ決まっていませんが、これを財源に、ふんを放置しないよう取り締まる人を雇うことなどを検討しています。

総務省によりますと、昭和20年代や30年代は飼い主に「犬税」を課した自治体があったものの、現在は、犬をはじめペットを対象に課税をしている自治体はないということです。

泉佐野市の千代松大耕市長は「関西空港直近の町で世界各地の人が訪れるため、美しい町づくりを進めたい。ふんの放置が改善されれば税を導入しないこともありえるが、改善されなければ2年後をめどに導入を検討したい」と話しています。




■あの泉佐野市、今度は「飼い犬税」の導入検討
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120627-OYT1T01023.htm
2012年6月27日19時32分  読売新聞

 大阪府泉佐野市が、犬の飼い主に課す法定外税「飼い犬税」の導入を検討していることがわかった。

 ペットのふんの路上放置をなくすため、取締員の雇用や啓発活動費に税収を充てる。総務省によると、1955年頃には約2700の自治体が「犬税」を導入していたが、現在はペットを対象にした法定外税はない。

 法定外税は自治体が独自に課税できる税で、総務相の同意が必要。市内で登録された飼い犬は約5400匹いるが、戸外でのふん放置が相次いでいる。市は、今後も改善されない場合、2年後をめどに税導入を判断する。

 市では環境美化推進条例に基づき、今年から飼い主がふんを放置した場合に1000円の徴収を始めたが、啓発が主目的で徴収例はない。飼い犬税について千代松大
ひろ

やす
市長は「世界から多くの人が訪れる関西空港対岸の自治体として、きれいな街づくりを進めるため」と話している。




■泉佐野市「犬税」導入検討 ふん害対策で2年後にも
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120627/waf12062720000042-n1.htm
2012.6.27 19:54 [westナビ]

 大阪府泉佐野市の千代松大耕(ひろやす)市長は27日、放置された犬のふん害対策として、飼い主に課税する「犬税」の導入を検討していることを明らかにした。早ければ2年後にも条例を制定する方針。総務省によると、現在、飼い犬に対する課税を行っている自治体はないという。

 市では平成18年に施行した市環境美化推進条例で、飼い犬などのふんを放置することを禁じ、今年1月からは、違反者から千円を徴収すると定めている。

 ただ、これまでに徴収例はなく、ふん害も改まらないため、今後、市民への啓発や取り締まりを強化。改善されない場合は犬税を導入し、清掃や見回りを行う巡視員の人件費にあてる考えだという。

 市には現在約5400匹の飼い犬が登録されている。犬税は、狂犬病ワクチンの予防接種の際、同時に徴収する方法などを検討している。税額については今後、人件費の必要額などから算出する。

 犬税は、同市が10月から関西国際空港連絡橋の通行車両に課税する橋利用税と同じ法定外税で、自治体が独自に条例を定め、総務相が同意すれば導入できる。

 総務省によると、犬の飼い主への課税は昭和30年には2686自治体が実施していたが徐々に減少し、57年3月に長野県四賀村(現松本市)が取りやめたのを最後になくなっていた。

 千代松市長は「街がきれいになることが一番なので、改善されれば導入しない。飼い猫については、美化条例改正などで罰則強化を検討する」としている。




■大阪府泉佐野市:「犬税」を検討 ふん放置対策の財源に
http://mainichi.jp/select/news/20120628k0000m040020000c.html
毎日新聞 2012年06月27日 18時57分(最終更新 06月28日 00時50分)

 大阪府泉佐野市の千代松大耕(ちよまつ・ひろやす)市長は27日、犬や猫のふんの放置対策の財源として飼い主を対象にした「犬税」(仮称)を導入する検討を始めたことを明らかにした。市議会本会議で「モラル、マナーの向上を市民に求めたい。徹底的に取り締まりと啓発を行っていく」と述べ、改善されない状況が続けば2年後をめどに導入に踏み切る考えを示した。

 同市は環境美化推進条例で、ペットのふんの放置やたばこの吸い殻のポイ捨てを禁止。違反者には1000円の過料の徴収を定めているが、実際の徴収例はないという。

 千代松市長は取材に対し「街がきれいになることが一番大切。啓発で効果がなければ導入したい」と述べた。税収はパトロールや清掃作業の費用に充て、具体的な税額は今後検討する。

 市によると、市内で登録されている飼い犬は5375匹(猫は登録制度がなく不明)。犬税は1960年代には約2700の市町村にあったが、地方税の税目が整理される中で廃止が進み、現在課税している自治体はないという。


2012年6月27日水曜日

■「M7」巨大地震、実は近畿が危ない!地下水に異常確認


「M7」巨大地震、実は近畿が危ない!地下水に異常確認
http://news.infoseek.co.jp/article/26fujizak20120626012
2012年6月26日17時12分 夕刊フジ

 「3・11」から1年以上が過ぎ、体感できる地震の数も減っている。だが安心しているとしたら大間違いだ。マグニチュード(M)7級など巨大地震のリスクが収まったわけではない。未曾有の大災害を最小限に抑えるために「予知分野」の研究が進むなか、地下水に着目する専門家がいる。最近の調査では「南海トラフ」に関する不気味なデータが表れているという。地下の異常現象は何を物語っているのか。

 M9・0が襲った東日本大震災を契機に、地震の活動期に入ったとされる日本列島。首都直下地震の確率について、東大地震研が4年以内に50%以下で起きると警告したのは記憶に新しい。

 3月末には、内閣府の検討会が駿河湾から九州沖までを震源域とする「南海トラフの巨大地震」の被害想定を発表。静岡など10県153市町村が震度7、11都県90市町村が10メートル超の津波に見舞われるとした。

 こうした地震を事前に察知できれば、被害も低く抑えられる。その観点から「地下水の異常」に着目し、前兆現象を研究しているのが、元東大地震研の准教授で、日本女子大非常勤講師の佃為成(つくだ・ためしげ)氏。『東北地方太平洋沖地震は“予知”できなかったのか?』(ソフトバンク クリエイティブ)の著書で知られる地震学者だ。

 佃氏は「岩盤の中の水の動きを調べて地震発生の可能性を読み取っている」とし、独自の理論をこう説明する。

 「地震はプレートを構成する岩盤が起こす。“圧力のバランス”が崩れると岩盤に亀裂が走り、地表に揺れが伝わる。岩盤の中には間隙水という水があり、圧力で温められたり、(温度が)上昇したりするが、それにより地下水にも水温や電気伝導度の変化が現れる」

 電気伝導度とは、電気の流れやすさの目安。岩盤に圧力がかかって収縮すると流れやすくなり、圧力が軽減して膨張すると流れにくくなる特徴がある。こうしたさまざまな異常をとらえ、前兆として役立てようというわけだ。

 「阪神淡路大震災をきっかけに震源地に近い兵庫県猪名川町(いながわちょう)で電気伝導度と地下水温の観測をスタートさせた。現在まで全国28カ所に観測点を設置し、データ収集を続けている」(佃氏)

 最北端は、新潟県阿賀野市の出湯(でゆ)温泉内に設けた観測点。ここでは2004年の新潟県中越地震(M6・8)、07年の同中越沖地震(同)、さらには「3・11」の前兆らしき現象が確認された。

 「どの地震の前にも水温と電気伝導度の激しい上昇と下降がみられ、東日本大震災の前には、より顕著な変動があった。最初の兆候は09年末で伝導度と水温が急下降。10年5月末には伝導度が上昇に転じて、12月中頃からは水温も上がり始めた。いずれも巨大地震の準備過程を反映していた可能性がある」(同)

 その佃氏がいま最も警戒しているエリアがある。「近畿地方が危ない。京都や兵庫など複数の観測点で02年頃から(データの)異常が確認されている。岩盤が相当動き、地震が起きやすい不安定な状況にある」

 観測上の異常が長期にわたっているのも注意すべき点で、地盤の歪みが広範囲の公算が大きく、巨大地震の前触れの可能性もあるという。

 「南海トラフの巨大地震」の衝撃的な被害想定と重なり、不気味さは募るばかり。「琵琶湖底でも09年頃からガスの吹き上がりや井戸水の濁りなど相次いでいる。一連の異常が『南海トラフ』の前兆現象として連動して起こっているとも考えられる」(佃氏)

 地下で起きる異常現象。巨大地震の前触れなのか、それとも…。



2012年6月21日木曜日

■橋下徹批判  税金で養われている


橋下徹批判  税金で養われている(爺庵独語)
http://ameblo.jp/jiji-an/entry-11270871482.html
2012 年 6 月 19 日 gataro 

税金で養われている
2012-06-06 22:49:15

 橋下徹の奇矯で品のない言動には飽きあきしている人も多かろう。世間の耳目を集める爆弾発言を繰り返す橋下であるが、長い間ウォッチしていると、案外パターンが決まっていることに気付くはずだ。

 橋下の言論テクニックについては、すでに北海道大学の中島岳志准教授が分析しているし、ネット上でも「Afternoon Café」というサイトの運営者が、先日の橋下とMBSの女性記者のやり取りを克明に分析し、その詭弁テクニックを暴露している。

 爺庵は今回、橋下が頻りに使うフレーズを採りあげて、その詭弁ぶりを追及してみたいと思うのだ。そのフレーズが見出しの「税金で養われている」である。

 このフレーズの同類として「税金で飯を食べさせてもらっている」や「給料に税金が入っている」、「税金で支援されている」といったものも挙げられよう。

 このフレーズは橋下の十八番である公務員批判においては、使用率100%といって間違いない。

 橋下のツイッターから拾ってみると、最近では京都大学の中野剛志准教授への批判で「中野剛志もしょうもない思い上がり識者だったか。残念だ。だいたい、年下のくせに面識のない俺を呼び捨てにすんじぇねえよ。霞が関の官僚で大学の准教授。最悪のタダ飯ぐらいルートだろ。こういう奴らは税金でふんだんな時間を与えられて、朝から晩まで責任のないことをやっている」とやったのを皮切りに、悪罵を垂れ放題だったのは記憶に新しい。

 ちょっと前なら北海道大学の前出中島岳志や山口二郎教授について「道州制の話になるとすぐにメリット・デメリットを説明しろと、北海道大学の中島とかいう税金で養われている役立たずが言うでしょう。未だに大阪都構想について説明が足らんと言い続けている。師匠が山口とかいうこれまた税金で養われている役立たず。この人達は、単に僕のことが嫌いなだけ」と、これも下品な言いようであった。

 もっと前には神谷宗幣という吹田市議会議員も「まず神谷君らがやるべきことは吹田を変えることでしょと。神谷君らの報酬は吹田市民の税金です。ところが彼らの活動は吹田市をないがしろにしている」と批判されている。

 ちょっと変化球では同志社大学教授の浜矩子。私立大学の教員なのに橋下ときたら「この浜と言うおばはん大学教授は、自分が税金を受けていることも分かっちゃいない。大学教授はこう言う人多いね。国立大学はもちろん、私立大学だって運営交付金で税が投入されている。大学教授も、公務員と同じく税で養われている存在なんだ」と、トンデモ論を展開して挙句に「浜さん、あなたの紫色の髪の毛とその眉毛、そのために国民はあなたに税金を投入しているんじゃないんですよ!」と来たもんだ。

 もうひとひねりすると文楽への批判になる。曰く「なぜ人間国宝の公演でも客席が3割程度しか埋まらないのか。文楽の世界は身分保障の公務員の世界となっている。公務員の世界と、観客を集めてなんぼの芸事の世界は対極にあるはずだ。にもかかわらず、文楽という芸事の世界が公務員の世界になっている」。ここでは税金から補助を受けているということはイコール公務員の世界であるということにされており、以下に述べるような批判の対象に絡めとられているのである。

 これら一連の発言から確実に読み取れるのは、橋下は「税金から恩恵を受けるいうことは、それ自体が悪である」と考えているということである。橋下にとって税金から給料をもらっている人間は、そのことを負い目として感じなければならず、それゆえ市民から選挙で選ばれた政治家を批判することは許されないのだ、と考えているのだろう。そのことは浜矩子への批判で、私立大学への運営交付金という、浜の給料に果たしてどれほど寄与しているのかも判らぬものを持ち出してまで、「税で養われている」という批判に結びつけた牽強付会ぶりから判断できる。橋下自身も税金で飯を食わせてもらっている立場なのだが、それは選挙で選ばれたことが税金から給料を貰うことへの絶対的正当性になっているという理屈なのだろう。

 だが税金から給料を得るということが悪であるなどという理屈があるはずがない。なぜなら公務員は労働力を提供する対価として給料を受けているのであり、その給料の財源が税金であるに過ぎないからである。

 例えばここに一人の清掃作業員がいたとしよう。彼の会社は役所の清掃業務を請け負っていて、彼は毎日その役所へ出勤して清掃業務にいそしむ。彼の給料は安いかも知れないが、その財源はまさしく税金から出ているはずだ。さて橋下はこの清掃作業員から批判されたとき、「税金で養われている役立たず」と罵るのだろうか。

 役所に採用されている公務員も、この例え話で引き合いに出した清掃作業員も、労働力を役所に対して提供し、その対価として給料を得ている。その財源は税金であることに変わりはない。違うのは公務員は役所から直接給料を受け取り、作業員は自らが雇用されている会社を通じて受け取っていることだけである。

 浜矩子への批判に使われた私立大学への運営交付金を引き合いに出すという暴論。これを容認するなら、同じ論旨であらゆる市民に対して橋下への批判は許されないという理屈を組み立てることができることに、我々は気づかなければならない。

 例えば学生。大学に運営交付金が入っていることによって、学生は授業料の軽減というメリットを受けているはずであり、それは税金で生活の一部を養ってもらっているわけだから、橋下を批判することは許されない。同時に学生の親も、子供の授業料の軽減によって教育費負担の一部を支援されているから、橋下批判は許されないことになるだろう。

 難病患者や障害者などは、公費負担医療制度によって税金で医療費という生活の一部を養ってもらっていることになるから、橋下を批判することは許されない。

 介護サービス受給者。介護保険制度は介護費用の半分を公費=税金で負担することになっている。したがって介護サービス受給者は生活の一部を税金で養ってもらっていることになるから、橋下を批判することは許されない。

 生活保護受給者に至っては言うまでもない。橋下の論で言うならまさしく「税金で養われている」ことになるが、橋下は生活保護受給者から批判を受けたら「税金で養われている役立たず」と叫ぶのだろうか。人権侵害も甚だしいと爺庵は思うし、そんなことを言ったら暴動が起こるんじゃないかと心配してやるぞ。

 例え話で清掃作業員を引き合いに出したが、役所にボールペンやコピー用紙を納入している業者の従業員はどうなんだ。役所が発注した土木工事を請け負う建設業者の従業員はどうなんだ。役所の食堂で働く調理師などはどうなんだ。役人が常連になっている飲み屋のおやじも税金で生活の一部を養ってもらっているのか。

 極論すれば、道路を歩くのだって、洪水やがけ崩れの被害にあわずに生活しているのだって、食中毒になることなく三度の飯を食えるのだって、実は税金によってその安全が確保されている。この国で生活していく上で、税金の恩恵を受けない者などどこにもいない。税金の恩恵を受けていることが悪であるなら、この国に橋下を批判できる者は一人もいないことになる。

 それを意識して橋下が「税の恩恵を受けることは悪」というロジックを振り回しているのだとしたら、それこそ独裁願望以外のなにものでもない。



■「消費税増税法案だけを急ぎ成立させようとする大政党の動きに“待った”ではなく称賛を贈る主要メディアの倒錯ぶり」


「消費税増税法案だけを急ぎ成立させようとする大政党の動きに“待った”ではなく称賛を贈る主要メディアの倒錯ぶり」
http://www.asyura2.com/12/senkyo131/msg/566.html

「全国紙の新聞社は、主要広告主であるグローバル企業の意向を汲んで消費税増税を強く求めていると思われる。

 そのような全国紙など新聞社が次に狙うのは、新聞への“軽減税率”の適用であろう。
 そうであれば、低所得者層への給付付き税額控除を政策とする民主党より、食品などへの軽減税率の適用を政策とする自民党に“親近感”を寄せるのは当然である。
 軽減税率は、消費税=付加価値税の内実から、消費者のためにあるのではなく、直接及び間接の効果で供給する事業者のためにある。」

と書いたところ、そのコメント欄で次のような情報をいただいた。

「11. 2012年6月18日 19:31:42 : gLYNZSkXQ6

新聞が提言税率の対象になるという約束になっているそうです。ラジオでどっかの新聞(○経新聞)の人が言っていました。したがって、各紙とも、消費税に肯定的になっているんですね。すべてやらせ!!恥かしくないのかな?日本のジャーナリストは、利権屋ですね。
新聞が低減税率の対象になるなら、何に消費税がかかるの?またここに、利権の温床が出てきます。」

http://www.asyura2.com/12/senkyo131/msg/566.html#c11


 勝手ながら、「提言税率」や「提言税率」は、軽減税率のことと理解させていただいた。


 「軽減税率」は、民主・自民の消費税税率アップ共同作戦のなかで自民党から出されたアイデアである。
 「軽減税率」は、付加価値税先駆者である欧州諸国でも採用されているが、税務処理の実態は定かではない。
 特定カテゴリーの商品に対する付加価値税税率が他の商品よりも低く適用されることはわかるが、最終的な徴税処理がどうなっているかが不明だからである。
(「軽減税率」を説明しているものをいくつか読んだが、適用される商品カテゴリーや税率で、税処理まで入り込んだ説明には行き着かなかった)

 gLYNZSkXQ6さんのコメントをきっかけに、消費税の理解を深める目的もかねて、「軽減税率」について少し考えてみた。


■ 「軽減税率」にインボイス方式は必要か?

 20年以上も前の消費税導入段階から言われていることだが、付加価値税の“不正”を防ぐためには、付加価値税の受け払いを明示するインボイスが必要だとされている。
 今回も、「軽減税率」案が浮かび上がってくるなかで、インボイス方式が再び俎上にのぼっている。

 結論的に言えば、「軽減税率」があろうが、「輸出戻し税」があろうが、徴税当局にとってインボイス方式は必要なものではない。

 インボイス方式は、徴税当局のためというより国民向けの付加価値税(輸出戻し税)正当化装置であり、徴税当局にとっての“効用”は、伝票保存付き帳簿方式となんら変わらないからである。

 売上と仕入をきちんと把握すればいいということでは、法人税の徴税と消費税の徴税はまったく変わらない。
 消費税の仮受や仮払という話は、税務処理上の虚構であり、実際の取引実態とは無関係だからである。

 消費税の“不正”を帳簿と伝票のチェックで防げないのなら、法人税の“不正”も防げないことになる。

 課税される事業者の会計処理は面倒になるが、徴税当局にとっては、申告制度の消費税で「軽減税率」が適用されて面倒になるとしても、税務調査のときに「軽減税率」が品目として正しく適用されているかどうかをチェックする手間だけである。


■ 新聞に「軽減税率」が適用されると新聞購読料は安くなるか?

 これは、食料品に「軽減税率」が適用されると食料品は安くなるのかという問いと基本的に同じである。

 消費税の税率が10%の段階で「軽減税率」は採用されず、15%といったもう一段高い税率になったときに採用されるようだが、「軽減税率」の適用云々だけでは、適用対象の商品の価格がどうなるか何とも言えない。

 「軽減税率」が実際に採用されるか、採用されるとしてもどのように適用されるかまったくわからないからである。

 新聞に「軽減税率」が適用されるときには、電子版新聞や書籍も「軽減税率」の適用対象になると予測する。

思考実験として、いくつかの場合について考える。


1)非課税的な「軽減税率」の適用

 現在でも、「軽減税率」の適用ではなく、非課税の適用を受ける取引はある。賃貸住宅や福祉関連商品そして金融取引である。

 消費税率のアップと同時で、新聞や食料品に「軽減税率」ゼロ%が適用され、消費税の申告処理が非課税と同じだとすれば、算術の範囲でも、新聞や食料品の価格は上昇する。

 というのは、新聞社も農家も、自給自足ではなく、様々なものを仕入れており、その多くが通常税率の適用を受けるからである。
 課税売上分は別だが、仕入がほとんどない新聞社でないかぎり、消費税で仕入控除を受けられない非課税措置はコストアップにつながる。
法人税も、売上から消費税分が控除できないため、課税強化になる。

 値上げに踏み切る新聞社幹部の代弁をすると、「社会的使命を帯び文化的意義も持つ新聞は、良識ある政府や国会のおかげで「軽減税率」の適用を受けることになりました。しかしながら、新聞用紙やインク代などの必要資材は消費税税率のアップで高くなります。また、日夜を分かたず取材活動に励む記者たちの消費税負担も増大することになります。つきましては、消費税の転嫁はまったくいたしませんが、かかるコストの上昇に見合うだけの購読料の引き上げをお願い申し上げます」というものだろう。

 この理屈は、農家や食品スーパーなども同じである。

 非課税的な軽減税率を適用されるとなったら、新聞社は、輪転機など設備投資を前倒しで行うはずだ。
 新聞が非課税として扱われるゼロ%税率になったら、これまで一括消費税分を控除できた設備投資が、新聞(たぶんそのときは書籍もゼロ%)以外の課税取引の比率に見合う金額しか控除できなくなるからである。

2) 免税的な「軽減税率」の適用

 この場合は、「輸出戻し税」と同じ恩恵が受けられることになる。
「軽減税率」がゼロ%なら、消費税をまったく(課税売上を除くほとんど)負担しないで、消費税還付金まで受け取ることになる。
 新聞社が輸出企業の仲間に入ったと考えればわかりやすいだろう。

 では、この場合に、新聞購読料は下がるのだろうか?私の判断では、この場合も、新聞購読料は上がるとみる。

 さすがに、謂われのない還付を受ける、新聞用紙やインク代などの必要資材が消費税税率のアップで高くなったというようなことは理由として持ち出さないだろうが、「日夜を分かたず取材活動に励む記者たちの消費税負担も増大します。つきましては、消費税の転嫁はまったくいたしませんが、かかる負担の増加に見合うだけの購読料の引き上げをお願いしたい」と言うだろう。

 「輸出戻し税」の実態が覆い隠されている現実を踏まえると、新聞社は、厚顔無恥で、「新聞用紙やインク代などの必要資材が消費税税率のアップで高くなる」という理由も持ち出すかもしれない。


3) 「軽減税率」5%の適用で、仕入控除は実態のまま

 新聞に「軽減税率」5%が適用され、消費税計算での仕入控除は、仕入れ取引ごとに適用される税率で算出するとする。

 納付すべき消費税は、「(新聞売上×5/105+一般売上×税率/(100+税率))-(一般仕入×税率/(100+税率)+軽減税率品仕入×5/105)」となる。

※ 軽減税率は、複数の税率も可能だが、煩雑なのですべて5%とした。食品・生理用品は3%、新聞書籍は5%などと分けることができる。

 売上に占める新聞(書籍)の比率が高く、仕入に占める一般商品の比率が高ければ、「消費税還付金」を受ける可能性が高い。

 この場合も、仕入れコストが上がることもあるが、消費税増税で同じレベルの生活に必要な生活費が増加することを盾に新聞購読料を上げるだろう。

■ まとめ

 以上のことから、新聞社が新聞の軽減税率適用を約束されているのなら、2)か3)の適用を受けるはずである。

 非課税業者となる1)は、ほとんどメリットがない、設備投資まで考えるとマイナスになる制度なので強く忌避するだろう。

 「軽減税率」が適用されるとしたら、2)か3)になるだろう。
 2)3)いずれであっても「消費税還付」を受けることになり、まだまだ価格支配力を維持している大手全国紙なら、収益性を高めることができるはずだ。

 もっと詰めて検討しなければならないテーマだと思っているが、消費税を考える一助になればと思い急ぎ投稿させてもらった。



■橋下市長:政治活動の職員、懲戒免職に


橋下市長:政治活動の職員、懲戒免職に
http://mainichi.jp/select/news/20120621k0000m010094000c.html
毎日新聞 2012年06月20日 21時58分(最終更新 06月21日 01時29分)

 大阪市の橋下徹市長は20日、市職員の政治活動を勤務時間内外を問わず規制強化する条例案について、条例で禁じた政治活動をした職員を原則、懲戒免職とする規定を盛り込む方針を決めた。橋下市長は当初、懲役2年以下などの罰則を検討していたが、政府が「違法」との見解を示したため、見直しを表明していた。総務省によると、自治体が政治活動を理由に職員を懲戒免職にした例はほとんどない。市が条例に基づいて免職にした場合、処分の妥当性が問題になる可能性もある。

 この問題を巡っては、政府が19日、地方公務員の政治活動に対して、自治体の条例で罰則を盛り込むことを「地方公務員法に違反する」と閣議決定。同法が成立した際、「懲戒処分により(職員の地位から)排除すれば足りる」との理由で罰則規定を盛り込まなかった経緯を指摘していた。

 これに対し、橋下市長は20日、「閣議決定が『地位から排除すれば足りる』というなら、忠実に従う。(政府は)バカですね。政治活動については原則、懲戒免職にして、ばんばん排除していく」と述べ、7月の臨時議会で「懲戒免職」規定を盛り込んだ条例案を提出する方針を示した。



■大阪府市統合本部:1万人を非公務員化 年200億円経費削減 中之島図書館は廃止

大阪府市統合本部:1万人を非公務員化 年200億円経費削減 中之島図書館は廃止
http://mainichi.jp/area/news/20120620ddn001010002000c.html
毎日新聞 2012年06月20日 大阪朝刊

公営企業などの経営形態見直しや二重行政の解消策を検討していた大阪府市統合本部は19日、市営地下鉄やバス、ごみ収集などの経営形態を見直し、市の技能職員ら約1万人を非公務員化する基本方針を決めた。3事業で少なくとも年約200億円の経費削減につながるが、当初掲げた削減目標と比べると当面は20分の1にとどまる。府市で類似した18団体・施設の統合・一元化、10団体の廃止や補助金打ち切りなども決めた。

統合本部は、府市の行政サービスや施設について、地下鉄やバス、上下水道などの経営形態を見直す「A項目」▽類似団体や施設を統廃合する「B項目」と分類して検討した。市単体で所管する地下鉄やバスなどは民営化に向けた日程などが示された一方、水道や消防など他市町村との協議が必要な事業は具体的進展がなかった。橋下徹市長と松井一郎大阪府知事は昨年12月の初会合で、事業の統合などで府市で年約4000億円を生み出すとしていた。




■大阪府市統合本部:1万人を非公務員化 地下鉄など民営に
http://mainichi.jp/select/news/20120620k0000m010114000c.html
毎日新聞 2012年06月19日 23時03分

公営企業などの経営形態見直しや二重行政の解消策を検討していた大阪府市統合本部は19日、市営地下鉄やバス、ごみ収集などの経営形態を見直し、市の技能職員ら約1万人を非公務員化する基本方針を決めた。3事業で少なくとも年約200億円の経費削減につながるが、当初掲げた削減目標と比べると当面は20分の1にとどまる。府市で類似した18団体・施設の統合・一元化、10団体の廃止や補助金打ち切りなども決めた。

統合本部は、府市の行政サービスや施設について、地下鉄やバス、上下水道などの経営形態を見直す「A項目」▽類似団体や施設を統廃合する「B項目」と分類して検討した。市単体で所管する地下鉄やバスなどは民営化に向けた日程などが示された一方、水道や消防など他市町村との協議が必要な事業は具体的進展がなかった。橋下徹市長と松井一郎大阪府知事は昨年12月の初会合で、事業の統合などで府市で年約4000億円を生み出すとしていた。





■1万人、非公務員化 大阪府市統合本部
http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/120620/20120620018.html
2012年6月20日

 大阪府と大阪市でつくる府市統合本部は19日、同市住之江区の府咲洲庁舎で第14回会議を開き、府市で業務が重複している行政サービスの見直しや地下鉄など公営企業の経営見直しについての基本的方向性を示した。地下鉄・バスの民営化やごみ処理事業の民間委託などで市職員の3割弱に当たる約1万人の非公務員化を図るなどとしている。経費削減効果は最小の試算で年間約200億円にとどまった。

基本方針について協議する(左から)松井一郎知事、橋下徹市長ら=19日午後、大阪府咲洲庁舎
 橋下徹大阪市長らは2015年4月の「大阪都」移行時で、府市の予算規模の5%に当たる年間計4千億円の経費削減を目指しており、今回の試算に含まれていない人件費や施設運営費で削減額を上積みできるかが課題となる。

 公営企業や公立病院などの経営形態の見直しでは、地下鉄は15年民営化を目指し、バスは民間への路線譲渡や管理委託を拡大。ごみ収集に従事する職員の非公務員化を図り5~10年で完全に民間開放するとした。

 府市で重複、類似する行政サービスは22分野で見直し。信用保証協会や高校・支援学校などを統合・一元化し、国際交流や保険医療の財団など12法人・施設は廃止・自立化するとしている。

 ただ、多くの分野で統合や事業廃止の具体的なスケジュールが示されず、出席者からは先延ばしにつながらないよう求める意見も。このため、法改正が必要など理由があるものでも、現状でできる取り組みを含めた具体スケジュールを作成し、実現性を高めることを確認した。

 このほか会議では、「大阪都」を踏まえた新たな府市一体の都市政策のあり方について検討を重ねている都市魅力戦略会議の報告「世界的な創造都市に向けて~グレート・リセット」も行われ、文化施策を担う新組織の新設や国際観光都市推進に向けた「大阪観光局」の設置などが提案された。15年を新たな都市制度での魅力創造のシンボルイヤーと位置付け、大規模イベントの開催なども提唱している。




■大阪府市、1万人を非公務員化 行政改革で基本方針
http://eonet.jp/news/kansai/osaka/article.cgi?id=38074
(06月19日 18:50)

 大阪府市統合本部は19日、地下鉄・バスの民営化や市のごみ処理事業の民間委託などで市職員の3割弱に当たる約1万人の非公務員化を図る行政改革の基本方針をまとめた。ただ地下鉄を除き人員削減の具体的期限は打ち出していない。経費削減効果は最小の試算で年間約200億円にとどまった。

 二重行政解消を目指し9分野18法人・施設の統合も盛り込んだ。

 橋下徹大阪市長らは2015年4月の「大阪都」移行時で、府市の予算規模の5%に当たる年間計4千億円の経費削減を目指しており、今回の試算に含まれていない人件費や施設運営費で削減額を上積みできるかが課題となる。



■生活保護に「現物支給」…大阪維新の会、政策集に明記へ


生活保護に「現物支給」…大阪維新の会、政策集に明記へ
http://www.asahi.com/politics/update/0617/OSK201206160170.html
2012年6月17日21時6分.

 大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)が、次の衆院選に向けた政策集「船中八策」(維新八策)に、生活保護制度の現金給付を改め、クーポン券の利用や生活用品を渡す現物支給を基本にする考えを盛り込むことがわかった。セーフティーネットのあり方にかかわるだけに、議論を呼びそうだ。

 関係者によると、橋下代表ら幹部が生活保護制度の見直しを検討。不正受給問題を解消し、保護費の増大を抑えるため、現物支給を軸にすることで一致した。

 食料品や衣服、生活用品は対象者に配布するクーポンと引き換えてもらったり、指定店で入手できるようにしたりする一方で、現金給付をほとんどなくす方向という。医療費についても一定の自己負担を求めるほか、受給資格は期間限定とし、受給を続ける場合は再審査する制度も盛り込む。



■レディー・ガガのチケットと病院の予約券、許せるダフ屋は?――マイケル・サンデル教授の「民主主義の逆襲」


レディー・ガガのチケットと病院の予約券、許せるダフ屋は?――マイケル・サンデル教授の「民主主義の逆襲」
http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1206/05/news080.html
2012年06月05日 18時05分 UPDATE

5000人が白熱した特別講義

米ハーバード大学のマイケル・サンデル教授が、東京国際フォーラムで5000人を前に特別講義を行った。テーマは「ここから、はじまる。民主主義の逆襲」。受講者に語りかけながら議論を促すおなじみのスタイルを取ったサンデル氏。これから数回にわたってその模様をお伝えする。
[上口翔子,Business Media 誠]


マイケル・サンデル教授

 「もしあなたが大学生で、『あなた自身の命名権をくれるのなら授業料を出す』と企業に言われたらあなたはどうしますか?」「3.11のような震災がまた起こった場合、政府が発信する情報とTwitterや個人ブログの情報、どちらを信頼しますか?」――ベストセラー『これからの「正義」の話をしよう』筆者で米ハーバード大学教授のマイケル・サンデル氏が来日し、5月28日に東京国際フォーラムで約5000人を前に「ここから、はじまる。民主主義の逆襲」と題した特別講義を行った。

 サンデル氏の講義はこのように、YES/NOをハッキリと示しにくい議題を受講者に投げかけ、自分の頭で考えさせるのが特徴だ。ハーバード大学でのサンデル氏の講義「Justice(正義)」は、延べ1万4000人超が履修し、テレビ放映で一般公開されたほど。今回の特別講義も5000席の枠に倍の応募があったという。2年前の出張講義(参照記事)では500人だったから、今回は約10倍の受講者を集めた。


サンデル氏は今回の特別講義の中でもいくつかの難題を提示。受講者はサンデル氏の問いかけに対し賛成であれば白、反対であれば赤、というように手持ちのパンフレットを掲げて自分の意思を示した
 当日の内容は大きく前編、後編の2部構成。前編は5月16日に発売した近著『それをお金で買いますか――市場主義の限界』でも触れているダフ屋のチケット問題や命名権、インセンティブについて。後編は東日本大震災を受けて日本の原発問題などを題材としたものだ。いずれもボードやスライドは一切使用せず、受講者に語りかける対話形式のスタイル。議論を促す“サンデル流”講義の全ぼうをお伝えする。


今回の特別講義は、東京国際フォーラム開館15周年記念事業という位置付け。「皆さん、準備はできていますか?」――。盛大な拍手で迎えられたサンデル氏の問いかけで講義は始まった(写真右は早川書房の早川浩社長)


社会でお金が果たす役割とは

サンデル 今晩のテーマは『ここから、はじまる。民主主義の逆襲』です。今、民主主義が直面している課題が「お金と市場の役割は何なのか」「社会でお金が果たす役割は何なのか」ということです。今日の世界では、お金で買えないものはどんどん少なくなってきていますよね。


 例えば皆さんが罪を犯し、刑務所に行かなければならないとします。ところが普通の独房は狭くて嫌だ、お金を払って快適な独房に行きたい。こうした要望が米カリフォルニア州のある町ではできるんです。お金があれば快適な独房が買えるんですよ?

 少し昔話をしますが、子供のころ、私は野球のファンでした。お気に入りのスター選手のサインを集めていたんです。当時は少し早めに野球場に行けば、選手たちはファンにサインをしてくれたんです。私はボールや紙にサインをしてもらいました。

 一度ラッキーだったのが、あるゴルフトーナメントに行ったときのこと。チャリティートーナメントだったので、いろいろなスター選手が来ていて、私にもサインをしてくれました。元メジャーリーガーのミッキー・マントル、ジャッキー・ロビンソン、ジョー・ディマジオ。今でも実家の屋根裏部屋のどこかに彼らのサインがあるはずです。

 こうしたサインは、一瞬の思い出ではありますが、記念ですよね。偉大な私のヒーローであった選手との思い出です。しかし現代では、こうしたスポーツ選手のサインの集め方がずいぶんと変わっています。それはもう数十億ドルもの一大産業に育っているんです。そしてブローカーやディーラーなどの仲介業者、さまざまなお店がサインを扱っています。これは時代の象徴といえるでしょうかね。時代はここまで変わってきているんです。


自分の街の命名権は誰のもの?

サンデル 最近スポーツスタジアムに行くと、企業の名前が付いている場合がありますよね。命名権というものです。今ではおなじみとなっていますが、実は30年前はほとんど知られていないことでした。

 あるニュースで見たのですが、日本でも大阪府の泉佐野市が命名権を売却する話題がありましたよね。そのように今ではスポーツスタジアムなどの域を超えて命名権が広がっています。さて、ここで皆さんに意見を聞きたいと思います。

あなたの住んでいる町の財政が厳しく、今にも破たんしそうです。そんなとき、ある企業が何百万円かを寄付してくれることになりました。ただし、条件があります。町の名前を企業の名前と関連したものしてほしいというものです。あなたなら賛成ですか? 反対ですか?

サンデル (会場では白[賛成]と赤[反対]が半々)なかなか面白い結果ですね。半々に分かれるとは、私はこういう結果になるとは思っていませんでした。興味深いです。


命名権の売買を多数決で決めた場合

サンデル では、あなたが住んでいる町や市の名前を企業に売ることについて、まずは賛成の人の意見から聞いてみましょう。白を挙げた人、賛成する理由は何ですか?

ケイタ(賛成) 賛成です。命名権を売ることに反対する理由はないし、賛成をすればお金が入ってくるので。

サンデル 分かりました。では反対意見も聞いてみましょう。どういう理由で反対したのか、そしてその反対意見を聞いて賛成の人を納得させられるかもしれませんし、できないかもしれません。

アオイ(反対) 市というのは、企業の財産ではありません、市民の財産です。ですから一企業が市の名前を買うのは正しくないと思います。

サンデル あなたの名前は?

アオイ(反対) アオイです。

サンデル では先ほどの人は? ケイタですね。ではケイタ、アオイに話してください。そしてアオイの理由に納得したかどうか答えてください。

ケイタ(賛成) 当然、市というのは企業のものではないと思います。でも、市が市民のものである以上、市民にとって利益になる命名権が与えられる場合は、承認されてもいいんじゃないかと思います。

サンデル アオイはケイタのこの意見にどう反論しますか?

アオイ(反対) そうですね。命名権の売買を決める人は責任者ですよね? 市で言えば市長など。うーん……ソーリー(困った様子)。

サンデル いいですよ、ではちょっとアオイに質問をしましょう。例えば市の名前を変えることで、市民はお金を受け取れるとします。それに対して市民投票をしたら過半数がよい(お金をもらえるのなら命名権を売ってもいい)と答えたとします。アオイはどう答えますか?

アオイ(反対) もしも市民の過半数が良いと言ったとしても、100%ではないですよね? 100%が良いとしたのなら、変えてもいいと思いますが。

サンデル 全市民が賛成しないとダメですか? それは厳しい条件ですね(笑)。では99%なら?

アオイ(反対) 99%ということは、反対の人が1%いるということですよね。市の名前は重要で、大事だと考える人が1%でもいるのなら変えない方がいいんじゃないでしょうか。

サンデル アオイがその市民なら、きっとその1%ということですね。(会場笑)


自分自身のアイデンティティーを売ることはできる?

サンデル 過半数の意見が必ずしも正しいとはいえませんので、アオイは正しいかもしれませんね。では市の名前、町の名前、なぜこれが大事なのでしょうか?

アオイ(反対) 一部の人にとっては、自分のアイデンティティーを表すからだと思います。そういう人にとって、市の名前を変えることはたやすいことじゃないと思うんです。お金のために市の名前を変えるのはよくありません」

サンデル では市の名前が市民としてのアイデンティティーを表すものならば、お金のために名前を変えるのは、いわば市民としての価値の中心のあるものを変えてしまうと、だから反対だということですね。これは非常に強力な議論だと思うのですが、ケイタはいかがでしょう?

ケイタ(賛成) そう思います。ただ、もしアイデンティティーよりもお金の方がいいと市民が判断すれば、市の名前を変えてもいいんじゃないでしょうか。アイデンティティーとお金のどちらが重要かは、市民によると思います。


サンデル それでは、ケイタに質問です。市民としてのアイデンティティーがいま問題となっていますが、もしそれが個人としてのアイデンティティーだとしたらどうでしょう? あなたがお金を必要としている場合、そしてある企業が申し出をしたとします。『あなたが必要としているお金をあげましょう』と。例えば大学の授業料です。あなたは大学生で、ワシントンD.C.の学校に通っているとします。そして授業料が必要だった。するとある企業が「あなた自身の命名権をくれるのなら授業料を出します」と申し出をしてきました。例えばあなたの名前がマスターカードとか、マクドナルドとかになるんです。ケイタ・マクドナルドとかね。あなたは授業料と引き換えに名前を変えられますか?

ケイタ(賛成) はい、やると思います。

会場 (笑)

サンデル (拍手をしながら)いくらくらいですか?

ケイタ(賛成) 10億円です。

サンデル 随分と多額のお金ですね。それ以下では応じないということですか?

ケイタ(賛成) たぶん。

サンデル もしかしたら応じるかもしれない、企業は交渉の余地があるということですね。つまりあなたは自分自身の名前、自分自身のアイデンティティーも価格が付けられるということです。アオイは今のケイタの意見についてどう思いますか?

アオイ(反対) もしかしたら、ケイタにとってはそうなのかもしれません。自分のアイデンティティーにも価格を付けられる。でも、私の場合にはそうではありません。

サンデル あなたは名前を売らないということですね。

アオイ(反対) はい、売りません。

サンデル アオイ、ケイタ、ありがとう。

会場 拍手


 続いての議題は「何ならばお金で買えるか」だ。サンデル氏は「友情」「結婚式の祝辞」「コンサートのチケット」「医師の診察券」などを例に挙げながら受講者に問いかけた。

お金で変えるもの、買えないもの


サンデル さて、何ならばお金で買っていいのかという議論をするに当たって、たとえ試みたとしてもお金で買えないものがあることを認める必要がありますね。例えば、友情。これはお金で変えないですよね? 今よりも友達の数を増やしたいと、でも普通では友達ができない人だとすると、お金で友達を買おうとしても、うまくいきませんよね。これは非常に興味深い哲学的な命題でもあります。

 なぜお金で友情は買えないのか。恐らく皆さんはこう思っている思います。お金で友人を買ったとしても、実際に自分が求めている本質的なところは変わりません。お金で買った友人は本当の友人ではないということです。皆さんもそう思いますよね? ケイタも、さすがにお金で友人は買えないですよね

 ところが多くのものが、友情と違ってお金で買えてしまうんです。ということで、さらに倫理的、あるいは市民という立場から『何ならばお金で買えるか』という疑問を考えてみましょう。

お金で買った祝辞で感動できる?

サンデル ちょっと友情に似た例を挙げましょう。皆さんの中には、友人の結婚式の祝辞を頼まれたことがある人はいますか? スピーチをして乾杯の音頭を取るんです。一度くらいはありますよね? それで経験した人は分かると思いますが、祝辞をしてくれと頼まれると、皆が皆、気安くOKとは言えませんよね。雄弁で感動的で、それでいてジョークも交えたユーモラスなスピーチをしなければとナーバスになります。もちろん、みんながそんなスピーチを書けるとは限りません。

 実は、結婚式の祝辞を代筆してくれる『 The Perfect Toast.com 』という有名なWebサイトがあるんですよ。このサイトで新郎新婦の人柄や、自分との関係、そして祝辞の内容はユーモラスがいいか感動的がいいかという条件を書き込むと、3日で出来上がった祝辞が届きます。

 皆さん、これはいくらくらいだと思いますか? ちょっと大声で言ってみてください。(会場からの声を拾って)50ドル? わざわざあなたのために作ったオリジナルなのに? たった50ドルですか?(笑)――答えは送料込みで149ドルです。


 さて、皆さんに質問です。このようにお金で買った祝辞は、心を込めて書いた祝辞と一緒でしょうか? 例えばあなたの結婚式で、親友が本当に感動的な祝辞をしてくれたとします。あなたももう涙、涙で。ところが後からその祝辞がオンラインで149ドルで買ったものだと分かります。皆さんどう感じますか?

 あの時の感動は何だったのかと、価値が下がったと思いますね、恐らく。結婚式の祝辞は友情とは違ってお金で買えるものかもしれませんが、ある意味では友情と一緒です。お金での取引によって、価値が失われてしまうんです。意味のないものになってしまうということですね。

 これは多く物や財に言えることです。家族としての生活、市民としての生活、いろいろなことに当てはまります。お金で買おうとしても実はお金で買えないものなんです。


ダフ屋行為が許せるチケット、許せないチケット

サンデル 別の例を挙げたいと思います。自由市場を適応して販売しているチケットの話です。ロックコンサートや野球のワールドシリーズの試合、誰もが手に入れたいと思うチケットです。そうしたチケットの売買は時々ダフ屋が仲介してしまうよね。チケットを買い取って、別の人に高額で売り付ける人たちです。

 ここで皆さんに質問です。

米人気歌手のレディー・ガガのコンサートがあり、チケットが販売されています。中にはダフ屋もいて、皆がほしいとい思うチケットを数倍の値段で売っています。あなたはこうした自由市場の在り方について、賛成ですか? 反対ですか?


サンデル 今回の質問でも意見が半々に分かれていますね、ただ、どちらかと言うと賛成、つまりレディー・ガガのコンサートチケットでダフ屋が出るのは構わないといった人の方が若干多いようです。

 では違った例を上げてみましょう。やはりチケットのダフ屋の例です。同じような意見か、皆さんにもう一度聞いてみたいと思います。

 私が中国に行ったときのことですが、北京の病院の外で長い行列ができていました。田舎から出てきた患者が、医師の診察を受けようとして行列を作っていたんです。その人たちは夜通しまたは数日間待たなければ、医師の診察を受けられないそうです。朝9時になると受付が始まり、医師の予約券が配られます。予約券自体はそれほど高価なものではありません。ただ、限られた数の予約券しかないんです。

 そしてダフ屋が気が付きました。これがビジネスになると。ホームレスなどを雇い、行列で待ってもらって、予約券を手に入れるんです。そしてその予約券を、レディー・ガガのコンサートチケットと同じように売りつける。例えば「リュウマチ専門医の予約券ですが、いくら払いますか?」という形で売りつけているんです。これも自由市場ですね。では皆さんに意見を聞きたいと思います。

病院の予約券を競りにかけて売るダフ屋行為は、自由市場の在り方として構わないですか? 間違っていると思いますか?

サンデル 今回はかなり違った結果になりましたね。大多数が「間違っている」で、「構わない」という答えは少数という結果になりました。では皆さんの意見を聞いていきましょう。まずは予約券のダフ屋行為は何かおかしいと思う人、理由を教えてください。どういう理由で間違っていると思いますか?


レディー・ガガのチケットは良くて、医師の診察券のダフ屋行為はダメ?

男性(反対) 私はレディー・ガガのチケットの場合も医師の診察券の場合も両方とも反対しました。ただ問題は、レディー・ガガがチケットのダフ屋行為についてどう思うのか、そして病院や医者がどう思うのかにかかっていると思うんですね。レディー・ガガが自分のチケットがダフ屋で売られていると知ったらどう思うでしょうか? そして医者も自分の診察の予約がお金で売り買いされていると知ったらどう思うでしょうか?

 非常に残念でがっかりすると思います。ですからこの問題は、供給サイドと需要サイドの気持ちが重要ということです。資本主義というのは、需要サイドにばかり目が向いて、供給サイドを忘れていると思います。

サンデル でもそんなこと構わないんじゃないですか? あなたがレディー・ガガだったらどうしますか? 気にしますか?

男性(反対) いや、レディー・ガガの気持ちは分かりません。ただ、恐らく彼女のこれまでの行動などを見るならば、いろいろな非営利団体での慈善活動をしているので競り行為でチケットが売られるのは嫌がると思うんですよ。皆が平等に見られるように願うと思うんです。

サンデル では逆に、ダフ屋行為に反対はしない、レディー・ガガのチケットも医師の診察券もどちらの場合も構わないんじゃないかという人に聞いてきたいと思います。どうぞ立ちあがって意見をお願いします。

女性(賛成) 私は医師の診察を受けるのも、レディー・ガガのコンサートに行くにも、それが本当に必要だとするならばお金はいくらでも後から貯めることができると思うんです。特に病院の場合は、私はお金で片が付くのならば、お金を貯める方を考えます。

サンデル では医者の予約は、最も高いお金を払った人が行くべきだと思うのですか? それで構わないんですか?

女性(賛成) いえ、それが本当に必要であるならば、そのお金を貯めるために何でも努力をすると思います。

サンデル では構わないということですね。では次にレディー・ガガのチケットの場合は構わないけども、医師の診察券の場合には反対という人の意見も聞いてみましょう。

男性(医師の予約券は反対) 人は皆、貧しい家庭の出身かお金持ちの家庭の出身なのかにかかわらず、誰もが同じ権利を持つべきだと思います」

サンデル 「それは医師の予約についてということですね。ではレディー・ガガのコンサートについてはどうですか?

男性(医師の予約券は反対) 私はレディー・ガガのチケットが手に入らないからといって、そんなに苦しむことはないと思います。

サンデル でもつらい人がいるかもしれませんよ?

男性(医師の予約券は反対) それほどひどく辛いとは思わないのではないでしょうか。医療行為を受けることができない人の方が辛いはずです。

サンデル では医療行為については誰でも受ける権利があるけれども、コンサートには行く権利はないということですか?

男性(医師の予約券は反対) そうです。

サンデル 分かりました。では他に、やはりダフ屋行為について、医師の予約券には反対だけどコンサートのチケットは問題ないと考える人、どうぞ。

レイカ レディー・ガガのコンサートはエンターテイメントで、なくても生きていけるものだと思います。行けなくても次のチャンスがあります。でも医師の予約券は人間にとっては健康が必要ですから、もしお金がなくて医師の予約が取れなかったら死んでしまうかもしれません。ですから、お金を貯めて医者にかかる、そうでなければいけないというのは、正しくないと思います。

サンデル あなたの名前は? レイカですね。ではレイカ、別のケースについて聞きましょう。哲学の授業のダフ屋行為はどう思いますか?

レイカ この講義であれば私は払います。(会場笑)

会場 拍手

サンデル でも、出なくても生きていくことはできますよ。

レイカ 私の知識や勉強のためです。

サンデル では教育というのは医師の予約に似ていますか? それともエンターテイメントに似ていますか?

レイカ 医師の診察券に似ています。

サンデル 医師の予約に似ているということですね。それは気に入りました。(会場拍手)

サンデル この議論で面白かったことは、ダフ屋行為、これはもちろん自由市場の活動と捉えることができるのですが、どういう場合ならば良くて、どういう場合は良くないのか。今の議論を聞いていると、状況によって変わるようですね。

 すなわち、どういう対象物に関してのダフ屋なのかで、許せるか許せないかが変わってくるということです。例えば自分のよい生活のために、あるいは人間の暮らしの中で娯楽といえるエンターテイメントならばダフ屋行為もよいのではないか、市場経済は構わないのではないかということだと思います。

 ところが大多数の人は、医師の予約券に関しては市場主義は適切ではないという意見でした。これは絶対的に必要なもの、人間の尊厳にかかわるものは、売り買いしてはいけないのではないか、という気持ちが強くなっているからだと思うんです。つまりわれわれは、お金で買えるもの、買えないものをどこで線引きをするのか。どういうものならば許されるのか。そういう議論が必要だということではないでしょうか。



■放射性廃棄物の受け入れはお金で解決できる?――マイケル・サンデル教授の「民主主義の逆襲」


放射性廃棄物の受け入れはお金で解決できる?――マイケル・サンデル教授の「民主主義の逆襲」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120607-00000020-zdn_b-bus_all
6月7日(木)9時58分配信 誠 Biz.ID


5000人が白熱した特別講義

 ベストセラー『これからの「正義」の話をしよう』の筆者で、米ハーバード大学教授のマイケル・サンデル氏。5月28日の特別講義「ここから、はじまる。民主主義の逆襲」での様子を伝える。前回の「レディー・ガガのチケットと病院の予約券、許せるダフ屋は?」に続いて今回は、放射性廃棄物の受け入れ問題などについて講義した。

●有名大学への入学権はお金で売り買いしていい?

サンデル さて、続いては皆さんが大学の経営者だった場合の話をしましょう。あなたの大学は優れた学生を輩出し、多くの受験生が入学したいと思う有名大学です。しかし資金難に苦しんでいました。そこで次の質問です。

優れた大学経営のためにお金を使いたいので、入学の権利の10%を最もお金を払った人から順に与えるというアイデアを思い付きました。裕福な親を持った学生達が寄付金をふんだんに払ってくれるなら、入学させるというものです。このような市場のメカニズムの使い方、そしてエリート大学への入学の権利を売り買いすることについて、あなたは賛成ですか? 反対ですか?

 サンデル氏の講義は、単純に授業を聴くのではなく、ある問いに対して受講者に答えを考えさせながら進んでいく。入学の権利が売り買いできることに賛成の人はパンフレットの白色の面を、反対の人は赤色の面を掲げて意志を示した。サンデル氏は会場を見渡すと、こう話した。

サンデル やはり意見が分かれていますね。反対意見の方が多いようですが、賛成意見の人もかなりいます。ではまず反対意見の人から、反対とする理由を聞いてみましょう。

男性(反対) 僕が反対する理由は、裕福な家庭で寄付金が出せるからといって10%の人を集めると、残り90%の一般入試で入った人に不公平だと思ったからです。

サンデル 90%の学生、豊かな両親がいなくて入学権利をお金では買えない人にとって不公平だということですね。でも競争で、入試で受かれば入学できますよね? そうじゃありませんか?

男性(反対) そうなのですが、入学後の環境といった形でも「あの人は寄付金を出したから入れたんじゃないか」とうわさが立つ可能性もありますし、学内の問題も出てくると思います。

サンデル 大学が10%の入学枠のことを公表しなかったらどうでしょうか? 「あなたは寄付金を払って入学した学生だから違った色の服を着てこい」のような要求をしなかったとしたら?

男性(反対) 確かにその通りですが……。難しい質問です。

サンデル 分かりました。ではお金で入学を許可することを構わない、それは正しいと思う人の意見も聞いてみましょう。

マサコ(賛成) もしその10%の人たちによって寄付金が入れば、大学はもっと良い教授を採用できて、90%の人たちにもメリットがあります。また、その10%の人も十分に優秀でなければ卒業できないとしたら、両方にとってWin-Winの状況になると思うんです。教授にとっても、優秀な学生にとっても、そして10%の学生が卒業できればその人たちにとってもメリットです。

サンデル お名前は? マサコですね。今マサコが言ったのは、大学が10%の分のお金を手に入れたらどういうことができるのか、入試で入った人たちにもメリットにもなるという話でした。寄付金によって余分にお金が使えることで、大学は有名教授を採用できて、みんながそのメリットを享受できるということです。ではどなたか、このマサコの意見に反論してくれる人はいますか? 彼女を説得できるか、直接マサコに話しかけてみてくださいね。

●マサコ、君は間違っているよ

ケンジ(反対) マサコ、君は間違っているよ(笑)。お金が一番大事だと考える人が多すぎる。10%の学生に、両親がお金を払えば入学を認めるというようなことは、私は認めてはいけない。それは、学生にお金が大事だというメッセージを伝えてしまうからです。大学がそういうことをしてはいけません。

サンデル でもお金は大事でしょ? 大事じゃないのかな?

ケンジ(反対) ある程度までは、大事だと思います。

サンデル なるほど。でもマサコが言ったように、大学はそのお金をいい目的のために、全員のためになるように使えるんですよ? あなたの名前は? ケンジですね。ではケンジ、あなたは私のこの意見にどう答えますか?

ケンジ(反対) 一部はその通りかもしれません。たださっきも言ったように、考え方として、お金で買ってはならないものまで買えることを学生に伝えてしまいます。例えば教授です。これは学生にとって非常にマイナスの影響を与えると思います。

サンデル ではマサコは今のケンジの意見にどう答えますか?

マサコ まず、お金は大事です(笑)。私はお金そのものではなく、お金が夢をもたらすことが大事だと思います。お金で積極的にならないと、その機会を失ってしまいます。今回の例で言えば、いい教授の講義が聴けるというように夢がなくなってしまうじゃないですか。

ケンジ いや、その意見には僕は反対です。というのも、今の世の中は環境よりも経済が優先されている。だからこそこうした体たらくな世界になってしまっていると思うんです。ですから人類がお金にどれほどの重要性を与えるのか、コペルニクス的な発想の展開をすべきです。環境の方が経済よりも大事だと変えるべきです。

●「裕福な学生の寄付金を貧困な学生の奨学金に」に納得できる?

サンデル マサコにちょっと提案をしたいと思います。こう主張すれば、ケンジも納得するかもしれませんよ。ちょっと私が助けてあげましょうか。

 例えば、集めた寄付金は新しい教授を雇い入れるために使うのではなく、優秀な学生、特に貧困な家庭で育った優秀な学生に奨学金を与えるのはどうでしょう。つまり裕福な家庭の学生は寄付金で入学し、そのお金で20人、成績は優秀だけど貧しい学生に奨学金で入学してもらうんです。これならばどうでしょう? その主張をしたらケンジは納得するでしょうか?

ケンジ(反対) その方法であれば、10%という寄付金を使わなくても税金という良い手段があるわけです。あるいは福祉政策というのもある。高所得者の税金を高くすれば、そのお金で貧しい世帯の学生の授業料に当てられます。すなわち直接的なお金の取引でなくてもいいと思うんです。

サンデル では民間の私立の大学だったらどうですか?

ケンジ(反対) 同じです。

サンデル 私立の大学でも、市民に税金をかけて、奨学金を学生に与えるんですね。分かりました。マサコとケンジに感謝します。

●「成績優秀なら50ドル」はありかなしか

サンデル さて、今回の議論でもお金の役割について意見が分かれていました。お金の対象となっている高等教育へのアクセス、そしてそれ自体をお金で売り買いすることで価値が損なわれるかどうか、です。

 実際、市場メカニズムを教育に使うのは、成績があまり良くない学生の動機付けをする試みとして一部で行われているんです。米国の多くの学校区域で、貧しい家庭の生徒のやる気を引きだそうとして、現金のインセンティブを使っています。

 つまりこうです。テストで高い点数を取った生徒に対し、成績がAであれば50ドル、Bであれば40ドルを与えるのです。これはニューヨーク、シカゴ、ワシントンD.C.、そしてダラス(テキサス州)でも試みられています。実際にどうなったか、それは後ほどお答えします。

 まずは似たような例の話で、皆さんに質問をしてみたいと思います。

あなたはある学校区域の教育委員長です。地域の生徒に現金でインセンティブを払うことで、よい成績を取ろうという気持ちや、もっと本を読もうという気持ちにさせよういう意見がありました。これは検討に値しますか?

 サンデル氏は再び、会場の聴衆に赤と白のパンフレットを掲げさせた。

サンデル やはりかなり半々近くに意見が分かれていますね。反対が大多数のようですが、検討に値する、賛成という人もかなりの数がいます。まずは反対意見の人に聞いてみましょう。なぜ反対意見なのですか?

ミツヒロ(反対) そうですね、お金は確かに大事で、貨幣経済が成り立っている中ではお金が常に身近にあると思います。けれど、あくまでもお金は自分の外にあるものであって、自分の能力や内側にあるものではないと思うんですね。本を読むとか能力開発においては、自分の内側のモチベーションが大事です。例えばサンデル教授みたいに面白い講義をするとか、そういうことが大事なんです。

 本を読むことでお金をあげるというのは「何かをすればお金がもらえるのが当たり前だ」という潜在的な意識付けになってしまい、むしろ教育的にはマイナスだと思います。だから反対です。

サンデル あなたのお名前は? ミツヒロですね。ミツヒロは生徒に「学習をしたい」「読書をしたい」という内なる動機付けを狙うべきであって、お金のインセンティブ(お金を払うこと)で間違った教育になることを心配しています。この意見が違う、反論したいという人いますか? どうぞ。

リサ(賛成) 私がお金のインセンティブがいいかなと思ったのは、きっかけは何でもいいから、本を読む面白さに目覚めれば、それでしめたものではないか、ということです。常にお金がモチベーションではダメだと思いますが、家のお手伝いのようにお金をもらえるから必ずやるんではなくて、お金をもらえるという市場のメカニズムは知りつつ、自発的にしようと目指していけばいいと思います。

サンデル お名前は? リサですね。ではリサ、あなたは家でお手伝いをしてお金をもらいましたか?

リサ いいえ。

サンデル ではいい成績を取ったらお小遣いをもらいましたか?

リサ そういうチャンスがあったらそうしたかもしれませんが、そういうチャンスはありませんでした。

サンデル ということは、成績が良くなかったということかな~?

リサ ただ、私はいい成績をとったらダンスを続けてもいいと、親から別の条件をもらって、勉強を頑張ることで勉強の楽しさに気付きました。だから、別にそれがお金でもいいのかなと思います。

サンデル 分かりました。ではミツヒロはどうでしたか? 両親から良い成績を取ればお小遣いがもらえましたか?

ミツヒロ 小学生のときに、テストで100点を取ったら500円をあげるよとは言われました。

サンデル それでいくらもらいましたか?

ミツヒロ いや、80点とか90点はいくんですけど、ノーミスで100点はいうのは難しかったので、結局0円でした。

サンデル 残念でしたね~。では自分の子供にはどうしますか? いい成績を取ればおこづかいをあげますか?

ミツヒロ 勉強に教育費は必要だと思いますが、やはりインセンティブとしてお金を使うのは、反対です。子供が勉強の本質そのものの面白さに気付けるように、難しいとは思いますが、勉強は楽しい、将来こう役立つということを教えるのが親としての役割ではないかと思います。

サンデル 分かりました。皆さんも同感だったと思うのですが、ただリサはこう言っていましたよね。生徒たちがまだ学ぶ喜びを理解していない場合には、おこづかいをあげることによって、そのことに気が付くキッカケになるかもしれない。その後、学ぶ喜びを取得するかもしれないと。

●学ぶキッカケ作りにお金を使うのはいいこと?

サンデル つまりリサが言っていたのはこうです。読書習慣が付くまでの最初のころは、1冊読めば2ドル払うのはいいと。お金がそういうきっかけ目的に使われて、結果として習慣が付いて学ぼうという姿勢が出てくる。それで生徒も喜びを見いだすとしたらどうでしょう? ミツヒロはどうかな?

ミツヒロ (少し沈黙)……キッカケだとしても、やはりいつかお金をもらうことから離れていく必要があるときに「あの時はよかった。読めばお金をもらえた」と後ろめたさを残してしまうと思います。勉強は外から何か与えるのではなくて、自身でモチベーションを発生させる仕組みを作る必要があるのではないでしょうか。

サンデル 分かりました。今の意見の食い違いは、私が理解した限りでは、いくつかの異なる立場がありますね。まず、学びに対する究極的な目標では意見が分かれていませんでした。そして、そこに到達するのに「喜び」「内なる動機付け」が必要であるとする考えも同じだったと思います。ただ意見が分かれたのは、お金が果たす役割です。

 お金で悪い習慣を育ててしまうと、悪い教育になってしまう。それともお金を使うことによって、やがてはいい動機に結び付くかもしれない。この点で意見が分かれていました。

 ではさっき紹介した実験について結果を述べましょう。

ニューヨークやシカゴ、ワシントンD.C.では、生徒に勉強のやる気や読書習慣を身に付けさせるために、成績がAであれば50ドル、Bであれば40ドルというように金銭的インセンティブを払うことにしました。またダラスでは、本を1冊読む度に2ドルあげる、という試みをしました。

サンデル 結果は……地域によってまちまちでした。ニューヨークの場合、良い成績の生徒に報酬を払う方法を取りましたが、結果、生徒の成績は上がりませんでした。ところが、本を1冊読めば2ドル与えるとしたダラスでは、地域の生徒が本を以前より読む結果に結び付きました。ただ残念ながら、短い本ばかり読むという習慣にもなってしまったのですが……。(一同苦笑)

サンデル 金銭的インセンティブには、より大きな問題があります。非常に面白い議論でしたね、ミツヒロとリサに感謝します。ありがとう。(会場拍手)

●お金をもらってお礼状を書く子供

サンデル さて、今の議論の中でより大きな問題が浮き彫りになってきました。つまり、お金をインセンティブとして使うことで、どういう教訓を得ることになるのか、習慣を身に付けることになるのか、ということです。

 お金がきっかけで習慣になるのか、本当の動機付けや学習意欲につながるのか。それとも、お金を払うことで間違った教訓となり、自分のためという本来の勉強意欲が湧かなくなってしまうのか。

サンデル ここで、1つお話をします。私の友人が、子供達にお礼状を書くと、お礼状1通につき1ドル払うという試みをしていました。夕食会に招かれた、あるいは贈り物をもらったときに、お礼状を書かせるためです。私もその子たちからお礼状を受け取ったことがあります。そして読むと、無理やり書かされているのが伝わってくるんです。

 妻と私は、そのことについてそれほど悪いことだとは思いませんでした。しかし、子供達が今後どう育っていくのかには関心を持っていました。

 2つの可能性があると思います。1つ目は、お礼状を書く習慣が身に付いて、大人になっても本来の感謝の気持ちを表すためにお礼状を書くようになるんです。その場合には、リサが言うようにお金を払うことで、それがきっかけとなり習慣付けられたと言えますね。本来の目的のためにお礼状を書くようになります。

 2つ目は別の可能性として、ミツヒロが言ったようにお礼状は嫌々書くもので、お金をもらうことでやっと書く気になるという例です。金銭的インセンティブを払うことで、道徳的には間違ったことを教えていたことになります。子供には感謝の気持ちを表すためにお礼状を書くのだということが伝わっていません。

 ではこの2つの可能性の結果どうなるのか。お金を払うことがきっかけで、本来の目的につながる。もしくはお金を払ったことによって、目的が堕落してしまって本来の目的が果たされない。この2つに分かれてしまいますね。

 実はこのことは、子供の勉強意欲、読書習慣、お礼状を書くことだけに当てはまることではないんです。ある社会的に重要な意思決定にもかかわってきた実例がありました。金銭的インセンティブによって、秀でた目的を閉めだしてしまったのです。

●あなたの町で放射性廃棄物を受け入れる?――報奨金を知ったら賛成派が半減

サンデル スイスでは、長年に渡って原子力の放射製廃棄物処理場をどこに置こうか探していました。日本でも今、同様のことが問題になっていますよね。スイスでも同じです。どこの自治体でも、非常に危険性があることなので自分の裏庭では嫌だと思っていたわけです。

 そして1990年代に、スイスの議会では山の中の小さな町が一番安全だとして、候補先に決めました。しかしながら当然、町民の承認が必要でしたので、議会が承認を下す前に町民に対して調査を行いました。「もし議会が決定をして、処理場をあなたの町に置いたら、構いませんか?」と。すると51%の町民は「はい。構わない」と答えました。

 その後再び質問をしました。「この提案を受け入れる代償として町民1人1人に毎年6000ユーロという保証金を払います。そうすれば受け入れてもらえますか?」と。

 この質問に対して、どのくらいの人が「はい。構わない」と答えたと思いますか? ちょっと数字を叫んでみてください。70%ですか? 80%? 90%? 20%?

 ――実は下がったんです。報奨金が支払われると知ったとたんに「構わない」という人が51%から25%に、半分になってしまいました。標準的な経済論理からすると、これは逆説的な結果ですよね。ほとんどの経済学者はこう予測するはずです。「金銭的なインセンティブを与えれば、もっと受け入れてくれる人が増えるはずだ」と。当然そういう論理になります。ではなぜ、実際にはこうした結果になってしまったのでしょうか?

 その理由は何か、思い付く人はいませんか? どなたか説明してもらえませんか?

男性A お金が払われることで、危険性の認識が高まったのではないでしょうか。お金を払うと言われると、そこに対する報償や賠償があるという認識が自分の中に生まれてしまい、危険なものとして心の中に根付いてしまった。だから25%に下がったのだと思います。

サンデル 分かりました。それも1つ可能性のある理由ですよね。報奨金を払うならば町民の人たちは以前よりも本当に危険なのだと思ってしまう。そういう可能性もあります。ただ実際は、スイスの場合は違った理由からだったんです。というのも、事前に「どのくらいの危険性があると思いますか」という質問も町民にしていたんです。すると「リスクの推定については(報奨金の話が出る前も後も)ほとんど同じ」としました。つまり他の理由があったはずです。他に理由が思い付く人、どうぞ。

男性B 6000ユーロと金額を提示されると、もっとそれ以上価値があると思った。だから金額が出た時点で反対の人が増えたんじゃないでしょうか。

サンデル ただ、金額を提示する前、報奨金がゼロのときには賛成票が多かったのですよ?

男性B 政府が払うと言っているので、6000ユーロでは妥協しないという人が増えたんじゃないでしょうか。もっと言えばもっと払ってもらえると思う人が多かったということです。

サンデル 反対票を投じたのは交渉の戦術だったかもしれない、というわけですね。そういう可能性もあるかもしれません。他にはどうでしょう?

ミワコ 最初は善意というか共同体のために人肌脱ごうという気持ちでいたのが、値段を付けられて、おとしめられたような気持ちになったのだと思います。

サンデル お名前は? ミワコですね。今ミワコが面白いことを示唆してくれました。最初の質問のときには「自分の地域や国のために必要だから犠牲になろう」という責任感からでした。それがお金を払うことになれば、もう犠牲でも何でもなくなってしまいます。つまり「共通善」ではなく、お金のためにする堕落感が生まれてしまったのです。町民は全体のためになる犠牲は払うけども、お金のために家族を危険に晒したくないということですね。ありがとうございます。

 今示唆されていることは、標準的な経済理論、すなわち金銭的インセンティブは実際には複雑だということです。というのも、市民的責任感や愛国心、共通善に対してお金を受け取るのは、何だか賄賂を受け取る気持ちになるということです。

 そしてスイスの例ですが、一部の人に「何で気持ちを変えたのですか?」と聞くと、「賄賂なんかもらいたくない」「お金なんかいらない」という声が返ってきたんです。

●金銭的インセンティブが賄賂になるとき

サンデル それでは、金銭的なインセンティブが賄賂と受け止められてしまうのはどのような時なのでしょうか。人々が持つ目的との関連性、スイスの場合は原子廃棄物処理場をどこに置くかでしたが、そこにお金という要素が入ると、ある他の価値観が閉め出されてしまいました。つまり態度や価値、規範は市場では図れない価値がある場合が多いということです。

 ここで別の例を挙げてみたいと思います。

●罰金を課したら、むしろ違反者が増えた

サンデル イスラエルのある保育所では、どこの保育所でも抱えているある問題がありました。子供のお迎えの時間に親が遅れてくるのです。保育士は遅れてくる親が到着するまで、待っていなくてはなりません。

 この保育所では、経済学者の知恵を借りてこの問題を解決しようとしました。遅く来た親に対して、罰金を科すというものです。どうなったと思いますか? 大きな声で言ってみてください。

サンデル 遅く来る親が増えた? 本を読んだんですね(笑)。あるいは自分でそうではないかと思ったのでしょうか。

(※編集注)本講義の内容は5月18日に発売したサンデル氏の近著『それをお金で買いますか――市場主義の限界』を基にした内容も含まれており、スイスの町の放射性物質受け入れ問題についても触れられている

 そうです。遅く迎えに来る親の数が増えたんです。標準的な経済学の考え方を当てはめると、これは逆説的ですよね。遅刻に対して罰金を科すと減るはずが、むしろ逆のことが起こってしまいました。スイスの町で起きたことも経済学の論理と逆でした。

 遅刻する親は、以前は保育士に対して「迷惑を掛けている」そして「遅刻しないようにしなければ」という義務感があり、罪悪感を感じていました。しかし罰金を科されるようになって、まるでこの罰金は手数料のようだと親は割り切れるようになってしまったんです。サービスのためにならお金を払っても構わないと思うようになってしまったのですね。金銭的なやりとりの関係になったことで、ベビーシッターを雇うのと同じになってしまったわけです。

 このような例を見て、そして今までの議論の中で何が分かるでしょうか?

●金銭をやり取りすることで本質が変化するものとは

サンデル 標準的な経済理論において、市場は中立的なものであるという前提に立っています。すなわちその市場で取引する物自体が市場を汚したり、損なったりしないものとされています。この論理は、物質的な物ならばそうかもしれません。例えば薄型テレビやトースター。私が自分で買う場合と、誰かが私への送り物にしてくれる場合、どちらも同じ薄型テレビですよね。

 ところが、このことは市民という価値や共通善、あるいは遅刻しないように頑張ろうとする保育所への義務感や責任感の場合には当てはまらないかもしれません。先ほどの結婚式での祝辞の例に戻ってもいいです。つまり、市場やお金が導入されることによって、その対象物の性格そのものが変わってしまう場合です。

 とすれば、どこで市場が公共善のためになるのでしょうか。そしてどういう場合にはお金は使ってはならないのでしょうか。この議論は対象物ごと個々に考えなければならなりません。その対象物がどういう目的を持っているのか。そして、どういう姿勢、態度、価値観、規範が確率されるべきなのかです。

 例えば先ほどの議論に戻って、ダフ屋の問題です。レディー・ガガのコンサートチケットと同じように、医師の予約券は売り買いしていいのかなど、私たちは対象物の意味を考えました。

●「市場経済」と「市場社会」を区別せよ

サンデル これは多くの民主主義、資本主義社会で見られることですが、この30年の間、徐々に世の中が「市場経済」から「市場社会」に移り変わってきています。米国もそうですし、イギリスでも、欧州のいくつかの国でもそうです。

 ですが私の印象では、日本はまだそこまでは変わっていない、いわゆる欧米流の資本主義型社会ほど、日本では資本主義が根付いていないようです。しかし少しそういう傾向に動きつつあるように思います。ですから、市場におけるお金の役割について議論する場合の課題は、皆さんが置かれている社会によって違ってくるかもしれません。

 つまり私が言いたいのは、市場経済と市場社会を区別をしなくてはならないということです。違いはこうです。市場経済というのは、効果的な生産活動を運営するに当たって非常に効果的な1つの手段です。世界中の国が繁栄や富をもたらし、経済も成長してきています。

 一方、市場社会というのは、生活の隅々までお金や市場的価値が浸透し、全ての物が売り買いされてしまう社会のことです。人々の生活や市民生活、公の場での生活、どこでも売り買いできるものばかりが商品化されています。

 ですから市場の問題は、経済だけの論理や課題ではありません。われわれがどういう生き方をしたいのかにも関わってくるということです。

●お金で売買するもの、しないものを議論する場を持とう

 ここで最後に質問したいと思います。

今の日本では、お金はどれほどの役割を果たしていると思いますか? あなた自身が思う以上にお金がかなり大きな役割を果たすようになっている、まん延しているという人は「はい(赤)」を、そうではない、それほどお金は自分が思うほど役割を果たしていないという人は「いいえ(白)」を上げてください。

サンデル かなり面白い結果ですね。どうやら半々のようにも見えますが、少し赤の方が多そうな気もします。ということは、皆さんも気が付き始めているのかもしれません。自分が思う以上にお金が役割を果たしていて、そしてそれがいけないと思っているのです。

 ではお金が市場に果たす役割は何が適切なのでしょうか。これはわれわれ民主主義に則った市民が一緒になり、互いに議論をし尽くすことによって決めるべきでしょう。その際には、互いに反対意見を公の場で言い合うことも必要です。何か市場の適切な役割なのか、われわれは議論しなくてはなりません。

 われわれが大事だと思う社会的な財は何なのでしょうか。教育、健康、個人的な対人関係、市民社会、町の名前、市民としてのアイデンティティー。こういったことを公に議論していくことが必要です。

 市場という質問は、究極的には私たちが「どうやって一緒に生活を送っていきたいのか」「どういう生活を送りたいのか」、私たちが暮らす社会として、何もかもが売り買いの対象となる世界に暮らしたいのか、それとも道徳的あるいは市民的なものとして、市場では評価できない、お金では売り買いできないものがある社会の方がいいのか、ということです。

 今日の議論を聞いていますと、私は楽観的な気持ちになっています。ここにいる皆さんは、こうした民主主義的な議論をする能力が十分にあるからです。そして、もし世界中の民主主義の中で今日のような議論が公の生活の中心として行われるのであれば、それはとても重要なことだと思います。民主主義が復活できるでしょう。どうもありがとうございます。



■「御一人様、千円いただきます」財政難の大阪・泉佐野市が視察有料化


「御一人様、千円いただきます」財政難の大阪・泉佐野市が視察有料化
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120616-00000563-san-soci
産経新聞 6月16日(土)15時59分配信

 財政難の大阪府泉佐野市は15日、府外の自治体などから同市を視察に訪れる議員や職員1人につき千円を徴収すると発表した。7月1日以降の申し込み分から適用する。今年3月に市名のネーミングライツ(命名権)売却問題が浮上して以降、全国から視察が相次いでいるためで、配布する資料代などに充てるとしている。

 徴収対象は、市が作成した資料に基づき、職員が説明と資料配布を行うケースで、質疑を含め2時間以内を想定している。

 市によると、他自治体からの議員視察は、昨年度は4件だったが、今年度は5月までの2カ月ですでに同数に達した。うち3件は命名権や財政健全化に関する内容で、残る1件は市火葬場の視察だった。7月にも1件が予定されており、今後も増える可能性があるため、有料化を決めたという。

 視察に対する費用徴収は、財政破綻した北海道夕張市(5人以内1万5千円)や、京都府亀岡市(5人以内3千円)などでも一部実施されている。



■泉佐野市「風俗店には売らぬ」 ネーミングライツの行方は


泉佐野市「風俗店には売らぬ」 ネーミングライツの行方は
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/localpolicy/560150/
2012/05/05 14:14更新

 「市の名前に子供の教育にふさわしくない名前が付いたらどうするの」「いや、市の困窮を全国に知ってもらえた」-。財政難の大阪府泉佐野市が今年3月、市の名称を企業名や商品名に変更するネーミングライツ(命名権)売却を検討していることが判明し、議論が巻き起こっている。前代未聞の検討内容に、市民のみならず、各方面から賛否の声が寄せられる一方、改めて市の存在に注目した企業から共同ビジネスの提案が持ちかけられるなど、思わぬ余波も起きている。

 ■きっかけは収入確保

 関西国際空港の対岸に位置する泉佐野市は、平成6年の関空開港に合わせた大規模開発と、バブル崩壊、関空の利用者低迷による税収の落ち込みで財政が悪化。21年度には、財政破綻一歩手前とされる早期健全化団体に指定されている。

 そこで、昨年4月に就任した千代松大(ひろ)耕(やす)市長は、税収以外の新たな歳入確保を目指し、市の名称に企業名や商品名をつける代わりに広告料を受け取る命名権の売却構想を打ち出した。

 具体的には、市が所有する有形・無形の資産を広告媒体に、活用策を提案する企業を6~11月末まで募集し、その際の提案の参考例として、市の名称の命名権の売却▽職員が企業名の入った制服を着用▽市の名前や市庁舎、市道などに愛称を付ける-などを企業側に示す方針だ。


 しかし、市の名称変更には、知事の同意と関連条例案の市議会の可決が必要になる。市側が初めて議員に命名権売却検討の説明を行った3月の市議会全員協議会では、厳しい反論が相次いだ。

 「泉佐野の恥、(条例案に)絶対に賛成しない」

 「市民をひっぱりまわす発想がおかしい。全国から『(泉佐野市には)どこに理念があるのか』といわれる」

 「企業が金を出せば何をやってもいいという風潮に歯止めをかけないといけない」

 全18議員の大半が市名の変更に抵抗感を示し、「斬新な発想。そんなに市の財政が苦しいと初めて知ったという市民もいる」と、評価する意見は少数派だった。

 また、川端達夫総務相も報道を受け、「市名は安定的に同一の名称が用いられることが望ましい」と苦言を呈した。一方で、大阪市の橋下徹市長は「ものすごい広告価値になる」と評価するなど、賛否が広がっている。

 ■購入企業はあるか

 市によると、6月の提案企業募集開始に向け、現在は募集要領作成のつめの作業を行っている段階で、5月末にも要領をまとめる方針だ。当初、1~5年としていた契約期間を、もう少し長期的にできないかなどの検討を行っているという。

 企業の応募資格として、風営法で規制される企業でない▽代表者等が暴力団の構成員等でない▽民事再生法または会社更生法による再建中でない-などを掲げる予定だ。

 また、規制される広告内容としては、風俗営業▽政治・宗教活動▽ギャンブルその他投機心、射幸心をそそるもの-などを挙げるという。

 市の担当者は、応募企業に対し、これらの資格に反していないとする誓約書の提出を求める方針といい、「行政として、パチンコ店や風俗、暴力団関係の企業と組むことは絶対に認められない。青少年に悪影響を与えかねない名称は市民の理解を得られない」と断言する。申請に虚偽がないか、捜査当局などに企業実体の照会を行うことも検討しているという。

 市によると、現時点で市名称の命名権取得を打診してきた企業はない。しかし、サッカーのプロリーグJ1への昇格を目指すチームから「泉佐野市にスタジアムはないか。一緒に泉州を盛り上げたい」と打診があったり、中部地方の企業から「関空を利用する外国人旅行者向けに、土産物を販売する事業を共同で始めないか」と売り込みがあったりと、「予想外の注目を集めている」(市担当者)という。

 また、東京のある企業からは「命名権の購入は入札か」という問い合わせがあったが、市は「お金の多寡ではない。あくまで話し合いの中で決める」と答えたといい、11月末の応募期間終了後、選定委員会を立ち上げるなどしてパートナーとなる企業を決定するとしている。

 ■どれだけ収入増?

 民間調査会社の帝国データバンクによると、平成14年から22年6月末までに公共施設の命名権を取得した企業は累計99社ある。

 命名権の料金(年額)のトップは、Jリーグの横浜F・マリノスのホームグラウンド「日産スタジアム」(横浜国際総合競技場)などに4億7千万円を払った日産がトップ。プロ野球・広島カープのホームグラウンド「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」(新広島市民球場)にマツダが3億円、Jリーグ・FC東京のホームグラウンド「味の素スタジアム」(東京スタジアム、東京)に味の素が2億4千万円の順となっている。

 泉佐野市も、億を超えるような契約料を手にすることができるのか。命名権事業を手がける「ベイキューブシー」(千葉市)は「泉佐野市のケースは施設ではなく、市の名前の命名権ということなので、前例がない。手をあげる企業があったとしても、どれくらいの金額になるか想像がつかない」という。

 ただ、同社の担当者は、企業の命名権の取得目的については、広告宣伝以外に地域貢献という面があると指摘し、「泉佐野に思い入れのある企業なら、ふるさと納税のような気分で高額の契約料を提示することもあるかもしれません」と分析する。

 千代松市長は「企業とはパートナーとしてどれだけ長期間お付き合いできるか検討する。市の名前がころころ変わって市民に迷惑をかけないことが前提」と条件をあげている。

 しかし、昭和23年の市制施行により、佐野町から泉佐野市となった長い歴史があり、市名に愛着をもつ市民は多い。

 命名権取得に乗り出す企業があったとしても、その後の市民の反発も予想され、曲折がありそうだ。



■借金を「関空連絡橋100円」に転嫁する泉佐野市の筋違い


借金を「関空連絡橋100円」に転嫁する泉佐野市の筋違い
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/localpolicy/557758/
2012/04/21 19:24更新

 たかが100円、されど100円-。財政難の大阪府泉佐野市は、関西国際空港連絡橋の通行車両に往復100円を課税する利用税を10月にも導入する。年間3億円の増収が見込まれ、市は平成21年の連絡橋の国有化で失った年間8億円の固定資産税の補填(ほてん)として悲願を果たした格好だ。しかし、ただでさえ「遠い、高い」という関空のイメージ払拭に懸命な国土交通省や関空会社には大きなダメージになりかねず、強い不満の声がやまない。市財政の安定化か、関空の活性化か、導入の是非はいかに。

 ■「大きな影響ない」

 「税額は空港利用者や物流業界に大きな影響を及ぼすものではないと思う」

 川端達夫総務相が利用税の新設に同意した4月11日、泉佐野市の千代松大耕(ひろやす)市長は市役所で会見し、利用者への影響を懸念する質問にこう反論、強気の姿勢を示した。

 利用税は、地方自治体が条例で定めれば独自に課税できる法定外税で、昨年9月に市議会で課税条例案を可決し、地方税法に基づき、総務相の同意を求めていた。

 これに対し、国土交通省や関空会社は「関空へのアクセス改善を阻害する」と反対を表明。今年2月には市と国土交通省に対し、総務省の諮問機関「地方財政審議会」の意見聴取が行われたが、両者の意見は平行線のままだった。

 しかし、4月11日に開かれた同審議会が「税額が少額で住民への過度の負担や、通行量に重大なマイナスが生じる物ではない」として、同意が適当とする意見を提出。この判断を受けて、総務相が税新設への同意を決定した。

 千代松市長が会見で「総務相や審議会をはじめとする関係者に感謝したい」と繰り返したのもこのためだ。

 利用税が導入されれば、関空島に車で入る際に利用者が支払う通行料に合わせて徴収される見込み。現在の料金は軽乗用車600円▽普通車800円▽中型車千円▽大型車1300円▽特大車2200円で、この料金に100円が上乗せされる実質値上げとなり、関係者からは反発の声が相次いだ。

 関空会社の福島伸一社長は「関空へのアクセス向上の妨げとなる。大変残念」とコメントを出し、強い不満を表明。運送3500社が加盟する大阪府トラック協会も「少額の往復100円といえども、われわれ業界の負担は決して少額とはいえない。撤回を働きかけたい」と反発した。

 また、関空島内のテナントに勤務する大阪府和泉市の女性(42)も「通勤に車を使うので、確実に負担の増加になりますね」と困惑顔だった。

 ■4年越しの悲願

 そもそも、連絡橋は6年の関空開港に合わせ、関空会社が関空島と対岸の泉佐野市を結び、約1500億円をかけて建設、管理していた。しかし、景気の後退などで関空利用者が思うようには伸びず、建設費などの1兆円を超える有利子負債の返済は関空会社の経営の足かせとなっていった。

 このため、国は関空会社の抱える負債軽減のため、19年に国が連絡橋を買い取る国有化の方針を打ち出した。

 これに反発したのが泉佐野市だった。橋が国有化されれば、関空会社からの年間8億円の固定資産税が失われる。市は関空開港に合わせてインフラ整備や市立病院、文化センターの建設などに約2000億円を投じ、起債した地方債の償還などで財政が逼迫(ひっぱく)しており、年間8億円の減収は大きな痛手となるのは間違いなかった。

 この補填策として浮上したのが連絡橋利用税で、20年8月には往復で150円を課す条例案が市議会で可決された。この時は、国交省が21年2月に、関空2期島の22年中の完成を約束する文書を市に提出し、新たな固定資産税の増収を示したため、21年3月に条例は廃止。同4月に橋は国有化された。

 しかし、22年になっても2期島は完成せず、市は「国は約束違反」として23年9月に再度、利用税100円を課す条例案を提出。市議会で可決されていた。

 これらの経緯があったため、大阪市の橋下徹市長は「関空利用者には大きな負担」としつつも「国が誠意ある対応をしなかったのが元々のきっかけ。自治体の行動としては理がある」と、一定の理解を示した。大阪府の松井一郎知事も「関空にどんどん人が来るようになり、泉佐野市にお金が落ちるようになれば、利用税を必要としなくなると思う。とにかく、関空を日本のハブ空港としてどう発展させるかが問題」と述べる一方、「もともと固定資産税があったわけで、泉佐野市の財政を何とか立て直すためだということを理解しなければならない」との見解を示している。

 ■経営統合への影響は?

 利用税導入で、最も懸念されるのが7月に控える大阪(伊丹)空港との経営統合に水を差さないかという点だ。

 4月には、両空港の運営を行う新関西国際空港会社が設立された。早ければ26年度を目指すという両空港のコンセッション(民間への運営権売却)実現に向け、両空港の事業価値を高めることが急務。利用客増加に向け、矢継ぎ早に関空アクセス向上策を鉄道会社などと協力して打ち出している。

 南海電鉄は近畿日本鉄道、大阪市交通局と共同で、難波駅経由で関西空港から奈良や地下鉄各駅を結ぶ割引乗車券を4月1日に発売した。通常運賃に比べ奈良行きは16%、地下鉄は最大で18%安くなる。

 地下鉄の場合、南海の関西空港-難波間と地下鉄各駅への乗り継ぎ切符がセットで片道980円。なんば-梅田間などの230円区間を利用する場合、通常よりも140円割安となる

 電車の運賃割引は進むが、関空を訪れる手段は、車、電車とバス、神戸空港からの高速船の4つに限られている。

 22年度の連絡橋車両通行台数は、上下線で約670万台。つまり約335万台が関空島と泉佐野市を往復した計算だ。JRと南海の関西空港駅の乗降客数は年間1180万人で、リムジンバスは同約440万人、高速船が同約40万人となっている。

 国交省や大阪府が16~17年にかけて行った連絡橋通行料金引き下げに関する社会実験では、関空へのアクセス方法として、車と鉄道の利用者がともに約4割という検証結果が出た。21年の橋の国有化で、通行料金はそれまでの普通車1500円から800円に引き下げられ、通行台数は増加傾向にある。

 市も車による関空利用者への負担軽減策として、国交省などに通行料金のさらなる引き下げを要請しているが、実現性は不透明だ。

 また、利用税導入後、徴収業務を担当することになる西日本高速道路会社との実務的な協議も必要で、同社の料金徴収システム改修費用なども数千万円単位でかかってくる可能性がある。

 千代松市長は「関空との共存共栄という市のスタンスは大事だが、市民生活を守る方が優先順位が高い」と述べており、市の財政健全化と関空活性化、ひいては関西経済の活性化とは齟齬が出そうだ。



■台風、ハリケーンと防災体制における「効率」の問題


台風、ハリケーンと防災体制における「効率」の問題
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2012/06/post-447.php
2012年06月20日(水)09時50分 冷泉彰彦 ニューズウィーク

 まず、今回の台風4号で被害や影響を受けた皆さまにお見舞いを申し上げます。

 さて、アメリカでは台風ではなくハリケーンになるわけですが、私の住むニュージャージー州では数年に一度はハリケーンの上陸があります。また、個人的な経験としてはフロリダ州に行っていた時にハリケーンの直撃を受けたことも数度あります。そうしたアメリカでのハリケーン経験の中では、アメリカの良くない部分を見せつけられたこともあります。

 例えば、フロリダでは収入源となる観光地はハリケーン通過後に、ものすごいスピードで後片付けとインフラ復旧がされていました。一方で、その観光地に勤務するような、地元の人々の居住エリアでは1週間経っても電気も水道も復旧しないわけで、地域経済という意味での優先順位の付け方には納得させられつつも、その格差には違和感を感じました。

 また、ニュージャージーの場合は、ハリケーンの後の増水でラリタン川という主要河川が氾濫を起こした結果、泥水が浄水場に流れ込んで以降数週間にわたって上水道の水質に問題が出たことがありました。事件としては不可抗力であり、ある程度はガマンすべきことなのかもしれませんが、その結果として水道公社は経営破綻し、他州の純粋な営利企業が上水道供給事業を買収したのです。水道料金は60%近く値上がりし、サービスも低下するなど、悪しき民営化を実感させられたものです。

 一方で、ニュージャージーでもそうですが、フロリダで特に痛感されたのは防災体制への考え方が日本とはまるで異なるということです。具体的には以下のような点です。

(1)避難勧告、避難指示などという甘いことは言わず、サッサと「マンデトリー・エバキュエーション(強制避難命令)」を出してしまう。そのタイミングも、風雨が来る前の「静かに晴れている」段階からスタートして、前倒しで避難させてしまう。

(2)実際に風雨が強くなったら「非常事態宣言」を出して「不要不急の交通を禁止」し「外出禁止」にしてしまう。逆にそのタイミングの前に避難が完了するような危機管理にする。

 こうした防災体制に関しても、先ほどの悪しき民営化とかインフラ復旧における格差の問題と同じような問題があります。とにかくカネをかけないということです。晴天のうちから前倒しで避難を進めて、暴風雨になった時点では非常事態宣言で交通を遮断してしまうというのは、要するに効率を重視しているわけです。

 アメリカに来て最初のうちは、ハリケーンが接近すると州知事がTVに出てきて「早めの避難を」と呼び掛け、ものものしい姿で州兵が避難者を誘導する、更には「マンデトリー(強制)」の避難命令という「おどろおどろしい」布告が出る、そういった一連の様子を見ていると、まるで軍事戒厳令のような違和感を感じたものです。

 ですが、本当は違うのです。軍などの危機管理には市民は服従しなくてはいけないので、大人しくサッサと避難しているのではないのです。要するに、前倒しで避難をし、非常事態宣言で交通や社会活動を遮断してしまった方が、自治体としても個々人としてもリスクが低いと同時に、コストも安くつくのです。そのことを全員が分かっているのです。

 そう考えると、日本の防災体制のような「いよいよ風雨が強まってから土のうを積んだり、避難を始めたり」とか「ギリギリまで新幹線は動かし、ギリギリまでビジネスマンは出張をキャンセルしない」という方法は、大変に贅沢なことをやっている、つまり限界が来るまで社会活動を続ける代わりに、その代償も払うというシステムだということが分かります。

 インフラ復旧に露骨な差別をするとか、ライフラインである上水道を民間に丸投げするというのは感心しませんが、早めの避難とか、社会活動を停止してしまうという考え方は、ある意味ではコストを下げつつリスクも低減できる考えであるように思います。これからの台風の季節に色々な形で議論がされればと思った次第です。



大阪市、震災がれき受け入れ正式決定 ゼオライトを使用。


■震災がれき受け入れ正式決定 ゼオライトを使用 大阪市
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201206200056.html
2012年6月20日

 大阪市は20日、戦略会議を開き、東日本大震災のがれき受け入れ場所を北港処分地(同市此花区、夢洲(ゆめしま))とし、セシウムを吸着する鉱物ゼオライトを20センチ敷き詰めて埋め立てると正式決定した。11月に試験焼却し、来年2月に本格的に受け入れる。今月下旬以降、橋下徹市長も出席して此花区民説明会を3回開く予定。

 がれきは大阪府が岩手県から船で運び、市の舞洲工場(同区)で焼却。灰を北港処分地に埋める。処理量は今年度は6千トン、来年度は3万トン。市は補正予算案に経費約9500万円を計上する。




■がれき受け入れ、ゼオライトが有力で意見一致 大阪府市
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201206110025.html
2012年6月11日

 大阪府市は10日、岩手県からの震災がれきの受け入れについて専門家の検討会議を開いた。国が北港処分地(大阪市此花区、夢洲(ゆめしま))での埋め立てを「安全性に問題がない」とした環境評価を妥当とし、セシウムを吸着するゼオライトを処分地に敷き詰める方法が有力との意見で一致した。

 会議では、環境省の担当者らが検討会議の委員らに説明。委員らは「北港の陸地部分に直接埋め立てても危なくないが、(安全性の面で)ゼオライトは非常に効果的」との意見でまとまった。

 環境省はゼオライトを使わなくても安全に処分できるとの立場で、使う際の費用は自治体が負担すべきだとの姿勢だ。これに対し、大阪市は「住民理解のためにも国と交渉して費用負担をお願いする」としており、今後、具体的な処分方法を詰める。




■震災がれき、北港処分地での灰埋め立て「OK」環境省が安全性評価 大阪
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120605-00000563-san-soci
産経新聞 6月5日(火)17時23分配信

 東日本大震災で発生したがれきの広域処理をめぐり、環境省は5日、岩手県分の可燃物の受け入れを表明した大阪府と大阪市が焼却灰埋め立ての最終処分場として検討していた海面投棄型の北港処分地(夢洲、大阪市此花区)の安全評価について「妥当」とする報告書をまとめ、府市へ連絡した。

 安全評価では、水溶性の高い放射性セシウムの影響が焦点となった。

 環境省は、市の要望を受け、埋め立てに際し、セシウム吸着剤「ゼオライト」を処分地に敷き詰める方法を検討。国立環境研究所(茨城県つくば市)の解析では、ゼオライトを使用しない場合でも環境への影響はないことが確認されたという。

 市は今後、ゼオライトを使用するかどうかを検討するとともに、がれきの焼却施設について、北港処分地に最も近い舞洲工場(同市此花区)を軸に検討する。

 がれきの受入れ量は、年間2~4万トンを想定。府は専門家会議を開き、現状では陸上投棄の基準のみについて定めている処理指針を海面投棄版に改訂する。




■大阪 橋下市長 がれき 大阪市で秋に燃やす予定
2012/06/07(木)

いよいよ危機が差迫って参りました。

前スレ大阪 橋下市長 がれき 大阪市単独で受け入れたい
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1335680684/l50
http://www.nhk.or.jp/lnews/osaka/2005612911.html

“がれき処分”秋にも焼却試験

大阪府と大阪市が被災地で出たがれきの焼却灰の埋め立て処分地として 検討している夢洲について、環境省は「十分な安全性が確保できる」とする最終評価をまとめ、 大阪市は早ければ秋にも試験焼却を行う見通しとなりました。 

岩手県内の被災地で出たがれきの受け入れを表明している大阪府と大阪市は、 大阪・此花区にある舞洲工場でがれきを燃やしたうえで、 その灰を大阪湾の人工島・夢洲で最終処分する方針を固めています。 

府と市は、大阪湾への影響について国に安全確認を求めてきましたが、 環境省が、最終評価をまとめ、大阪市に伝えました。 

それによりますと放射性セシウムの吸着能力の高い「ゼオライト」という鉱物を敷き詰めたうえで、 陸地部分に埋め立てた場合の試算では、焼却灰を埋め立てた場所の真下の陸地で 1キログラムあたり9.5ベクレル、海水面では1キログラムあたり0.172ベクレルとなり、 いずれも府が定めた基準の1キログラムあたり2000ベクレルを大きく下回っています。 

このため、環境省は、大阪湾などに溶け出す放射性物質の濃度は「十分な安全性が確保できる」と評価しています。

これを受けて大阪市は、今月10日に開かれる府の検証会議で国の評価を 再度検討したうえで、がれきの受け入れを正式に決定し、 

早ければ秋にも試験焼却を行う見通しとなりました。

大阪市の橋下市長は、記者団に対し、 「埋め立て処分地の責任者は私だから、 今後住民に説明します。これまで、相当な時間をかけて震災がれきの受入れに向けた手順を踏んできた。 もちろん非常に不安に感じる住民も多いと思うが、 その手順を説明すれば、住民には納得いただけると思う」 と述べました。 

また、大阪府の松井知事は、記者団に対し、 「今後は、丁寧に説明することが一番大事だ。最終処分地の地元もそうだが、 焼却いただける市町村があれば、その焼却場のある市町村の皆さんにも、 しっかり府として最終処分地の基準や大阪府が独自に定めた基準をしっかり説明し、 説明責任を果たすつもりだ」と述べました。 




金持ちがきれいな食べ物を買い、貧乏人が汚染された物を食わされる、ということになると私でも容易に想像がつきます 小出裕章(People’s News) 
http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/06/19/jimmin_2012jun19/#more-3078
2012年6月19日 小出裕章(京大助教)非公式まとめ


▼原発事故の総括
http://www.jimmin.com/htmldoc/145001.htm

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溶け落ちた核燃料がどこにあるかも不明な現状

──事故原子炉の状態は? 

小出…1~3号機は、核燃料棒がメルトダウンして、圧力容器を突き破り、下に落ちています。その先がどうなっているのか誰にもわかりません。見に行くこともできないし、知るための測定器も配置されていないので、全くわかりません。

私は、溶け落ちた燃料が、建て屋のコンクリートも破って地下水と接触しているかもしれない、と思っています。もしそうなら、高レベル放射能が地下水に流れ出てしまうので、建て屋の外側に深い壁を作ることを昨年5月から提案し続けています。残念ながら、東電は何もやっていないという状態です。

放射能を閉じこめる最後の防壁が、原子炉格納容器ですが、1~3号機は、格納容器のどこかが壊れていることは確実です。核燃料被覆管の材料であるジルコニウムが水と反応してできた水素が、建て屋に漏れだして爆発したのですから、疑いようがありません。ただし、格納容器が完全に崩壊したわけではないので、まだまだ大量の放射能が、中に存在している状態です。
4号機の使用済み核燃料プールの崩壊

1~3号機は、原子炉建て屋の最上部でクレーンなどを設置している通称「オペレーションルーム」が水素爆発で吹き飛んだわけですが、4号機は、その下の階も吹き飛びました。ここに使用済み核燃料貯蔵プールがあります。つまり、防護壁のない核燃料がむき出しのまま、崩れかけた建て屋の中に存在しているということです。4号機のプールの中にある放射性物質は、広島原爆の約5000発分です。

毎日のように起きている余震によって、万が一この壁が崩れ落ちるようなことが起これば、人が近づくこともできなくなり、手の施しようがなくなります。福島原発事故による放射能のこれまでの放出は、総量で広島原爆160発分と政府は発表しています。私は400発分くらいだと思っていますが、4号機のプールの中には、その10倍以上の放射性物質が、むき出しのまま存在しているのです。このプールがひっくり返れば、世界がどうなるのか、想像もできません。

「次の地震がきても大丈夫」と説明する東電

東電もその危険性には気がついているので、補強工事を昨年やりました。鉄のつっかえ棒を入れて、コンクリートで固めるというものです。東電は、この補強工事で次の地震がきても大丈夫だと言っていますが、その下の床も破壊されているので、燃料プールは上図の右半分だけで支えているだけなのです。

そもそもこの工事カ所は、かなり放射能に汚染されていて、ゆっくり作業できる環境ではありません。どれほど信頼できる工事なのか、私は疑問です。

東電も心配なので、今年4月に使用済み燃料を安全な場所に移すための工事に取りかかりました。核燃料は、空気中に出た瞬間に周りの人がバタバタと死んでしまうくらいの放射線を発しています。このため、燃料棒の移動は、鉄と鉛でできた巨大な箱(キャスク)をプールの底に沈め、水中で核燃料をキャスクの中に入れ、蓋をしてキャスク全体を燃料プールから吊り上げる、という作業となります。

そのためにオペレーションルームに巨大なクレーンがあったわけですが、これが吹き飛んで使えないので、まず、このクレーンを支える強固な建物から新たに建造しないといけないのです。そこで、東電は今、壊れた建て屋を取り壊し、クレーンも撤去しています。まず、①古い建て屋を撤去し、②新たな建て屋とクレーンを建設し、③燃料の上に散乱している瓦礫を全て取り去って、初めて、使用済み核燃料の移動が可能となるのです。

この段階までくるのに、急いでも来年末くらいまでかかると、東電は言っています。この場所もかなりの汚染区域ですから、ゆっくり作業できる環境ではなく、それくらいはかかるでしょう。これからの事故の進展という意味では、4号機が一番心配です。

──この1年で何が変わったのか? 

小出…あれほどの惨事を経験しながら、原子力政策も推進勢力も何も変わらなかった、というのが率直な感想です。故郷を追われた住民が10万人と言われています。住み慣れた場所を離れ、隣人・友人と離ればなれとなり、人生設計の土台を奪われたという重みを、どう考えればいいのでしょうか? 戦争でもこんなことは起こりません。

核災害に対する政府の対応は、猛烈な汚染地域の人を避難させただけでした。その周辺の(私から見れば)これまた猛烈な汚染地域の人々は、その地に捨て置かれたのです。「逃げたい人は、自分で逃げろ」という姿勢です。

極々一部の力のある人は、家族ごと逃げて新たな生活を始めました。さらに極一部の人は、子どもと母親だけ逃がして、自分は仕事のために汚染地帯に残りました。この人々だって、家族がバラバラになって家庭崩壊のリスクを負っています。

そして大部分の人は、逃げることができず、汚染地帯で子どもを育てています。親は、「こんな所で育てて良いのか? 泥まみれで遊ばせていいのか? 」と心配しながら生きています。その重さをどう考えていいのか私にはわかりません。

ところが原子力村は、何も変わらなかった。ここまでの惨事を目にしながら、今でも「原子力をやめたら、経済が弱ってしまう」などと言っています。私には信じられないことですが、彼らが政治・経済の中枢を握り続けていて、影響力を行使し続けているのです。全くすごい国だと思います。

野田首相なんて、迷うことなく再稼働に邁進しているわけです。残念ながら、今の政治の状況を見ていると、多分再稼働になるでしょう。菅首相なら、ひょっとしたら少し変わっていたのかもしれませんが、事故を経ても変わろうとしない原子力村の完全復活です。

──反原発の気持ちはあるが、様々な理由で実際に抗議行動などができない人たちに対してコメントを。

小出…反原発運動なんて、やっていただかなくても結構です。私が原発に反対してきたのは、差別に抵抗しているからです。原発は、都市と過疎地の差別の上に建ち、下請け労働者への差別なしに成立しません。私の現場は原子力 ですから、原発の差別性に反対しているのですが、差別は労働現場にもこの世界にも、山ほどあります。

そうした「差別」に抵抗することは、誰にでもきっとできるし、それをやってくれるのなら、反原発にも、全ての問題にもつながります。原発なんて放っておいてください。私がやります。自分が「どうしてもこれだけは譲れない」という、そのことに関してだけやってもらえればいいのです。それですら大変なことですから、余力の無い人はそれでいいのです。自分を責める必要はありません。

私は、3・11以降に放射能汚染をとにかくしっかり調べて公表し、責任のある者から汚染食物を食べるべきだ、という発言をしてきました。私にとってもジレンマはあり、測定をしてきちっと知らせたら結局、金持ちがきれいな食べ物を買い、貧乏人が汚染された物を食わされる、ということになると、私でも容易に想像がつきます。

ですから責任に応じて引き受けるしかない、と言っているのですが、実際にはそうならない可能性が高い。でもそれで、貧乏人と金持ちの歴然とした差が、より明確になります。見えなければ立ち上がる力も沸かないので、可視化させるべきだと思います。

ただし、騙されないで欲しいことはあります。橋下市長などに対して、「今の酷い社会を変えてくれるかもしれない」と、期待をかける人がいますが、そんなことをしたら余計に悪くなるだけです。どんな社会を作りたいのか? を、1人ひとりがしっかり考えることなく、誰かに依存するなら、悪い方向へ行くと思います。

放射能無害化は、極めて困難

──「放射能の無害化技術」と、その現状について

小出…原子力発電はウランを核分裂させますが、核分裂させると、核分裂生成物ができてしまいます。元々ウランは、放射線を発する危険な物です。その危険なウランを核分裂させると、その途端に放射能の量が10億倍に増えます。 それだけの凄まじい力を人間は持ってしまったのです。

人間が核分裂の連鎖反応を使うようになったのは、1942年です。米国がマンハッタン計画という原爆製造計画を立ち上げ、物理学者が長崎原爆の材料であるプルトニウムの製造法を考えました。そして、プルトニウム製造には原子炉を動かすのが最も効率的、と結論しました。

皆さんは原発を「発電」のための装置だと思われているかも知れませんが、元々開発者は、発電などに興味はなく、プルトニウムを作るための手段だったのです。しかし、当初から「これをやると大変なことになる」ことはちゃんとわかっていましたので、1942年時点から無害 化の研究は始まっているのです。研究は続けられ、今年で70年になりますが、未だにできないのです。

できない理由は、主に2つあります。①作ってしまった核分裂生成物を消そうとすると、そのために莫大なエネルギーがかかる。もともと原子力発電は、エネルギーが欲しいから作った訳ですが、そのエネルギーを全部投入してもまだ足りないとなれば、意味がありません。いくらやってもダメなのです。

②先ほど「消す」と言いましたが、本当に消すことは できません。正確には、「消す」のではなく、寿命の長い放射性物質を寿命の短いものに変化させて、管理期間を短くしたい、という考え方です。ところが、ある寿命の長い放射性物質を寿命の短い放射性物質に変える作業をすると、放射性物質でなかったものが放射能になってしまったり、新たに寿命の長い放射能が生まれてしまったりする物理現象が同時に進行してしまうのです。日本でも「原子力研究開発機構」が研究を続けていますが、いくら実験を繰り返しても、この壁を突破できず、70年間 実現できずにきているのが現状です。

私たちの世代が原子力発電を始めました。これから先10~20年くらいは続くかもしれません。でも、せいぜい何十年という時間しか原子力は使えません。ウランが枯渇するからです。

ところが、私たちの世代で生み出した放射能のごみは、100万年後まで子孫たちに押しつけられるのです。そんな行為に自分が荷担したということを、私は決して許せない。だから私は、自分たちの世代が生んだごみは、自分たちの世代の責任で無毒化したいと願っています。でも、たいへん申し訳ないことに、それは不可能なようです。

日本政府の意図的サボタージュ? 

──WHOが汚染地域の推定 放射線量を発表しましたが、 妥当なのですか? 

小出…正しくは私にはよくわかりません。ですが、本来ならあれはWHOではなく、日本が行うべきです。日本にもたくさん研究機関があります。日本政府でも安全委員会でもいいですが、きちっとした調査に基づいた数値を公表すべきです。原子力村の人たちがさぼっているのか、意図的に逃げているのか、能力がないのかわかりませんが、とにかく何もしない。だからWHOが発表したのですが、日本として恥じなければならない状況です。

WHOの推定がどこまで正しいかは、まだ判断できません。発表よりも多いだろうとは思いますが、どれだけ多いのかもわかりません。

理由は、事故初期の汚染データがないからです。それは今も隠されている可能性もありますし、あるいはこんな事故が起きることを、原子力 村の誰も思っていなかったがために対応が全くできなかったということもありえます。

どちらにせよ、全く何の対応もできないまま事故が進行してしまったというのが事実でしょう。当時の菅首相は、「自分のところに何の情報も来ないので、どうしていいかわからなかった」と言っていました。政府が政府の体をなさない状態だったわけです。

しかし、事故初期の汚染量に関しても、いろいろな情報やデータを積み上げることで、明らかにできるはずです。私自身もしっかりしたデータや情報をもっていないので、できません。しかし、WHO以外にも、国連科学委員会などもいずれ何かしらの数値を発表するでしょうし、そうなれば日本も何かしら発表せざるをえなくなるはずなので、そういうデータを順番に検証していく以外にないだろうと思います。



2012年6月18日月曜日

■大阪沖、けが人なし、旅客船と漁船衝突


大阪沖、けが人なし、旅客船と漁船衝突
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0618&f=business_0618_064.shtml
2012/06/18(月) 10:44
       
 18日午前5時20分ごろ、大阪府高石市の沖合約14キロで、沖縄から大阪に向かっていた旅客船「琉球エキスプレス」(約6200トン)と、同府岸和田市の漁協に所属する漁船(約9トン)が衝突した。旅客船には乗客乗員計45人、漁船には岸和田市の男性2人が乗っていたが、いずれもけがはない。堺海上保安署によると、旅客船は16日夕方に那覇市を出発、奄美大島に寄港した後、大阪南港に到着する予定だった。

(情報提供:共同通信社)



■大阪 体長40センチ超、大阪湾で最大級のウミウシ捕獲


大阪 体長40センチ超、大阪湾で最大級のウミウシ捕獲
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0618&f=national_0618_096.shtml
2012/06/18(月) 19:41
       
 半透明の寒天状の体をうねうね、赤い色の斑紋がついた突起をゆらゆら。ウミウシの仲間では最大級の「ヤマトメリベ」が17日、大阪府岬町沖の大阪湾で捕獲された。大阪府立環境農林水産総合研究所水産技術センターが18日、発表した。体長は40センチ以上。浮遊していたのを地元漁師が捕獲し、「変なんが捕れた」とセンターに持ち込んだ。センターによると、ヤマトメリベが大阪湾で確認されたのは極めて珍しい。

(情報提供:共同通信社)



2012年6月9日土曜日

■橋下氏「停電リスクに怖気づいた」と再稼働容認


橋下氏「停電リスクに怖気づいた」と再稼働容認
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120608-00001134-yom-pol
読売新聞 6月8日(金)21時34分配信

大阪市の橋下徹市長は8日の記者会見で、関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働を容認した理由について、「停電のリスクにおじけづいたところはある」と説明した。
計画停電が実施された場合の市民生活への影響を担当部局に検討させたことを明らかにしたうえで、「病院はどうなるのか、高齢者の熱中症対策はできるか。そう考えると、原発事故の危険性より、目の前のリスクに腰が引けた」と述べた。

大飯原発の再稼働に反対してきた橋下氏は5月末に「事実上の容認」に転じ、「負けたと思われても仕方がない」と発言。再稼働を巡って「民主党政権を倒す」としていた「倒閣宣言」も撤回した。

一方、野田首相が大飯原発の再稼働の必要性を強調したことに関して、橋下氏は8日、市役所で記者団に対し、「夏を乗り切ればいったん(原発を)止めて、きちんとした安全基準による判断が必要だ。期間を限定しない稼働は、国民生活ではなく電力会社の利益を守ろうとしているだけだ」と述べ、再稼働は電力需要が増大する夏季に限定すべきだとの考えを示した。



■民主党に“白旗” バケの皮剥がれた橋下徹 (日刊ゲンダイ)


民主党に“白旗” バケの皮剥がれた橋下徹 
http://isukeya.iza.ne.jp/blog/entry/2708612/
06月02日 日刊ゲンダイ


正体見たり。ついに橋下徹大阪市長のバケの皮が剥がれた。

関西電力の大飯原発再稼働に反対してきた橋下が「事実上の容認」に転じた件である。橋下はきのう(1日)の記者会見で、「細野大臣が『暫定的な安全基準で過渡的な安全判断である』と明言した」 「発送電分離など『電力供給革命』に道筋が見えてきた」と説明。

「現実の政治というのは、その時々に応じて判断しないといけない」と言い訳しながら、自らの“変節”の理由を並べていた。

そのうえ、次期衆院選で民主党と全面対決することも撤回。「『民主党に国の統治は任せられない』と言ったのは、暫定的な安全基準なのに『安全宣言』したから。今回、細野大臣が『暫定的』と正直に認めたから、(倒閣の)前提事実はなくなった」とアッサリ白旗を揚げたのだった。


■「変節」「豹変」「言い訳」の記者会見   

あまりの豹変ぶりにフジテレビの安藤優子キャスターにまで「今まで言っていたことは建前だったんですね」と皮肉られていた。

原発再稼働問題の取材を続けているジャーナリストの横田一氏もこう言った。

「会見では完全に弱腰でした。これで維新の会のイメージダウンは避けられないでしょう。形式的に手続きを踏めば、官僚の作った『数字』を信じるのか。結局、官僚に手玉に取られる並の政治家だとわかりました」

でも、これが橋下という男の本質だ。ハデな攻撃は注目を集めるためのポーズ。計算ずくで相手を完全に敵に回さず、だから、悪者にもならない。

「橋下さんのうまいところは、『結論』を言わないことです。原発再稼働も発言をよく聞くと、原発の是非ではなく『プロセス』を批判していた。彼はリアリスト。本気で再稼働に反対したら、財界が選挙で協力してくれなくなるのをわかっている。記者会見では『暫定的』という言葉を何度も繰り返していましたが、電力使用ピークの夏を過ぎても政府が原発の稼働を止めなければ、一転、文句をつけるための下地づくりでしょう。(地元記者)



■橋下改革プランに94%「ノー」

■橋下改革プランに94%「ノー」
http://jp.reuters.com/article/kyodoPoliticsNews/idJP2012060801002201
2012年 06月 8日 20:10 JST

大阪市は8日、支出削減のための事業見直し方針「市政改革プラン」素案のパブリックコメント(意見公募)を実施した結果、意見総数の94%が反対意見だったと発表した。

橋下徹市長の急進的な改革案に多くの市民が「ノー」を突き付けた。市によると意見総数2万8399件のうち反対意見は2万6763件に上った。ただ関係者によると、利害関係者が組織的に反対意見を送ったとみられるケースもあったという。






■橋下の改革プランに大阪市民が3万弱の意見を寄せその9割が反対意見という事は維新の正体がバレたとみていいだろう。
http://www.asyura2.com/12/cult9/msg/612.html
2012 年 6 月 09 日 09:56:40: /puxjEq49qRk6

マスコミの出鱈目世論調査よりよっぽど上等だが意見投稿は満足している人はわざわざ書かないだろうから9割が橋下不支持という意味ではないがネット同様に過半数が不支持とみてよくマスコミの橋下支持70%前後というのは出鱈目でもう維新ブームは終わったとみていいだろう。

朝日の無党派層小沢支持47%にも驚いたがこちらは数字を削っているだろうから橋下に失望した層がどっと流れ込んでいるのだろう。

橋下に小泉に似た似非改革者の臭いを感じつつも出自が暴露されても突破者のようなやくざの息子である事に悩んできたからこその改革に期待した層が次長課長と同じでお涙頂戴がバレた反動でブルータスお前もかという評価に変わってしまったのだろう。

考えてみれば小泉も実力に合った窓際議員でいればやくざの孫である事もばれなかったし偽日本人の息子である事もばれなかったが調子に乗った為に馬鹿を晒しその責めを馬鹿息子が背負っていく事になるが橋下も同じでどんどん美談が醜聞化してこれから橋下フィーバーを起こさねばならないのに既に小泉末期のような勢いだ。

それも当然で口でいくらB層好みの事を言ってもやってる事が小泉と同じなのだから府知事時代に騙された大阪市民が二度も三度も騙される訳がない。

小泉は自分がアホなのを承知しておりワンフレーズで逃げたが自信家の橋下はそれができずTwitterやYouTubeで日替わりで馬鹿を晒している。

Twitterを逃げない所は評価しているのだが原発だ吉本だと彼の本質が見透かされる出来事が次から次へと起こりマスコミ弾圧もばれてしまい息子とともに小泉のツケを八つ当たりされている感じでもう風は起こせないだろう。

一方いくら無罪判決が出ても3年もネガキャンされた小沢がどれだけ盛り返せるか未知数だったが橋下と逆にゴビンタ事件が起きたりそれが沈静化しそうだった田代事件を再燃させたりと追い風が吹き無党派層の支持が集中し始めているようだ。

控訴の影響がどうなるかと思ったが国民の受け止めは無罪=冤罪という受け止めだったようでこの先マスコミがいくらネガキャンをしても無党派層が真相を知ってしまったからもう無駄だ。

思えば野党代表時代に始まった小沢事件だが偽日本人や偽ユダヤが総力をあげて小沢潰しをしても自分達の正体が国民にバレるだけの3年間だったという事で人を呪わば穴二つだったという事だ。

消費増税も野田と谷垣の皮算用は外れて民主中間派は反対に回るし創価も裏切るし自民の紐付き議員も右へならえで大政翼さんどころか与野党の偽日本人議員が魔女狩りのように炙り出される始末で9月に揃ってお役御免という所だろう。

次期民主党代表は小沢でもいいし旬の人小川でもいいし偽日本人陣営はもうまともに候補を立てる事すらできずKY前原あたりが勝ち目も将来性もない中で無駄に立候補するだけだろう。

日本を普通の国にするという事は偽ユダヤと対峙し偽日本人問題にケリをつけるという事であり小沢が初めて発した時は軽く聞き流していたがかくも大変な作業だとは思わなかったが小沢にばかり頼らず国民一人一人が身近でできる事をしてこそ成就するものでありその努力の時が来たようだ。



■5.5億円の返還請求を熊取町長に命令 大阪地裁、工事談合で


5.5億円の返還請求を熊取町長に命令 大阪地裁、工事談合で
http://www.nikkei.com/article/DGXNASHC08033_Y2A600C1AC8000/
2012/6/9 2:01 日経Web

 大阪府熊取町発注の公共工事で、熊取建設業協同組合に加入していた23業者が談合し、町に損害を与えたとして、同町民らが総額約8億5900万円を損害賠償請求するよう町長に求めた住民訴訟の判決で、大阪地裁は8日、町長に計約5億5700万円を請求するよう命じた。

 同町では、町営住宅建て替え工事を巡る談合事件で2008年3月、同組合の代表理事ら4人が有罪判決を受けた。

 山田明裁判長は判決理由で、同事件が発覚した07年10月の前後で平均落札率が大きく変化したことを挙げ、「発覚以前の高い落札率は恒常的な談合で維持されていた」と指摘。03~07年度に指名競争入札があった工事で、住民側が談合があったと主張した157件のうち、144件について談合を認めた。

 その上で「談合がなければ予定価格の80%程度で落札された可能性が高い」とし、落札価格の15%が町の損害に当たると認定した。

 判決後に記者会見した住民側の弁護士は「長期の多数の工事について談合を認めた画期的な判決だ」と話した。



2012年6月7日木曜日

■<震災がれき>TDS隣を埋め立て公園構想…浦安市長


■<震災がれき>TDS隣を埋め立て公園構想…浦安市長
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120605-00000088-mai-soci
毎日新聞 6月5日(火)21時55分配信

震災がれきを利用した公園のイメージ図。左側(北西側)のディズニーシーと右奥(北東側)の既存埋め立て地に囲まれた三角形の海域を、手前(南西側)に堤防を築き、埋め立てる構想だ=千葉県浦安市提供

 千葉県浦安市の松崎秀樹市長は5日、東日本大震災で生じた宮城県と岩手県の「震災がれき」で、東京ディズニーシー(TDS)南東側の海を埋め立て公園にする構想を打ち出した。国が取り組むよう環境省などに提案したが、環境省は震災がれき処理については14年3月までに終了させる計画で「時間的に厳しく、実現は難しい」と難色を示している。【山縣章子】

 浦安市によると、予定地として上がるのは、同市舞浜沖で、最深部は7メートルほどの2方向を埋め立て地に囲まれた三角形の海域。沖合を約900メートルの堤防で仕切り、コンクリート片などのがれきで埋め立てる計画という。

 最終的に約160万~250万立方メートルのがれき処理が可能だと見込まれ、埋め立て後に約27ヘクタールの森林公園として整備を見込んでいる。松崎市長は「横浜市の名所となった山下公園は関東大震災のがれきを活用し造成された。第二の山下公園構想です」と提案した。

 環境省によると、震災がれきは、リサイクルするか最終処分場で埋め立て処分を原則とする。また、海面の埋め立て事業は都道府県などが事業主体となる仕組みで実現までのハードルも数多い。同省は「県や市が埋め立ての事業主体となったとしても、埋め立ての手続きや工事に少なくとも2年はかかるはず」と実現性に疑問を呈している。




■浦安市 がれき埋め立て公園に
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120605/t10015616561000.html
6月5日 14時50分 NHK

千葉県浦安市は、東日本大震災で発生した岩手県と宮城県のがれきを受け入れたうえで焼却せずに沿岸部の海に埋め立てて広大な公園を作るという、これまでに例のない構想をまとめ、実現に向けて国などへの説明を始めました。

この構想は、東日本大震災で液状化の被害を受けた浦安市が、東北地方の被災地を支援しようと検討を進めてきたもので、このほど概要がまとまりました。
それによりますと、浦安市舞浜の「東京ディズニーシー」に隣接する、三角形をしたおよそ27ヘクタールの東京湾の海域を囲む形で堤防を作り、その中に岩手県と宮城県の被災地で出たがれきを焼却せずに埋め立てるということです。
そして、この上に土を盛って植樹を進め、広大な公園として整備するとしています。
浦安市は、この方法で160万立方メートルから250万立方メートル程度のがれきを受け入れることができると見込んでいます。
環境省によりますと、東日本大震災で出たがれきを焼却せずに海に埋め立て、公園をつくるという構想はこれまでに例がないということです。
浦安市はこの構想について国などへの説明を始めました。
しかし、堤防の建設には多額の費用がかかるうえ、事前に環境への影響を調べる必要があることなど、実現するにはさまざまな課題があります。
浦安市の松崎秀樹市長は「同じ被災地として東北の復興に少しでも貢献したいと今回の構想を提案した。ハードルは高いと思うが、国に事業化を働きかけたい」と話しています。




■千葉などで震度3
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120606-00000016-jij-soci
時事通信 6月6日(水)5時18分配信

 6日午前4時31分ごろ、関東地方を中心に地震があり、千葉県市原市などで震度3の揺れを観測した。気象庁によると、震源地は同県東方沖で、震源の深さは約20キロ、地震の規模(マグニチュード)は6.3と推定される。 



■核ゴミは全部日本へ送れ - 日本が放射性廃棄物最終処分場になる日


核ゴミは全部日本へ送れ - 日本が放射性廃棄物最終処分場になる日
http://www.asyura2.com/12/genpatu20/msg/402.html
投稿者 魑魅魍魎男 日時 2012 年 1 月 22 日 05:06:15: FpBksTgsjX9Gw

放射性ガレキの焼却に野放しの汚染建材と、政府の放射能汚染の
積極的な全国拡散策もますます拍車がかかってきた。

もちろんこれは、政治家・役人の無知、無策、怠慢によるものではなく、
意図的に行っているものだ。彼らは放射能の危険性は十分知っている。
我々が考えるよりも彼らははるかに悪賢いのだ。


なぜわざと全国に汚染を広げようとしているのか。

一つは、福一からの放射能流出をごまかすためである。
収束したはずの福一からの大量放出が検出されては困る。
御用学者や工作員が、最近のセシウム降下量の増加は、ガレキ焼却によるものだと
言い始めている。
汚染物を日本中にバラ撒けば、福一から新たに放出されたものかどうか判断が難しくなる。
別の原発からの放射能流出もごまかせるだろう。

もう一つは、TPP促進のため国内の農水産業を壊滅させることにある。
国産食材がセシウムまみれになれば、いやでも輸入物に頼らざるを得ない。
農業関係者はTPPに猛烈に反対しているが、収穫物が汚染されて
消費者に敬遠されれば終わりである。
すでに輸入食材に切り替えている家庭も多いはずだ。

悪魔のような邪悪な策略だが、まだ驚くのは早い。
さらに大きな目的があるのだ。それは日本を世界の核のゴミ捨て場にする計画である。

原子力マフィアは世界中で核ゴミの最終処分地を探している。
カネに困っている貧しい国を見つけ、札束を目の前でぶらつかせて
受け入れさせようと目論んでいる。
昨年は、モンゴルを最終処分地にしようとして猛烈な反対にあって頓挫した。

日本のように東側が大洋に面している島国は珍しい。
万一放射能漏出があっても西風に乗って他国に影響が及ぶことは少ない。
大半は太平洋に降下する。極東の最果ての国はゴミ捨て場として最適なのである。

日本は地下水が豊富、地震が多く、使用済み核燃料の永久処分に適した
堅い岩盤がないと言われる。しかし、そんなことは彼らにはどうでもよいのだ。
どうせ数万年、数十万年にも及ぶ管理などできはしない。
世界中で溢れる核ゴミを引き受けてさえくれればいい。
あとは野となれ山となれの原子力業界だ。

もちろん核のゴミ捨て場は国民の猛烈な反対にあうだろうが、
経済状況によりそれは一変するだろう。

いつまでも日本が金持ちだ、債権国だ、円高だと思っていたら大間違いである。
GDPの2倍の赤字に加え、福島の処理、補償、医療費に莫大な費用がかかる。
だが高齢化、企業の海外移転で税収は減る一方である。
失われた20年どころか景気はさらに悪化しつつある。
日本経済は猛烈な勢いで収縮しているのである。

お金がなければ、紙幣をどんどん刷るしかない。
数年後にはひどいインフレになって、最後はデノミ・円切り下げになるだろう。

ソ連はチェルノブイリ事故の一撃で経済が疲弊し国家が崩壊、その後も混乱が続き、
1998年にロシアはデノミを実施し、ルーブルの価値は何と1千分の1になった。
1千万円の財産がたったの1万円の価値になってしまったのだ。

原発が1基爆発すると、国家財政は間違いなく破綻する。
日本も同じ道を歩む。いずれ円は暴落し大半の国民は貧窮するだろう。

国産食材は汚染がひどくて食べられない、しかし輸入品を買うお金もない。

そこへ待ってましたとばかりに、彼らは札束を抱えてやってくる。
どうせ汚染がひどいのだから、汚れついでに外国のゴミも引き取って下さいよ。
このお金で汚染のない輸入食材が買えますよ、と。

札束で頬をひっぱたいて原発や核処理場を無理やり誘致させる。
今まで散々見てきた構図だ。

主要企業の大半は海外移転、農水産業も壊滅、産業らしい産業もなくなった日本は、
核ゴミの受け入れで生計を立てるしかなくなるのだ。

かくして日本は世界の核のゴミ捨て場となる。

すでに福島がそうなりつつあるが、それが国家レベルで起きるのだ。

もちろん、政治家や高級官僚は海外の高級リゾート地に建設した日本人町に脱出だ。
彼らの銀行口座には、核ゴミ受け入れのリベートがたんまり振り込まれる。
国民の苦悩・貧窮をよそに毎日ゴルフ三昧だ。


政治家や役人がこんな悪魔のようなことを考えているはずはない、妄想だ、陰謀論だ、
と言うのは勝手である。

しかし今まで彼らは何をやってきたか。
金儲けのために、活断層だらけの大地震国に50基以上の原発を建設運転し、
4基も大爆発を起こしてすでに国土の数分の1がひどく汚染されてしまったのに、
まだ続けようとしている。

金のためには何でもやる。国も国民も平気で汚染させる、見殺しにする。
こういう連中がトップに居座って政治を続けているのだ。

原発が行き詰った今、今度は最終処分場で一儲けしようとしていると指摘するのは、
的外れではあるまい。


対策は一つ。
国民が一致団結して、汚染ガレキの受け入れ拒否を始め、汚染拡大を防止することである。

汚染で食を断たれたら終わりである。
汚染のない食糧の自給ができれば、たとえ貧しくとも生きてゆけるのだ。
汚染のない豊かな自然があれば、たとえ貧しくとも生きてゆけるのだ。

甘言にだまされてはならない。

このまま放っておけば日本は間違いなく核のゴミ捨て場になるだろう。



■7月復帰・やしきたかじんが橋下・維新の会に電撃合体する


7月復帰・やしきたかじんが橋下・維新の会に電撃合体する(1)
http://news.infoseek.co.jp/article/asageiplus_5629
2012年6月5日10時57分 アサ芸プラス

 食道ガンの治療で長期休養中のやしきたかじんに、復帰の動きが出ている。焦点となるのは、みずからがブレーンとなっている大阪・橋下市長への全面支援活動の再開。いや、それどころか、来るべき総選挙での擁立論も湧き上がり、関西世論を左右する超人気男の登場に、ボロ負け必至の既成政党が大慌てなのである。

都内で入退院を繰り返し…

〈検診の結果、初期の食道がんであることが判明いたしました。今後は、治療のためにしばらくの間レギュラー番組をお休みさせていただきます。(中略)そして、なるべく早く元気な姿で、また吠えていただこうと思っております〉

 1月31日、所属事務所の公式サイトに書かれた衝撃的な報告。関西で絶大な人気を持つ歌手、タレントのやしきたかじん(62)の、無期限休養宣言だった。あれから4カ月──。

「初期のガンとはいっても、楽観視できるわけではない。4月上旬に大阪を離れて都内の病院で手術を受け、何度か入退院を繰り返したと聞きました」(ワイドショー芸能デスク)

 大阪のテレビ局制作スタッフは言う。

「たかじんの最新行状は、ほぼトップシークレットに近い。把握しているのは、ごく限られたプロデューサークラスだけです」

 そうした「厳戒態勢」の下、たかじんがいよいよ「復帰」するとの情報を、本誌はキャッチした。

「夏前・・・ちょうど梅雨明けする7月中旬から下旬頃に復帰するという話は、関西では確かに流れています。発信元はどうやら、大阪維新の会のようです」(在阪の政界関係者)

 大阪・橋下徹市長(42)が代表を務める地域政党「大阪維新の会」とたかじんの「深い関係」を関西で知らぬ者はいない。

 まだ大阪府知事選挙に立候補する前、橋下氏は「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ)の準レギュラーとして出演し、番組内で徐々に政治的発言をするようになっていった。橋下氏が打ち出す「政策」をたかじんは批判することなく、むしろ後押し。関西で絶大な人気と視聴率を誇る毒舌コメンテーターの「お墨付き」で、橋下氏は知名度と支持を広げていった。前出の在阪政界関係者が解説する。

「橋下氏の府知事選出馬は、大阪都構想でタッグを組む元経済企画庁長官の堺屋太一氏(76)とともに、たかじんが仕掛け人となったもの。『テレビで言うばっかりじゃしょうがないから、自分でやれや』と背中を押したわけです」

 在阪スポーツ紙デスクは、たかじんの「力量」についてこう話す。

「関西での発言力はトップ。誰も追随できません。関東におけるビートたけし(65)以上と言ってよく、支持率は絶大です。歯に衣着せぬ物言いが、視聴者には心地いい。普通のコメンテーターがサッと流しそうなグレーゾーンの話題にも、ズバズバと切り込む。しかも、誰もが納得のいくことをハッキリと言う」



■大阪市 年100億円タダ乗り高齢者…40年間のタブー、踏み込めるか


大阪市  年100億円タダ乗り高齢者…40年間のタブー、踏み込めるか
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120607/waf12060710310008-n1.htm
2012.6.7 10:30

 「聖域」「地雷」。大阪市議や市職員が、ある行政テーマについて説明する際に口にした言葉だ。70歳以上の大阪市民が市営地下鉄、バスを無料で無制限に利用できる「敬老パス」事業。話し手は「触れてはいけないものだった」という感覚を伝えるため、これらの言葉を選んだ。

 5月に東京から大阪に転勤し、市政担当に配属された直後、財政再建に向けた市政改革プランの素案を取材した。敬老パス事業については、利用額の上限設定や利用者負担など5つの案が盛り込まれた。


解決めざした歴代市長、市議…猛抗議で頓挫


 事業は昭和47(1972)年11月、高齢者の社会活動を促進するために始まった。48年度の利用者は約9万3千人、事業費は約2億4900万円だったが、高齢化とともに数は伸び、平成22年度は約34万5千人、約78億9千万円に達した。過去には年間80万円分を利用する人もいたといい、32年度には事業費は100億円を超えると試算されている。

 膨らみ続ける事業費。関淳一元市長、平松邦夫前市長も見直しを試みたが、そのたびに市民や議会の反発で頓挫した。街中で抗議のビラがまかれたといい、市議は「事務所に見直し反対の電話が殺到した」と振り返る。こうして敬老パスは「聖域」であり続けた。


東京都は年2万円を負担さす


 だが今、橋下徹市長が代表を務める最大会派、大阪維新の会の市会議員団のほか、第2会派の公明も、利用者負担を見据えた見直しを検討している。そのきっかけの一つとして、過去の見直し論議を挙げる市議もいる。「あれを契機に敬老パスについて市民と対話する機会を継続的に持つようになり、財政的に立ち行かなくなることを説明してきた」

 他都市でも同様の事業はあるが「無料、無制限」ではない。東京都の場合、原則、住民税課税対象者には年2万510円、非課税対象者にも千円の負担を求めている。このデータを支持者に示して「ある程度の負担は必要」と理解を求める市議もいるし、深夜まで市役所に残り、制度改革の在り方に頭を悩ませる市議もいる。

 記者人生で政治を本格的に取材するのは初めてだが、今まで勝手に頭の中で作り上げていた「票獲得に動く議員」像と違い、現場には、市民生活と真摯(しんし)に向き合う姿があった。

 私も市政担当記者として、数字など表面的なものだけでなく、現場の覚悟や息づかいを伝える記事を書いていきたいと思っている。



■泉佐野市 震災不燃がれきの受け入れについての検討を開始します


泉佐野市 震災不燃がれきの受け入れについての検討を開始します
http://www.city.izumisano.lg.jp/kakuka/koushitsu/jichi/menu/bou/touhokutaiheiyouokijisin/1338792565647.html
2012年06月04日 泉佐野市ホームページより

千代松市長の方針により、泉佐野市において東日本大震災の不燃がれきの受け入れについての検討を開始します。

 なお、受け入れの場所、時期、量及びその決定方法についても今後の検討内容となります。

環境衛生課 広域調整担当 <e-mail:kanei-k4@city.izumisano.lg.jp>
電話番号:072-463-1212(内線2288)
FAX番号:072-464-9314



2012年6月6日水曜日

■関空駐車場、最大4割値下げへ…来月から


関空駐車場、最大4割値下げへ…来月から
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120605-OYO1T00688.htm
(2012年6月5日  読売新聞)

 関西国際空港と大阪(伊丹)空港の運営会社「新関西国際空港会社」は、両空港が経営統合する7月から、関空の直営駐車場を最大約4割値下げする方針を固めた。統合を契機に関空の利便性を高め、利用増につなげる狙いで、近く発表する。

 関空直営の駐車場には約6000台分のスペースがある。普通車を24時間駐車する際の料金は4000円で、成田空港(2000円~1500円)、伊丹空港(2500円)に比べて大幅に高い。新関空会社は現在の料金を約4割安い2500円に引き下げる方向だ。短時間の駐車料金も現在の15分100円を、20~30分程度の場合は無料にすることも検討している。

 新関空会社は関空―伊丹空港間を乗り継ぎのため移動する乗客を対象にリムジンバスの運賃を無料にする方針も打ち出している。



■がれき、大阪・夢洲で処分決定へ…近く説明会


がれき、大阪・夢洲で処分決定へ…近く説明会
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120606-OYO1T00197.htm?from=top
(2012年6月6日  読売新聞)

東日本大震災で発生したがれきを人工島・夢洲(ゆめしま)の焼却灰処分施設「北港処分地」(73ヘクタール、大阪市此花区)で受け入れ、最終処分する大阪府・市の計画案について、環境省は5日、海水に漏れる放射性物質はごく微量にとどまるとして「安全を確保できる」との評価結果を市に伝えた。市は府の専門家会議による評価を経たうえで、近く受け入れを正式決定し、周辺住民対象の説明会を開く。

処分地は周囲を護岸で囲まれ、埋め立てが進んだ陸地部分と海水部分(6・6ヘクタール)に分かれる。環境省は焼却灰の埋め立て方法について、〈1〉海水面に直接埋め立て〈2〉陸地の未整備部分(2ヘクタール)に埋め立て〈3〉同部分に放射性物質を吸着する鉱物「ゼオライト」を敷き詰め、埋め立て――の3パターンに分け、影響を試算した。

いずれも処分地内の海水面で検出される放射性物質の濃度は最大で1リットルあたり9・82~0・172ベクレルと、一般の水道水から検出される値(同10ベクレル)を下回った。市は、「護岸に排水処理施設があるため、実際に外海に出る放射性物質の濃度はさらに低くなる」と説明している。

橋下徹市長はこの日、報道陣に、ゼオライトを使った埋め立て方法を採用する意向を表明、「手続きをきちんと踏んでいるので、周辺住民は(受け入れを)納得してくれると思う」と話した。



2012年6月5日火曜日

■府・大阪市:10職員に併任辞令 「大阪の魅力向上」担当 /大阪


府・大阪市:10職員に併任辞令 「大阪の魅力向上」担当 /大阪
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20120602ddlk27010340000c.html
2012年06月02日 地方版

 府と大阪市は1日付で、大阪の観光集客や都市再生に携わる府・市職員各5人に、知事、市長双方の指示を受けられる併任辞令を発令した。府市統合本部傘下で大阪の魅力づくりを検討している「都市魅力戦略会議」の最終報告がまとまり次第、大阪の魅力向上に取り組む。

 戦略会議の中間報告では、大阪城・大手前▽中之島▽御堂筋−−など市内5地区を重点地区に指定、各地区の特徴や歴史に合わせて、ミュージアム整備や歴史的建造物を活用した街づくりなどを目指していくとした。併任を受けた職員は民間とも連携しながら、街づくりに取り組む。



■大阪府、エネ関連とメガソーラー事業で公募


大阪府、エネ関連とメガソーラー事業で公募
http://www.nikkan.co.jp/dennavi/news/nkx1420120601qtkf.html
2012年06月01日 11時00分
         
 大阪府は中長期的なエネルギー政策に、エネルギー関連事業およびメガソーラー事業の公募に取り組む。エネルギー関連事業では「電力供給ボリュームの拡大」「新エネルギー産業事業化」「地域分散型の電力セキュリティ都市」「省エネ社会」の4項目で、事業・企画のアイデアや規制緩和などの要望を民間から募る。提案内容は府と大阪市が進めるエネルギー戦略策定の参考とする。締め切りは7月27日。問い合わせは政策企画部企画室(06・6944・6784)へ。

 また、泉大津フェニックス(大阪府泉大津市)の約25ヘクタールの土地を利用し、18メガワット相当のメガソーラーを設置する事業者を一般競争入札で公募する。8月に公募を始める予定。



■大阪府の教員試験の志願数激減 教育条例影響か


大阪府の教員試験の志願数激減 教育条例影響か
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120530/lcl12053022120005-n1.htm
2012.5.30 22:12

 大阪府教委は、来春採用予定(平成25年度)の公立学校(大阪、堺両市を除く)教員採用選考の志願者数(速報値)を発表した。24年度に比べ1355人減の1万1807人で、採用予定数が現在の2千人を超えるようになった17年度以降では最少。教員評価に保護者の意見を反映させることなどを盛り込んだ教育関連条例が4月に施行されたことにより、敬遠された可能性もある。

 採用予定は2310人で全体の倍率は5・1倍となり、24年度より0・6ポイント落ちた。学校種別では、小学校は384人減の3346人、中学校は265人減の3465人、高校は604人減の3724人などとなっている。

 府教委は大阪のほか福岡と名古屋でも試験を実施している。今回は九州各県の採用試験の日程が重なったため、福岡会場の志願者数の減少が激しく、前年度比6割減の96人。大阪会場は同1割減の1万1310人、名古屋会場は同2割減の401人だった。

 府教委の教員採用をめぐっては、24年度採用の合格者2292人中、最終的に308人が採用を辞退した。辞退率は13・4%で、過去5年で最高を記録。議論の時期が採用試験と重なった教育関連条例の影響が指摘されている。



■大阪市 人権博物館への補助金打ち切り決定


大阪市 人権博物館への補助金打ち切り決定
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120603-OYO1T00190.htm?from=main2
(2012年6月3日  読売新聞)

 大阪市は2日、大阪府・市が出資する「大阪人権博物館(リバティおおさか)」(浪速区)について、2012年度限りで補助金を打ち切ることを決めた。府も同様に補助金を廃止する方針で、運営費の9割を府市の補助金でまかなっている同博物館の存続は厳しくなった。

 この日、12年度本格予算案編成に向けた市長と担当部局の折衝で決まった。12年度は前年度比で2割減の計1億600万円とする。

 橋下徹市長は折衝後、「(今年度の補助金は)事業収束に向け、整理してもらうための費用」と強調した。

 リバティおおさかを巡っては、「大阪国際平和センター(ピースおおさか)」(中央区)と統合して「近現代史博物館」として刷新する構想が浮上している。



2012年6月2日土曜日

■大阪・泉佐野の市名命名権 募集要領発表も企業の反応ゼロ、苦情寄せる市民も。


■大阪・泉佐野の市名命名権 募集要領発表も企業の反応ゼロ、苦情寄せる市民も 
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120601/osk12060121260015-n1.htm
2012.6.1 20:20

財政難の大阪府泉佐野市は1日、市名のネーミングライツ(命名権)売却などの募集要領を発表したが、同日中は企業からの問い合わせなどはなかった。一方、市民らからは「本当に名前を売るのか」「気持ちはわかるがそこまでやらなくても」といった苦情が約10件寄せられ、改めて反響が広がった。

募集要領発表を受け、市は6日から正式に質問をメールで受け付ける。購入に前向きな企業を対象に11月から1カ月間、広告内容の提案を募る方針だ。

1日は、企業からの問い合わせはなかったものの、朝から報道機関の取材が相次ぎ、市の担当職員らは、直接市役所を訪れて意見を伝える市民や、電話などへの対応にあたった。

市には3月に命名権売却構想が明らかになって以降、この日までに100件以上の意見が寄せられ、大部分が市名の変更に反対する内容だという。

市は「企業から提案があれば、慎重に検討し、市民が納得する形にしたい。そのためにも多くの企業からの募集があれば」としている。






■変更経費10億円は企業に負担 大阪・泉佐野の命名権売却
http://www.daily.co.jp/society/politics/2012/05/31/0005098787.shtml

自治体名の命名権売却を検討する大阪府泉佐野市は、公共施設の看板交換など市の名称変更で生じる経費10億円余りの負担を売却先企業に求める方針を31日までに固めた。

市は6月1日から市ホームページに募集要項の掲示を開始。11月から1カ月間、企業から応募を受け付ける。

市長公室は4月下旬、各課から名称変更で生じる経費の聞き取り調査を実施。公共施設の看板や道路標識などの交換に1億9千万円、市の印刷物の変更に1億600万円など、経費計5億2500万円と試算した。

さらに、契約終了後に名称を「泉佐野市」に戻す際も同じ規模の費用がかかると見積もる。



■絶句! 震災がれき処理を泉佐野市受け入れ。

思考力ゼロのアホな市長がいると、こうなるんですね‥の典型です。
泉佐野市のお隣、熊取町には京都大学原子炉実験所があり、ここにいらっしゃる小出助教は「がれきは全国に拡散すべきではありません。出来る限り一カ所で処分を‥」と話しておられます。
その理由、詳細についてはネット上に多くの情報が掲載されていますので、そちらを参考にしていただければと思いますが、今朝の「がれきニュース」(手前勝手にネーミング)では、大阪市、泉佐野市についで、府下3番目に東大阪市が受け入れを決めた、とか。そんなに拙速な判断、何を基準に決めたんだ、と言いたくもなります。
ま、焼却処分が始まれば地元地域が風評被害に泣くことは目に見えています。泉州地域名産の「水なす」や「泉州たまねぎ」。出荷時には線量計で計測して「ナントかベクレル」‥となりますが、いや、地元の市や府が口をすっぱくして「安全です」と言ったところで、「風評」ほど、恐ろしいものはありませんし被害も甚大。また、大阪湾へのチップ(灰を固形化したもの)埋め立てともなれば、名産の「あなご」や「いかなご」(くぎ煮)、あるいは、だんじり祭りのシーズンに祭料理としてテーブルに盛られる絶品の「わたりカニ」…。それにも増して、府下全域の「観光」「レジャー」には大きな影響が出てくるのではないか、と。みなさん、そう思いませんか? 再考していただければ幸いですが‥。



以下、転載



■被災地不燃がれき、泉佐野市受け入れへ
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120529-OYO1T00714.htm?from=main1
(2012年5月29日  読売新聞)

大阪府泉佐野市が、東日本大震災で発生したコンクリート片などの不燃がれきの処分を引き受ける方針を固めたことがわかった。不燃がれきの処理方針を決めた自治体は府内初。千代松大耕市長は「東日本大震災の復興のため、できる限りの協力をしたい」と話している。

環境省によると、広域処理するがれき量は約247万トンと試算。そのうち不燃物は129万トンにのぼる。

市はこれまで可燃物の受け入れを検討してきたが、焼却施設を共同運営する田尻町が慎重姿勢を示したため、断念。市単独で可能な不燃物を受け入れることにした。

大阪府と関西広域連合は、がれきの放射性セシウム濃度の基準を定めているが、焼却処分が前提。今後、市が独自の安全基準を決めることになる。環境省は、がれきをそのまま埋め立てる場合の基準を、1キロあたり8000ベクレルを下回るよう規定している。




■震災がれき:不燃物受け入れ方針 大阪・泉佐野市
http://mainichi.jp/select/news/20120529k0000e010189000c.html
2012年05月29日 12時31分 毎日新聞 

大阪府泉佐野市が東日本大震災で発生した不燃物のがれきを受け入れる方針を決めたことが29日、わかった。秋にも搬入を開始し、山間部のため池などを利用して埋め立て処理するという。不燃物の受け入れを決めた自治体は大阪府内では初めて。今後、大阪府と協議し、放射性物質の安全基準などを定める。

千代松大耕(ひろやす)市長が、ごみ処理施設を運営する泉佐野市田尻町清掃施設組合にがれき受け入れの検討を指示。当初は可燃物の焼却処理を検討していたが、「近隣住民の理解が得られない」として断念。コンクリート塊や建築廃材、金属などの不燃物を受け入れることにした。

千代松市長によると、同市の山間部には市が所有者になっている農業用ため池が多数あり、実際には使われていないものもあるという。水利権を持つ農家に協力を求める。




■東大阪市、がれき受け入れ表明…府内3例目
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120601-OYO1T00594.htm
(2012年6月1日  読売新聞)

大阪府東大阪市の野田義和市長は1日、「停滞する復興を進めるためにも、みんなで助け合うのは当たり前」として東日本大震災で発生した岩手県内の可燃性がれきの受け入れを表明した。府内での受け入れ表明は、大阪、泉佐野両市に続き3例目。

東大阪市によると、同府大東市とつくる「東大阪都市清掃施設組合」のごみ焼却施設(東大阪市水走)で処理する計画で、大東市側の了承も得られたという。

府が示した放射性セシウム濃度の基準値(1キロ当たり100ベクレル以下)を下回る場合に限って受け入れ、通常のごみ処理に支障のない1日40トンの処理を目指す。府などと焼却灰の最終処分地を調整し、受け入れ態勢を整えたいとしている。

大阪府の松井一郎知事は「府の基準値などをしっかり説明し、全面的に協力したい」と述べた。





■震災がれき:大阪の人工島・夢洲で埋め立て方針
http://mainichi.jp/select/news/20120509k0000e040251000c.html
2012年05月09日 15時26分 毎日新聞 

東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)受け入れを表明している大阪府と大阪市は、同市の焼却場で焼却した上で、焼却灰を大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま=大阪市此花区)の北港処分地で埋め立てる方針を固めた。環境省は、がれきの放射性セシウムが海に流出しない方策について今月末にも府・市に提示する見通し。それを受け、府は専門家会議で安全性を確認し、正式決定する。

北港処分地は、同市内で排出されたごみの最終処分地。夢洲の385万平方メートルのうち、現在は73万平方メートルを処分場として利用している。

がれきを巡っては、府が岩手県分18万トンの受け入れ方針を表明。昨年12月、放射性セシウムについて、国基準よりも厳しい「がれき1キロあたり100ベクレル以下」との基準を策定した。府は1月から焼却場を持つ府内の市町村に焼却の受け入れを要請し、処理手順や基準を説明。しかし、住民の反発などへの懸念から大半は慎重姿勢で、受け入れ表明は大阪市にとどまっている。

同市は2月、北港処分地について、環境省に安全性の審査を依頼。同省は月内にも安全な埋め立て方法を提示するとみられる。





■東日本大震災:がれき受け入れ 関西広域連合、100ベクレル以下基準承認
http://mainichi.jp/area/news/20120317ddn008040060000c.html
2012年03月17日 毎日新聞 大阪朝刊


震災がれきの受け入れ基準などについて各府県の担当者や専門家らが議論した関西広域連合の専門家会議=京都市中京区で2012年3月16日午後、古屋敷尚子撮影
東日本大震災の災害廃棄物(がれき)の受け入れに関する関西広域連合の専門家会議(座長、山本孝夫・大阪大大学院教授)の初会合が16日、京都市であった。大阪府が昨年打ち出した指針「がれきは1キロ当たりの放射性セシウムが100ベクレル以下、焼却灰は同2000ベクレル以下」と同一の基準を事務局が提案し、大筋で承認された。25日の広域連合委員会で了承される見込み。ただし、実際に受け入れるかどうかは各市町村の判断になる。

受け入れにあたっては、被災地と輸送中、受け入れ施設でそれぞれ濃度を測定し、基準を超えた場合は被災地に戻すとした。埋め立て時に超過した場合は処理方法を改めて検討する。

受け入れ施設の一つに有力視される「大阪湾広域臨海環境整備センター」(フェニックス)については、放射性セシウムが水に溶けやすいとの懸念から慎重な意見が相次ぎ、協議を続けることになった。





■大阪湾での震災がれき処理基準めぐり 大阪、兵庫が対立
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201206020017.html
2012年6月2日

 東日本大震災で発生した災害廃棄物(震災がれき)の最終処分を巡り、兵庫県と大阪府・市の意見が対立している。各府県市が加入する関西広域連合は大阪湾の埋め立て地での処分を想定しているが、兵庫県が示した放射性物質の基準案が、大阪府や広域連合がすでに定めた基準値より大幅に厳しく、20分の1に抑えられているためだ。大阪側は「非現実的」と批判するが、兵庫側も譲らぬ構えだ。

 処分先の埋め立て地は、近畿6府県と168市町村が出資する大阪湾広域臨海環境整備センター(フェニックス)が大阪、兵庫両府県沖に持つ4カ所が想定されている。

 関係者によると、フェニックスは5月中旬、廃棄物受け入れに向けた会議を開き、大阪府市と兵庫県、神戸市の意見を聴いた。この際、兵庫県は焼却灰1キロに含まれるセシウムを100ベクレル以下にするよう提案。同月19日に開かれた広域連合の会合で、他府県に示した。兵庫県側は、漁業への風評被害への懸念を理由に挙げている。

 これに対し、大阪府は猛反発。府が昨年12月に専門家会議で決めた「1キロ2千ベクレル以下」よりはるかに厳しく、広域連合も今年3月、府の基準を統一基準として採用していたためだ。





■神戸 震災がれき問題 最終処分場の焼却灰受け入れに反対
http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE120601111800573928.shtml
2012年06月02日(土) 00時19分

震災がれきの受け入れをめぐり、神戸の市民団体が大阪湾の最終処分場「フェニックス」に対し、焼却灰を受け入れないよう申し入れました。

神戸の市民団体のメンバーは1日朝、「フェニックス」を管理する大阪湾広域臨海環境整備センターを訪ね、受け入れ反対を申し入れました。

「フェニックス」は大阪湾に浮かぶ最終処分場で、震災がれきを受け入れた場合、焼却灰の埋め立て候補地となっています。

市民団体は「健康への影響について不明な点が多く、安全が確保されていない」と主張しています。

「関西の環境を守れるかどうかというのは『フェニックス』さんの意向にかかっているところがあります」(市民団体のメンバー)

フェニックス側は「申し入れ内容ついて検討したい」とコメントしています。
(06/01 12:26)




■米国講演:大阪がれき焼却灰埋め立て3案について 「どんな形でも受け入れてはいけません」小出裕章
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65804725.html
2012年05月10日14:28

2012年5月9日(水)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。ニューヨークでの講演と、大阪府市のがれき受け入れ、特に瓦礫の埋め立てについて言及しています。


▼20120509 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65804725.html


=====(文字おこし、ここまで)

水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんです。小出さん、こんばんは」

小出「こんばんは」

水野「よろしくお願いします」

小出「よろしくお願いします」

水野「そして東京には近藤さんですー」

近藤「はい、よろしくどうもー」

小出「はい。近藤さん。お久しぶりです。よろしくお願いします」

近藤「まあ、恐れいりまーす。どうもー」

水野「えー、小出さんはアメリカに行ってらしたというふうに聞いております」

小出「はい」

水野「え、3.11以降、データのある場所にいておきたいんだとおっしゃっておりましたけど」

小出「はい」

水野「1年少し経って、やっとアメリカにまあ招かれていたのを、いけるようになられたんだと思うんですが」

小出「はい」

水野「あちらで、まあいろんなかたともお会いになったでしょう、1番、印象に強く残ったのはどんなことでしたですか」

小出「(笑い)、えー、私は米国という国が大嫌いなんです」

水野「ええ」

小出「で、行きたくなかったのですけれども」

水野「はい」

小出「まあ、あの、米国に行ってみても、やはりそこに生きてる人は、みんな、おんなじ人間だと」

水野「うん」

小出「朝起きて、ご飯を食べて、子供を育てて、」

水野「はい」

小出「みんな苦労をしながら生きてる人が、そこにいるということを、改めて、思いました、はい」

水野「うん…この日本の放射能については」

小出「はい」

水野「あちらの方々どんな見方をして、いらっしゃいますか」

小出「はい。えー、それはですね。(ため息)事故が起きてから、日本の政府、マスコミが、様々な情報を流してきたわけですけれども。その情報が、世界で流されている情報と乖離があった」

水野「ほお!」

小出「と思います。で、世界…の方々は、日本政府が流している情報を、どんどん信じら…信じることができなくなってきたと、いうことになっていて。いったいホントはどうなのかということで」

水野「ああ」

小出「大変困っておられたんだなと、いうことを改めて思いました」

水野「はあ…。アメリカのほうが、より、実態に近いものを、伝えていたんです…か?」

小出「そうですね。え…事故が進行していた時に」

水野「はい」

小出「ま、人類が初めて経験するような事故だった、わけで。え…どんなふうにこの事故が進展するか、わからない。わからないまま、例えば原子炉建屋が爆発していくというようなことがあったわけで。たいへんみんな不安に思っていた、のですね。え…その時に日本の政府は、ただただ大丈夫だ」

水野「ええ」

小出「大したことがないというような情報を流し続けていたわけですが。もちろん、そんなことはないわけで。みんな世界中が不安に思っていた。そして米国にしても、50マイル以内の米国人は全部逃げろという指示を出していた」

水野「うん」

小出「わけで。え…そういう世界での認識と日本での情報の流れ方が、違っていたと、いうことは、…大変まあ皆さんに対して重荷を負わせたんだと思います」

水野「はあ。シカゴでも、講演なさったと聞いてますけれども」

小出「(笑)はい」

水野「このシカゴという街は、原子力にとっては歴史的な場所なんですってね」

小出「そうです。え…米国がナチスに対抗して原爆を作らなければいけないと決意を、しまして。その原爆を作るためには原子炉を作らなければいけないと、まず思いました」

水野「はい」

小出「みなさんは、日本の皆さんは、原子炉というと原子力発電と、」

水野「ええ」

小出「思うかもしれませんが。もともと原子炉というのは、原爆の材料にするプルトニウムをどうやって作ることができるかということで作られた、ものなのです」

水野「ああ、もともと電力を作るために考えだされたものではない」

小出「はい」

水野「はあ、兵器のための、プルトニウムを生成するための原子炉」

小出「そうでした。はい。で…その人類初の原子炉が動いたのが、シカゴ大学、のフットボール場があったのですが。」

水野「ええ」

小出「その観客席の下にちょっとした巨大な空間がありまして。そこで、初めて原子炉が動き出したという、そういう歴史があった、街です」

水野「はあ……。じゃあそこで取り出されたプルトニウムが、結局は原爆…として使われたことになるわけですよね」

小出「はい。ただあのシカゴ大学でできた原子炉は、いわゆるおもちゃのような原子炉で。ようするに原子炉というものができるかどうかという、そのことすらわからなかった、わけで。ようやく原子炉が動くということがそこで分かった」

水野「う~ん」

小出「そこであの…後はプルトニウムを作るための原子炉は、ワシントン州のハンフォードというところに、巨大な原子炉を、作って、初めて、取り出すことができました」

▼ハンフォード・サイト - Wikipedia

水野「はぁああ。原子力がどういう形でこの世に存在し始めたかっていう歴史を見ると、それは戦争だったってことですね」

小出「そうです。それで私にとってはまあ自分が歩み始めた原点なわけですから、一度は行ってみたいと思っていました。」

水野「はあ。そこで、どんなメッセージを送られたんですか」

小出「はい。まああの日本というこの国が、いま福島原子力発電所の事故に直面しているわけですが。それがどういう内容なのかということと、日本というこの国が、どのように原子力に関わってきてしまったか、っていうことを聞いていただいて。やはり、原子力は放棄すべきだという話を聞いて頂きました。」

水野「さて、帰ってこられたら大阪で、今、注目されている問題の1つがですね」

小出「はい」

水野「瓦礫の処理です」

小出「はい」

水野「これにつきまして、大阪府と大阪市が、え…震災瓦礫をですね、此花区にある人工の島であります夢島で、焼却した灰を埋め立てて処分すると、いう方針を固めた模様です。」

小出「はい」

水野「この、焼却した灰を埋め立てるということについて、どうお感じですか」

小出「やってはいけません」

水野「ふうむ」

小出「はい」

水野「これは、小出さんはやってはいけないとおっしゃって、いた、んですが」

小出「はい」

水野「でももう、環境省と最終調整に入った模様なんです」

小出「はい」

水野「で、具体的な方法を環境省がいくつか提示しております」

小出「はい」

水野「え…1つずつ、どういう意味なのか教えていただきたいんですが」

小出「はい」

水野「まず1つが、焼却灰を処分地に『直接』埋め立てる」

小出「はい」

水野「これはどうですか」

小出「いけません」

水野「……まったくいけません?」

小出「はい!」

水野「はい、では…『セメントで固めた灰』を埋め立てるこれはどうですか」

小出「いけません」

水野「…なんでセメントで固めてもダメなんですか」

小出「放射性物質というのは、発生した現場にとことん閉じ込めるということが原則であって。もともと福島のもの、福島あるいは汚染地のもの、を大阪に持ってくるというそのこと自身がいけないのです、やっては。はい。で、やってはいけないし、出てきたその、焼却灰というものは放射性物質を濃縮していますので、それをそれぞれのとこで受け入れるなんてことを、引き受けてはいけないのです。…元のあった場所に戻して一括して責任をもってお守りをするということをやらなければいけないのです」

水野「ええ」

小出「どんな形でも受け入れてはいけません」

水野「灰は受け入れてはいけない」

小出「はい」

水野「どんな形でも駄目だとおっしゃいましたが」

小出「はい」

水野「今の案でですね、セメントで固めるのはコスト的に高いから、1番有力だと見られているのは、『ゼオライトを使う』案だそうです」

小出「ふふふ。はい」

水野「これは、放射性セシウムを吸着させる…」

小出「はい」

水野「ゼオライトをまず敷いて、」

小出「はい」

水野「その上に、灰を埋め立てるという案です」

小出「はい。あの、何がしかは効果がもちろんあります。ゼオライトにはセシウムが吸着するという性質がありますので、何がしかは効果があるし、セメントに固めてしまえば、セメントが崩れ落ちるまでは、何がしかの効果が、あります。しかし、本当はだからそんなことはやってはいけない。原理・原則ということはやはり今、考えていただきたいと私は思うし。本来であれば…それぞれの場所に焼却施設を作って、そこで焼くということを、政府にやらせなければいけないのです。」

水野「ええ」

小出「なんでそれをやらせないままに、それぞれに自治体が安易に引き受けてしまうのか、私にはまずそれがわかりません」

水野「ふうーん。確かですね、2月頃でしたか、大阪維新の会の方たちが、小出さんのところに大勢で出向かわれて、」

小出「そうです」

水野「この瓦礫の処理の話、聞かれたんじゃないんですか?」

小出「そうです。あの、私はその時にも、今聞いていただいたように、原則は現地でちゃんと処理をして、焼却施設を作ってそこで焼くことだと私は聞いて頂きましたし。でも、今のような無策な政府がある限りは、仕方がないから全国の施設で引き受ける」

水野「焼くことについてはですね」

小出「はい。」

水野「引き受けるとしても」

小出「はい。焼く可能性はあると言いましたし、焼く場合も、ちゃんと、環境に放射性物質をばらまかないような、フィルターをきちっと付けなければいけない。そして出てきた焼却灰は、現地に返さなければいけないと、いって、維新の会の人たちにもう、本当にあの、何度も何度も言ったつもりです。」

水野「皆さん反応いかがでした?」

小出「ええ、まあ、私がいた…場所ではみなさん聞いて下さっていた、ようでしたけれども。え…今のような結末になるのだとすれば、なん、何を聞いて下さっていたのかなと、思います」

水野「近藤さ~ん」

近藤「はい」

水野「いかがですか」

近藤「うーん。それは…先生、が言っている意見が通らなかったというのは、大阪の、維新の会の、人たちをコントロールするもっと偉い人がそういう考え方だっちゅうことなんですかねえ」

小出「多分そうだと思います」

近藤「うーーーん……。」

水野「そうですか。もう、ゼオライトで行く分かは効果はあるけれども。まあ、抜本的なところの考え方が方向性が違うというふうな、小出さんのお考えですよね」

小出「そうです。」

水野「うーん。このまま行ってしまうんでしょうか。大阪府と市は国と調整をしているようです。どうもありがとうございました」

小出「ありがとうございました」

近藤「どうもー」

小出「どうもー」

水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに伺いました。」

=====(文字おこし、ここまで)





■【コラム】 【ドイツ】放射性廃棄物の回収へ向けた試験的作業が開始!
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0603&f=column_0603_005.shtml
2012/06/03(日) 05:18 サーチナ
     
ドイツ・ニーダーザクセン州にある老朽化したアッセ放射性廃棄物貯蔵所から核廃棄物を回収すべく、1日から試験的作業が開始された。現段階で回収そのものが可能かどうかは、不明である。フォークス誌オンライン版が1日、報じた。

ドイツ連邦放射線防護庁(BfS)によると、岩塩の採掘坑であったアッセには、地下750mに約46,930?の放射性廃棄物が12万5,787本の容器に保管されている。そこに毎日1万2000リットル前後の地下水(塩水)が浸水。技術的に容器の回収が困難になる危険性がでてきた。

そこで、どのような状況か調査するために、第7貯蔵室が掘削されるのである。また、老朽化によりアッセの一部が崩壊の危機にあり、坑道の天井の岩が崩れ落ちる可能性にも脅かされている。

最悪の場合、回収作業の開始は2036年から

旧岩塩鉱山での作業は原子力法の下、厳しい要件を満たさなければならない。回収が可能でも数十億ユーロのコストが必要になる。さらに、すべての13貯蔵室の掘削、放射性廃棄物の中間貯蔵施設の確保等多くの問題が立ちはだかっている。

これらの理由から、回収作業の開始が24年後の2036年まで引き延ばされるかもしれない。

ドイツ連邦放射線防護庁(BfS)は、回収の他に2つのオプションについても検討した。1つは、同鉱山のより深い地層への処分。2つ目は、特殊なコンクリートによる埋め戻しである。これらの代替方法では、放射性廃棄物は現在の場所に留まることになる。


アッセ放射性廃棄物貯蔵所
http://news.searchina.ne.jp/2012/0603/column_0603_005.jpg

アッセⅡ鉱山では1909年から1964年までの間、炭酸カリウムと岩塩が採掘された。1967年から1978年まで低中レベル放射線廃棄物が貯蔵された。もともとはそこに最終処分場が検討されていた。同貯蔵所は、環境省内のドイツ連邦放射線防護庁(BfS)の管轄下にある。

(情報提供:ネット選挙ドットコム)