2012年10月9日火曜日

■学校って、必要なの?


学校って、必要なの?
雑誌『En Rich』での内田樹氏のインタビュー③
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=269399
 
-その意味でも「責任を取る」というのは大きな祈りの言葉ですね。武道でいうと、予見的な身体能力といいますか、先ほどの、相反するものを同時にやったときに非常に高いパフォーマンスが出ることにつながるかと思うのですが、そういった知恵を、学校教育をはじめ身近なところに落とし込む手法はないものでしょうか。

今の学校教育というのは、子どもたちを競争させて、数値的にランクづけをしている。
相対的優劣を競わせて、勝者に褒美を、敗者に罰を与えれば人間はその能力を開花させるという「競争信仰」が学校を覆い尽くしていますけれど、これは現場の実感からすると、まったく非現実的なことです。

競争させても、学力なんか伸びません。逆に、どんどん劣化してくるんです。

僕が合気道という武道を通じて教えているのは、「生きる知恵と力」をどう伸ばすかということです。武道では強弱勝敗巧拙を論じません。他者との相対的優劣は問題じゃないんです。競争相手がいるとしたら、それは「昨日の自分」です。昨日の自分よりどれくらい感覚が敏感になったか、どれくらい動きが冴えたか、どれくらい判断力が的確になったか、そういうところを自己点検することが稽古の目的であって、同門の誰より技が巧いとか、動きが速いとかいうことには何の意味もないのです。

競争というのはルールがあって、審判がいて、勝敗や記録のつけ方が決まっている競争です。武道が設定している状況は、生き死にです。

どこで、何が起きても生き延びる。それが武道修業の目的です。武道的な意味での「敵」とは、自分の生きる力を殺ぐものすべてがカウントされる。天変地異も、病気も老化も家庭不和も仕事上のトラブルも、全部そうです。どれも自分の心身のパフォーマンスを損なう。それがもたらすネガティブな影響をどう抑止するか。それが武道的な課題なんです。

武道はもともと戦技であって、競技じゃない。

戦場に放り込まれたときに、「こんな不利なルールではゲームはできない」とか「こんな弱兵では戦えないから精兵と取り替えてくれ」いうような要請はできません。手持ちの資源でやりくりするしかない。その弱兵たちの才能をどうやって開花させ、能力を最大化させるか、それを考える。それを自分自身の心身について行うわけです。

おのれの潜在可能性を爆発的に開花させるためには、何をすればよいのか。

やればわかりますけれど、才能開発の最大のトリガーは「相互扶助」なんです。
「自分が守らなければならないものがいる」人間は強い。自分の能力の受益者が自分ひとりである人間は弱い。

遭難した場合でも、家で妻子が待っているという人は、独身者よりも生存確率が高いことが知られています。そういうものなんです。

集団もそうです。メンバーの中の「弱い個体」を守るために制度設計されている集団は強い。「強者連合」集団は強いように思えますが、メンバー資格のない「弱い個体」を摘発して、それを叩き出す作業に夢中になっているうちに、集団そのものが痩せ細ってしまう。

競争的な発想をすると、修業の目的は地球上の70億人全員を倒してチャンピオンになるということになる。

すると、論理的には自分以外の70億ができるだけ弱くて、愚鈍で、無能であることを願うようになる。できれば、この世界にいるのが自分ひとりで、あとは全部消えてしまうことを願うようになる。
武道の目的はそれとは逆です。地上の70億人全員が武道の達人になることが目標だからです。
すべての人間がおのれの潜在可能性を開花させ、心身の能力を最大化した状態の世界はどれほど愉快で住みやすいか。

競争的なマインドの人は、つねにどうやったら周りの人間の心身の発達を阻害し、能力を下げることができるかを考える。

閉鎖集団内部での相対的優劣を競う限り、自分の能力を高めることと、他人の能力を引き下げることは同義ですから。日本の場合は、競争原理によって、これにみごとに成功した。その結果、全員が全員の足をひっぱるような情けない社会ができてしまった。
競争は国を滅ぼす。僕はそう考えています。




■大阪府学力テスト:泉佐野、学校別の成績公表 学校・保護者に賛否


大阪府学力テスト:泉佐野、学校別の成績公表 学校・保護者に賛否
http://mainichi.jp/feature/news/20121002dde041100028000c.html
毎日新聞 2012年10月02日 東京夕刊

 大阪府泉佐野市は2日、府教委が今年6月に実施した小中学生対象の学力テストの結果について、市内の全小中学校ごとの平均正答率を公表した。個別の成績の公表は学校の序列化につながるとの指摘があり、文部科学省は「全国で初めてではないか」としている。府教委は同市教委に対し公開しないよう求めたが千代松大耕市長は「正確な情報を公表することが行政の責務」として公表の方針を明らかにしていた。学校現場や保護者の間には賛否両論あり、今後波紋が広がりそうだ。

 学力テストは、府内の小中学生を対象に今年6月12日に実施、同市を含む31市町村が参加した。小学6年生が国語と算数、中学3年生が国語、数学、英語の試験を受け、府教委が今月1日までに、テストに参加した各市町村教委に対し個人の成績や学校ごとの正答率を通知した。

 同市は2日朝から市のホームページ上で成績を掲載。小学校は小規模校1校を除く12校分、中学校は5校分について、科目別の正答率を掲載した。

 公表の方針をめぐっては学校現場に反発があり、市教委が校長会で校長らの意見を聴取。「結果の悪かった学校にマイナスのイメージが生じる」などとする否定的な意見が多かったが、千代松市長は「教育環境の整備や学力向上の取り組みに予算を計上している。学校の学力についての誤った判断や先入観が地域の中にあり、自治体として公正で正確なデータを提供して是正したい。府教委の非公開の方針を踏まえたうえで、首長の判断で公開する」として公表に踏み切った。

 文部科学省初等中等教育局学力調査室は、「府教委や参加自治体が判断すること」と静観の構え。

 府教委の学力テストは10年度から実施。これまでは府全体と市町村別の正答率を公表していたが、「大阪維新の会」が学校別の結果の公表を求めていた。【山田泰正、山下貴史】

 ◇「序列化」批判に反論−−府知事

 泉佐野市が学力テストの全小中学校ごとの平均正答率を公表したことについて、松井一郎大阪府知事は2日、記者団に「情報が学校に伝わるのは良いことだ。結果が低いところにマンパワーも資金も投入できる」と評価。

 学校の序列化につながるとの批判には「序列を隠すことが問題。なぜ低いのかを突き詰め、学力を上げていくのは当たり前。一人一人の子どもにはプラスになる」と話した。



■大阪府学テ結果公表 正答率最大18ポイントの開き


大阪府学テ結果公表 正答率最大18ポイントの開き
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20121003-OYT8T00726.htm
(2012年10月3日  読売新聞)

 大阪府内の小学校6年と中学校3年を対象に実施された府独自の学力テスト「府学力・学習状況調査」の市町村別の結果が1日、公表された。

 平均正答率は最大で18ポイントの開きがあり、各市町村の教育委員会は結果を踏まえ、学力向上の取り組みを検証していく。

 テストは私立を含む32市町村の小学校624校、中学校299校の計9万7780人が参加し、6月に行われた。小学生は国語と算数、中学生は国語、数学、英語で、国語と算数・数学は基礎的なA問題と、応用力をみるB問題がある。公表されたのは、私立を除く市町村別の平均正答率で、小学校は科目によって最大で13~18ポイント、中学校では9~15ポイントの差が出た。昨年度も小学校は7~14ポイント、中学校で10~18ポイントの差があった。

 全科目で府平均を上回った池田市では、外部講師に委託し、自分の意見を発表したり、討論でコミュニケーション力をつけたりする授業を行っている。市教委は「一定の成果が出たが、B問題は、良いとまではいえない」と分析した。

 一方、東大阪市は2009年度から、全小中学校に学力向上に重点的に取り組む教員を配置し、放課後学習などを実施。「まだまだ課題が多いが、学習意欲は向上しており、学力につなげていきたい」とする。

 河内長野市は昨年に比べ、小学校の国語Bが0・8ポイントアップした。本の感想を書く「読書ノート」に取り組んでいるといい、「こうした活動が実を結んだと思うが、もっと基礎と活用をリンクできるような授業を目指す」としている。

 市町村別の結果や児童・生徒へのアンケート結果は、府教委のホームページでも公表されている。





■大阪府下のだんじり祭りで2人重傷


大阪府下のだんじり祭りで2人重傷
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20121008-OYO1T00335.htm
(2012年10月8日  読売新聞)

 7日午後1時5分頃、堺市西区津久野町の市道で、地元のだんじり祭りに参加していた男性(28)が転倒し、路面とだんじり(幅2・5メートル、長さ4・6メートル、高さ3・8メートル、重さ約4トン)の間に挟まれた。男性は数メートル引きずられ、腹などを打って重傷。西堺署によると、男性はだんじりを引き始めた際、転んだ仲間を助けようとして転倒したという。

 羽曳野市栄町では同日午後6時50分頃、地元のだんじり祭りに参加中の女性(18)が、国道166号でだんじりの車輪に足をひかれ、重傷を負った。羽曳野署の発表では、だんじりを引き始めた際に転倒したという。




■学力向上策を予算に反映 大阪・泉佐野市長が表明


学力向上策を予算に反映 大阪・泉佐野市長が表明
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121009/edc12100913090001-n1.htm
2012.10.9 13:07

 大阪府泉佐野市の千代松大耕市長は9日の記者会見で、同市立すべての小中学校に対し、府独自に実施している学力テストでの平均正答率の目標値と、それを達成するための学力向上策を10月中に各校に提出させ、2013年度の当初予算編成に反映させる方針を明らかにした。

 市長は「提出しない学校はやる気がないと判断する」とした上で、「目標を明確に定め、それに向け取り組む姿勢を示してほしい」と話した。




2012年8月2日木曜日

■準強姦:容疑で警官逮捕…少女に酒飲ませ暴行 大阪府警

[追加:ニュース動画]
http://youtu.be/bUzmXOYqr10



■大阪府警巡査長性的暴行事件 少女「無理やりやられた」
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00228727.html
08/02 15:23 FNN

大阪府警の巡査長が海水浴場で少女に酒を飲ませ強姦(ごうかん)したとして逮捕された事件で、少女が「無理やりやられた」と話していることがわかった。
大阪府布施警察署の地域課の巡査長・永田昌也容疑者(27)は7月31日、大阪・貝塚市の二色の浜海水浴場で、10代の専門学校生の少女に酒を飲ませ、強姦したとして1日に逮捕された。
調べに対し、永田容疑者は、行為については認めているものの、「無理やりやったわけではない」と容疑を一部否認している。
しかし、その後の調べで、少女が一緒に遊びに来ていた友人らに、「無理やりやられた」と話していたことがわかった。
また、永田容疑者と海水浴場に来ていた同僚警察官2人が、少女の友人に胸を触るなどのわいせつな行為をしたこともわかっていて、警察は、2人についても準強制わいせつの疑いで捜査している。




■巡査長、海水浴客の中で強姦?遮るものなく複数の目撃者
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/08/03/kiji/K20120803003822930.html
[ 2012年8月3日 06:00 ]

海水浴場で知り合った少女を泥酔させて乱暴したとして、大阪府警布施署地域課の巡査長永田昌也容疑者(27)が準強姦(ごうかん)容疑で逮捕された事件で、多数の海水浴客らが周りにいる中で乱暴していた疑いがあることが2日、府警への取材で分かった。

巡査長がゴムボートを置いて乱暴した疑いがある砂浜は、周囲に遮るものがなく、複数の海水浴客が乱暴する様子を目撃していた。一緒に海水浴場を訪れていた男性巡査(23)が「巡査長に“やりすぎないように”と声を掛けたが、聞いていなかった」と供述していることも判明。府警は目撃者らから話を聞き、詳しい状況を調べている。

通報した地元観光協会によると、通行人が「トラブルになっているから警察を呼んでくれ」と差し迫った様子で駆け込んできたという。

府警によると、貝塚署員約10人が駆けつけ、現場で永田容疑者らから事情を聴いた後、任意同行した。

少女は泥酔状態だった。同署員が「急性アルコール中毒のような女性がいる」と救急搬送を要請。地元消防が病院へ運んだが急性アルコール中毒とは診断されなかった。





■警官準強姦 少女「複数の酒飲まされた」
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120802-OYO1T00836.htm

大阪府警布施署地域課巡査長・永田昌也容疑者(27)が、海水浴場で少女に酒を飲ませて性的暴行をしたとして、準強姦(ごうかん)容疑で逮捕された事件で、被害者の少女が事件前の一気飲みについて、「泡盛など複数の酒で、友達2人と何回かさせられた」と話していることがわかった。永田容疑者は、少女らと出会ってから約30分後に犯行に及んでおり、府警は当初からわいせつ目的で飲ませた可能性があるとみている。

捜査関係者によると、永田容疑者と同課の同僚4人(22~30歳)は7月31日午後3時30分頃、同府貝塚市の二色の浜海水浴場で専門学校生の少女3人と出会い、一緒に泡盛や梅酒、カクテル、リキュールなどを一気飲みした。その際、警察官とは名乗らなかった。

現場付近には当時約300人の海水浴客がいた。

目撃者の男性(29)によると、永田容疑者らは事件前、別の女性らと遊んでいたが、この女性らが帰った後、少女3人と合流。「一気コール」を繰り返し、酒をついだコップを少女らの口に近づけて飲ませ、抱きついたりキスしたりしていた。

同4時頃には被害者の少女が泥酔して立てなくなり、永田容疑者は砂浜に置いていたゴムボートへ連れて行って寝かせた。同僚らも制止しなかったという。この後、性的暴行に及んだらしく、男性は「強引なことをするので大丈夫かと思っていたが、まさか警察官だったとは」と驚いていた。

目撃者の通報で貝塚署員が駆けつけた際、永田容疑者はそれほど酔ってはいなかったといい、調べに「申し訳ない。でも無理やりではない」と泣きながら供述しているという。



永田容疑者らの勤務先の布施署(東大阪市)では、2日の朝礼で、洲崎裕署長が署員に事件の経緯を説明し、綱紀粛正を指示。榎原章人副署長は読売新聞の取材に「監察室が調べており、私からは何も言えない」と話した。府警にはこの日午前8時半までに、事件に関する苦情や抗議の電話が約30件寄せられたという。

(2012年8月2日  読売新聞)




■大阪府警の警官が集団で性的暴行
http://news.mynavi.jp/c_cobs/news/yukanga/2012/08/post-701.html
[2012/08/02] マイナビニュース

大和警察署(神奈川県大和市)の男性警察官4人が同僚の女性警察官に対して、集団でセクハラを行った事件がメディアで報じられたが、また警察官による性的な事件が発生した。酒に酔った少女に性的暴行を加えた容疑で、警察官A(27)が逮捕されたのである。

2012年8月21日付の毎日新聞によると、事件が起きたのは大阪府貝塚市の海水浴場。大阪府の布施警察署に勤務している警察官Aは、「同僚警察官4人(22~30歳)と海水浴場に行き、少女ら3人と知り合った」。そして、彼らは「少女に酒を一気飲みさせて泥酔させ、ボートに寝かせ」、警察官のうちの1人が少女に性的暴行を加えたのである。

警察官Aは準強姦の容疑で逮捕され、一緒に海水浴場へ行った警察官2人も、「他の少女1人をボートに乗せ、海上で胸を触るなどした」ことから準強制わいせつの疑いで警察に調べられている。

ちなみに、彼らの容疑には「準強姦」「凖強制わいせつ」といずれも「準」の文字が付いている。これは、女性をまともな判断ができないような心の状態にしたり、抵抗ができない状況の中で「強姦」や「強制わいせつ」を行った場合、それらの罪の頭に「準」を付けるという刑法のルールに基づく。

つまり、警察官Aは10代の少女を強姦し、他の警察官2人は別の少女にわいせつな行為を行ったが、彼らはその行為を少女らを泥酔させた上で行ったので「準」という文字が付いているにすぎない。一般的に「準」といえば、「正式なものに次ぐ」とイメージしがちであることに注意したい。

大阪府警は、「警察官として言語道断の行為で、極めて遺憾だ。被害者の方におわびを申し上げるとともに、厳正に対処する」とコメントしている。こうなってくると、警察官による性的な事件は全国各地で起きており、たまたまそれをメディアが報じていないのではないか、などとうがった見方をせざるをえなくなる。

いや、そう思われても仕方のないような雰囲気が、いまの警察にはある。しかし、警察官による性的な事件がこれだけ頻発しているのだから、神奈川県警やら大阪府警が謝罪したり対処して済む問題ではなかろう。事は、警察庁が対処すべき段階にまで発展していると思うのだが……。

おそろしいのは、神奈川と大阪の事件ではいずれも、「複数」の警察官が関与しているという事実である。セクハラをしている警察官がいて、それを見逃す警察官がいる。強姦をしている警察官がいて、それを見逃しながら自分も強制わいせつをする警察官がいる。

「セクハラ」や「強姦」という言葉を、「殺人」や「強盗」などに入れ換えてみる。すると、事件の深刻さが浮き彫りになる。警察とは、誰のために、何のために、存在するのか。そんなことを考えさせられる今日この頃である。(谷川 茂)




■準強姦:容疑で警官逮捕…少女に酒飲ませ暴行 大阪府警
http://mainichi.jp/select/news/20120802k0000m040115000c.html
2012年08月01日 毎日新聞 

大阪府貝塚市の海水浴場で酒に酔った10代後半の少女に性的暴行を加えたとして、府警は1日、準強姦(ごうかん)容疑で府警布施署地域課巡査長、永田昌也容疑者(27)=同府箕面市今宮3=を逮捕した。永田容疑者は「無理やりやったわけではない」と容疑を否認している。

逮捕容疑は先月31日午後4時ごろ、貝塚市の「二色の浜海水浴場」の砂浜に置いたゴムボートの上で、泥酔した専門学校生の少女に性的な暴行を加えたとしている。

府警によると、永田容疑者は布施署の同僚警察官4人(22〜30歳)と海水浴場に行き、少女ら3人と知り合った。永田容疑者は少女に酒を一気飲みさせて泥酔させ、ボートに寝かせたという。周囲には他の海水浴客がおり、目撃者が「女性がいたずらされている」と通報。駆け付けた警察官が永田容疑者に事情を聴いていた。永田容疑者は07年4月に採用され、現在は東大阪市内の交番で勤務している。




■警官、少女酔わせ準強姦容疑 大阪府警逮捕、同僚も疑い
http://www.asahi.com/national/update/0802/OSK201208010184.html
2012年8月2日2時30分

海水浴場で10代後半の少女を酒に酔わせて強姦(ごうかん)したとして、大阪府警は1日、府警布施署(東大阪市)の地域課巡査長・永田昌也容疑者(27)=大阪府箕面市今宮3丁目=を準強姦容疑で逮捕した。海水浴場に一緒に行った同僚署員2人が、少女の知人にわいせつな行為をした疑いもあり、準強制わいせつ容疑での立件を視野に調べている。

府警監察室によると、永田容疑者は7月31日午後4時ごろ、大阪府貝塚市の二色の浜海水浴場で、専門学校に通う10代の少女=府内在住=に酒を飲ませ、泥酔させたうえで、浜辺に置いてあったボートで強姦した疑いがある。永田容疑者は「無理やりしたわけではないが、そういう行為をしたことは間違いない」と、一部否認しているという。

永田容疑者は、22~25歳の巡査3人と、30歳の巡査長の計5人で31日午前10時ごろ、海水浴場に遊びに来た。いずれもこの日は休みだった。バーベキューをして酒を飲んだり、女性に声をかけたりしたあと、被害少女を含む専門学校生の少女3人のグループと知り合った。うち少女1人は「一緒に写真を撮ろうと(警察官に)話しかけた」と、府警に説明しているという。



2012年7月28日土曜日

■大阪・貝塚、自殺高校生が15万円支払う念書

■15万円支払う念書書かされる 大阪の高校生自殺 
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2800F_Y2A720C1000000/
2012/7/28 16:43

大阪府貝塚市で昨年10月、同府泉佐野市の定時制高校1年川岸朋之さん=当時(18)=が自殺した問題で、川岸さんが中学の同級生の少年に現金15万円を支払うとする念書を書かされていたことが28日、捜査関係者への取材で分かった。

府警は、恐喝事件の可能性もあるとみて調べたが、少年は「飲食代として2万円を貸しただけで、実際に支払ってもらっていない」と説明。裏付けできる預金口座からの金の出し入れや証言がなく立件できなかった。

捜査関係者などによると、念書の日付は亡くなる約10日前の昨年10月15日。2010年7月半ばに、川岸さんが少年から現金2万円を借り、「2万円と(支払いから)逃げていた約13カ月間を(利子)月1万円として(少年に)誠意を見せます」という趣旨の記載があった。

川岸さんは携帯電話に、この少年と同じグループに属する同じ高校に通っていた少年を名指しして「呪う」としたメモや、「3万8千円は払えない」というメモを残して自殺した。〔共同〕





■自殺高校生、いかさまトランプで15万円借用書
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120728-OYT1T00734.htm
(2012年7月28日14時57分  読売新聞)

大阪府貝塚市で昨年10月、同府泉佐野市在住の定時制高1年・川岸朋之さん(当時18歳)が自殺した問題で、川岸さんが死の約10日前、いじめの加害者とされる男子高校生らのグループに15万円の借用書を書かされていたことがわかった。

賭けトランプに負けたためとの名目だったが、友人らは「いかさまだった」と証言。府警は、根拠のない借金を理由に金を脅し取られていた疑いがあるとみている。

川岸さんの父親(42)によると、借用書は昨年10月15日付。グループの1人の専門学校生に宛て、「2万円を借りました。金に余裕がなく、本日まで約13か月間逃げました。2万円プラス(利子として)1か月当たり1万円の誠意を見せます」と記し、指印もあった。




■自殺高1男子メモ残していた「3万8000円は無理や」
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/07/28/kiji/K20120728003776330.html
2012年7月28日 06:00 

自殺した男子生徒の携帯電話に残っていたメモ 

大阪府貝塚市で昨年、同府泉佐野市の定時制高校1年の男子生徒=当時(18)=が自殺した問題で、男子生徒が携帯電話に「自殺の動機がこれってだいぶ情けないな。16日までに3万8000円は無理や(払えない)」などとメモを残していたことが27日、捜査関係者への取材で分かった。

府警はメモの内容からこれまで恐喝容疑で捜査していたが、具体的な証拠がなく立件を断念。男子生徒の友人らから「ひったくりを強要されていた」との新情報が得られたことから、強要容疑を視野に再捜査を始めた。

遺族などによると、男子生徒は川岸朋之さん。ひったくりを強要した疑いがあるとされる少年らは、川岸さんの中学の同級生だった。捜査関係者によると、少年らのうち1人が「川岸さんに金を貸した」と話していることも判明した。




■大阪少年自殺「以前ひったくり強要訴えた」
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5092569.html
2012.07.28 11:49  TBSニュース

大阪府貝塚市の少年が自殺した問題で、今年1月に少年の父親がひったくりを強要されていたと警察に訴えたにもかかわらず、警察が捜査を打ち切っていたことがわかりました。

大阪府の定時制高校に通っていた川岸朋之さん(18)は去年10月、貝塚市内の空き地で首をつって自殺しました。朋之さんの携帯電話には、金の要求など、元同級生(18)からのいじめをうかがわせる内容が書かれていましたが、去年12月、証拠不十分で捜査は打ち切られました。

警察は26日になってひったくりを強要していたとの新証言が得られたとして捜査を再開させましたが、少年の父親は捜査が打ち切られた直後の今年1月からこの事実を警察に訴えていたことが分かりました。

「ひったくりという件が出てきたという話を(警察は)しているが、僕としては前から言っているのに取り扱ってくれなかった経緯がある」(朋之さんの父親)

元同級生は別の傷害事件などで逮捕され、現在少年院に収容されていて、警察は改めて事情を聴く方針です。




■「残りは明日食べる」と言い残し 大阪・貝塚の高1自殺 
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120728/crm12072813520006-n1.htm
2012.7.28 13:51

大阪府貝塚市で昨年10月、定時制高校1年の川岸朋之さん=当時(18)=が自殺した問題で、取材に応じた朋之さんの父親(42)が「当初は自殺の理由が分からず、自分を責めた。今は息子に金を払い続けさせた加害者を許せない」と胸の内を明かした。

「遊びに行ってくる。残りは明日食べる」。父親が息子と交わした最後の言葉だった。自殺した昨年10月26日夜。川岸さんは出前のすしを食べ残して外出。だが、息子は帰ってこず、翌日の昼、府警から遺体発見の連絡を受けた。

父子2人暮らし。年ごろだから普段は多くを語らない息子だった。それでも、自殺する理由に思い当たる節がまったくなかった。

2カ月後、府警から捜査終結の連絡があった。そのときに初めて携帯電話の遺書を見せられた。恐喝をうかがわせる内容のほかに、同級生の名前と「呪う」「殺す」などの文字。府警は「証拠が不十分で立件できない」と説明したが、納得できなかった。

その後、息子の友人らの協力を得て、同級生にトランプで負けた金を支払わされ、ひったくりまで強要されていたことが判明した。こうした状況を府警に伝え、改めて捜査を依頼。今月25日に再捜査を告げられた。朋之さんの死から約9カ月がたっていた。

「やっと警察が動いてくれた」。再捜査が開始された26日、父親は息子の遺影に「ようやく一歩前進した」と語りかけたという。



川岸朋之さんの友人(18)らによると、川岸さんに金を要求しひったくりを強要していたとされるのは、遊び仲間のリーダー格の同級生2、3人。友人は「川岸さん以外の仲間十数人にも同じように金を要求していた」と証言する。

府警などによると、携帯電話に実名が記された同級生(18)は今年2月、別の少年に対する恐喝や傷害容疑などで大阪府警に逮捕された。別の専門学校生の同級生(18)も5月にオートバイを盗んだとして窃盗容疑で逮捕。2人とも現在は少年院に収容されているという。





■「呪ってやる」とメモ 高校生いじめ自殺で大阪府警が再捜査 少年ら3人、ひったくり強要の疑い
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120727/crm12072714220014-n1.htm
2012.7.27 14:20

大阪府貝塚市で昨年10月、高校1年の男子生徒=当時(18)=が「金が払えない」とメモを残して自殺していたことが27日、貝塚署への取材で分かった。大阪府警は同日までに、当時同じ高校に通っていた少年ら3人がひったくりを強要したとして、強要容疑で捜査を始めた。

貝塚署は高校生の自殺を受け、別の恐喝容疑で捜査していたが、金のやりとりを裏付ける具体的な証拠が残っておらず、立件を断念し、今年2月末までに捜査をいったん終えていた。新たに強要容疑が浮上したため、府警は捜査を再開した。

貝塚署によると、高校生は昨年10月27日、貝塚市内で首をつって死亡しているのが見つかった。携帯電話に残したメモに、3人のうち同じ高校に通っていた少年を名指しし「呪ってやる」などと書かれていた。

自殺した高校生の父親は取材に「(自殺から)9カ月たっているが、一歩前進だと思う」と話した。




■「一生金ヅルはしんどい」 大阪18歳自殺、盗み強要か
http://www.asahi.com/national/update/0728/OSK201207280003.html
2012年7月28日12時3分

「お父さん1人にしてごめんな」。自殺直前に携帯に残したとみられる遺書(画像の一部を加工しています)
大阪府貝塚市内で昨年10月、定時制高校1年の少年が自殺した問題で、少年が専門学校生の元同級生(18)からの命令で、ひったくりをさせられていたことがわかった。目撃した少年の友人(18)が取材に応じた。別の友人によると、もう1人の元同級生(18)からも「ひったくりして金を取ってこい」と強いられていた。府警は強要や窃盗教唆の容疑で調べる。

少年は、大阪府泉佐野市内の定時制高校1年だった川岸朋之(ともゆき)さん(当時18)。

専門学校生は5月、オートバイを盗んだとして窃盗容疑で府警に逮捕された。川岸さんが携帯電話に残した遺書で名指しされた、もう1人の元同級生も2月、ほかの少年への恐喝容疑で逮捕されている。府警は、この2人が中心となって川岸さんにひったくりを強要していたとみて事情を聴く。




■大阪・高1自殺:父親が「対応遅すぎる」と府警に不満
http://mainichi.jp/select/news/20120728k0000m040154000c.html
2012年07月27日 毎日新聞 

大阪府貝塚市で昨年10月、府立高定時制1年の川岸朋之さん(当時18歳)=同府泉佐野市=が自殺した問題で、父親(42)と友人らは27日、川岸さんの名前を公表して報道陣の取材に応じ、小中学生時代の元同級生がいじめた疑いがあるとして再捜査を始めた府警の対応に不満を示した。府警は「ひったくりを強要されたとの新事実が家族から寄せられた」と理由を説明したが、父親らは「以前から話しており、対応が遅すぎる」と指摘した。

父親によると、川岸さんは自殺直前、元同級生らから3万円を要求され悩んでいた。数年前からトランプゲームなどの賭け事を強要され、少なくとも約70万円を支払ったという。川岸さんの携帯電話には遺書が残され、「一生金ヅルはしんどい。俺は金に殺された」と書き込まれていた。元同級生を名指しして何度も「呪う」と書かれていたほか、「お父さん1人にしてごめんな。長生きしてな」などとも記されていた。



2012年7月12日木曜日

■8千万円着服の阪南市社協職員を懲戒解雇  大阪

8千万円着服の阪南市社協職員を懲戒解雇  大阪府
http://news24.jp/nnn/news8894665.html
7/11 18:47 読売テレビ

大阪府阪南市の社会福祉協議会の事務局長代理の男性職員(38)が、寄付金などの積み立て金を着服していた問題で協議会は11日、職員を懲戒解雇にした。

先月25日、匿名の通報で寄付金などの積み立て金を男性職員が着服していたことが発覚した。協議会によると、この職員は協議会が保有する寄付金などの定期預金を解約するなどして、去年2月から先月までの1年5か月間で約8500万円を着服。

元職員は協議会の調査に対し「未公開株などの儲け話に乗って失敗した」と着服を認めているという。

これを受け協議会ではきょう付けで職員を懲戒解雇し、近く業務上横領の罪で大阪府警に刑事告訴する方針。



[チアラのコメント]

ま、ひとこと言わせていただければ、アホ!
人に迷惑かけるな!
で、どう考えても、今時、そんなオイシイ話はどこにもおまへんで。
ちと、考えれば分かるものを‥。
ま、ま、檻の向こう側で、じっくり反省するこってすな。



2012年7月7日土曜日

■南海トラフ地震 夜間発生なら最大40万人死亡 昼間で12万人


■南海トラフ地震 夜間発生なら最大40万人死亡 昼間で12万人
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/120706/wlf12070622000015-n1.htm
2012.7.6 21:59 [地震・防災]

 東海・東南海・南海地震の被害想定と対策を検討している中央防災会議「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」の取りまとめ役の河田恵昭・関西大教授は6日、大阪市内で行われた講演後に記者会見し、3地震の死者は概算で最大40万人規模になるとの考えを明らかにした。同会議の被害想定などは8月下旬に公表される予定。

 河田教授は「在宅率100%の真夜中に地震が発生すれば、津波による逃げ遅れで死者が最大になる」と説明。在宅率30%の昼間に発生した東日本大震災の死者・行方不明者1万9千人を基準に、同震災が夜間発生していた場合の死者を6万3千人と算出した。

 この推定値を用いて、東日本大震災の被災地人口750万人に対し、その6・3倍にあたる西日本の3地震の死者数を約40万人とした。

 死者数はほとんどが津波によるもので、静岡から高知県までの沿岸部に集中。地震そのものによる死者数は内陸部も含めて約4万人と算出した。

 一方、3地震が東日本大震災と同じ昼間の時間帯に発生した場合の死者総数は12万人とした。

 河田教授は「これらの推定値は過去の経験も含め独自に算出したものだが、中央防災会議が正式に検討している数値とほぼ変わらないようだ」としている。




■南海トラフで試算、地震、深夜発生で40万人犠牲も
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0707&f=national_0707_001.shtml
2012/07/07(土) 00:04 サーチナ
       
 東海沖から四国沖の「南海トラフ」で想定される巨大地震が深夜に発生した場合、死者数が40万人に上る恐れがあるとの試算を河田恵昭関西大教授がまとめ6日、大阪市此花区で開かれた講演会で明らかにした。

 在宅者が3倍以上多い深夜に東海、近畿、四国などの南海トラフ巨大地震で震度6弱以上が想定される地域の人口は、東日本大震災被災地の6・3倍で、死者は計約40万人と推計されるという。
(情報提供:共同通信社)




■“南海トラフ地震”死者40万人に異論!安易に悪い数字言うな
http://news.livedoor.com/article/detail/6734920/
2012年07月07日17時12分 ZAKZAK(夕刊フジ)

 南海トラフでの巨大地震で死者が最大40万人規模になるとした関西大、河田恵昭教授の見解が波紋を広げている。人々が逃げられない真夜中の発生を想定し、東日本大震災の被災地より人口が6・3倍というのが死者40万人説の根拠。あまりに衝撃的な数字に対し、研究者の間には疑問の声も上がっている。

 河田氏は東海・東南海・南海地震の被害想定と対策を検討している中央防災会議「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」の取りまとめ役。6日、大阪市内で行われた講演後の記者会見で死者40万人説を解説した。「在宅率100%の真夜中に地震が発生すれば、津波による逃げ遅れで死者が最大になる」と河田氏。在宅率30%の昼間に発生した東日本大震災の死者・行方不明者1万9000人を基準に、同震災が夜間発生していた場合の死者を6万3000人と算出した。

 この推定値を用いて、東日本大震災の被災地人口750万人に対し、その6・3倍にあたる西日本の3地震の死者数を約40万人とした。

 国立の総合研究大学院大学の神沼克伊名誉教授(固体地球物理学)は、「入り組んだ三陸海岸は避難が難しい一方、地形が複雑ではない高知県の海岸沿いなどでは三陸より容易に逃げられるはず。最近の研究者はとりあえず悪い数字を言っておけばよいという傾向がある。研究者は安易にサイエンス・フィクションを口にすべきではない」と指摘している。

 南海トラフでの巨大地震について、これまで国の中央防災会議では最大死者数が2万5000人と推計している。確かに、死者40万人はちょっと大げさなのか。杞憂に終わればいいが…。



2012年7月6日金曜日

■<路線価>4年連続下落、大都市部は底打ち感…12年分


<路線価>4年連続下落、大都市部は底打ち感…12年分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120702-00000011-mai-soci
毎日新聞 7月2日(月)11時6分配信

 国税庁は2日、相続税や贈与税の算定根拠となる12年分の路線価を公表した。算定時点は1月1日で、東日本大震災の影響が反映された初の数字となった。標準宅地の増減率が平均で前年比2.8%減と4年連続で下落したが、11年分(前年比3.1%減)より下げ幅は縮小し、大都市圏では底打ち感が強まった。

 都道府県別の平均変動率はすべて下落したが、東京、大阪、愛知など23都道府県では下落率が縮小した。路線価日本一は27年連続で東京都中央区銀座5丁目の文具店「鳩居堂」前で、1平方メートル当たり2152万円。4年連続で下落したが、下げ幅は前年の5.2%から2.2%に縮まった。

 大震災で激しい被害を受けた岩手、宮城、福島の3県などでは下落率が拡大した。特に福島県の下げ幅は6.7%減と前年(3.3%減)の2倍に上った。被害実態に合わせて路線価を引き下げる「調整率」は、11年分の路線価では10県で設定されたが、今回は見送られた。ただ、福島第1原発事故に伴う警戒区域(帰宅困難区域などに再編された地域を含む)は、前年に引き続き評価額は「ゼロ」となった。

 東北地方で下げ幅が縮小したのは秋田県だけだった。地域経済に詳しい大和総研の鈴木文彦シニアコンサルタントは「被災地の数値が厳しいのは事実だが、震災の影響だけでなく、郊外化の進展に伴う中心市街地の弱体化も地価下落の大きな要因だ」と話している。

 一方、都市圏を中心に、マンションをはじめ住宅地の回復基調はここ数カ月鮮明になっている。日本不動産研究所の山本博英・企画部副部長は「大都市では住宅地から徐々に回復に向かっており、震災前の状況に戻りつつある」という。



■<大阪市議政調費>大学院入学金、高級椅子…グレー支出続出


<大阪市議政調費>大学院入学金、高級椅子…グレー支出続出
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120702-00000047-mai-pol
毎日新聞 7月2日(月)15時35分配信

 大学院の入学金から高級椅子まで--。大阪市議の政務調査費の領収書には、たびたび問題になってきた親族への家賃支出などが記されていた。昨春の統一地方選で当選し、今回初めて使途が明らかになった「大阪維新の会」の新人議員20人にも、問題視されかねない支出は続出している。

 京都大大学院への入学金(28万2000円)の半額を政調費から支出したのは1期目の維新市議(27)。今春、経営管理教育部に入学した。市議は取材に、「当選後、経済の知識がないことを痛感し、政策力を身に着けたかった。自治体も経営感覚が重要になっている」と話し、授業料も半額支出することを検討しているという。自民市議(45)も大阪市立大大学院の入学金を全額支出した。

 2期目の維新市議(34)は備品への「こだわり」がにじむ。「プレミアムチェア専門店」で購入した高級椅子(6万8000円)を8割計上。英国製サイクロン式掃除機(5万8800円)も8割計上した。また、別の維新市議(34)は、氏名や住所、電話番号などを彫った印鑑3式(約7万9500円)を購入、9割を計上した。

 一方、親族や関係会社の所有物件に事務所を構え、家賃を支出したのは少なくとも自民6人、維新3人の計9人。維新の新人市議(30)は、父が所有するビル内に事務所があり、家賃(月12万円)の6割を支出。2期目の維新市議(45)は、自ら経営する会社の一角を事務所に使い、家賃(月6万7000円)の6割を支出した。

 維新市議団の坂井良和団長は「疑念を招かないよう、2親等以内の親族が所有したり経営したりする物件への支出は、家計が別でも今後認めない」と話し、6月に市議団でルールを作ったことを明らかにした。



2012年7月5日木曜日

■70、80代の老人たちが年商2億円超に成功させたビッグビジネスの物語が映画に!

70、80代の老人たちが年商2億円超に成功させたビッグビジネスの物語が映画に!
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0705&f=entertainment_0705_033.shtml
2012/07/05(木) 17:04
       
老人たちが「葉っぱ」ビジネスを成功させた実話を基にした映画『人生、いろどり』の完成披露試写会が7月4日にスペースFS汐留で行われ、キャストの吉行和子、富司純子、中尾ミエ、そし御法川修監督が舞台挨拶を行った。

同作は、過疎化が進む四国で一番小さな町・徳島県上勝町を舞台に、それまで誰も見向きもしなかった葉っぱを料理を飾る「つまもの」として商品化、年商2億円以上を稼ぎ出すビジネスへと成長させる様子を描写。主戦力となった70代、80代の女性たちが町を蘇らせ、生き生きと変化していく姿が感動を呼ぶ。

富司は「以前。テレビ番組で葉っぱビジネスのことを見ていて、働いている人たちは人生を楽しく生きてるなと思っていたので、映画のお話をいただいて『ぜひ!』と思いました」と出演についてコメント。

中尾は「自分は年齢的にはまだ早いのではと思っていましたが、世間的にはそのくらいなのかなって」と笑い、「撮影に参加して、得ることがとても多かった」と振り返った。

一方、吉行は自らの役柄について「何も考えないで生きてきて、70歳になって初めて仕事をし、通帳を作って自分の足で歩き始めました。たいてはそうなると夫が邪魔になって熟年離婚なんてこともありますが、(演じた)薫は元気のない旦那さんを引っ張って一緒に幸せになろうとするところがすばらしい」と話していた。

最後に御法川監督が「若さやピュアさを良しとするよりも、経験を積んだからこその美しさを実感していただきたい」と、作品に込めた思いをアピールしていた。

『人生、いろどり』は9月よりシネスイッチ銀座ほかにて全国順次公開される。(情報提供:MOVIE Collection [ムビコレ])

オフィシャルサイト 人生いろどり
http://www.irodori-movie.jp/

主題歌
原由子「ヘヴン」






■「健やかさ」を新たな形で取り戻す時代へ
http://www.insightnow.jp/article/6969
2012年1月31日 10:54村山 昇

 時代が喪失しているものの中で1つ大事なもの挙げるとすれば、それは「健(すこ)やかさ」だ。「健やかさ」などという普遍的だが退屈な価値で注目・支持を集めるのはラクな仕事ではないが、爛熟から凋落のコースを変えるには不可欠ものだ。

 アメリカのロックバンド、イーグルスを率いたドン・ヘンリーは、時代を見る目を持って、「喪失」を見事に歌うミュージシャンだったように思う。

 『ホテル・カリフォルニア』の中に出てくる有名な一節───
  “We haven't had that spirit here since nineteen sixty nine.”
  (支配人に自分の好みのワインを注文するのだが…)
  「あいにくそのようなお酒(精神)は1969年以降ご用意しておりません」。

 ここに出てくる「spirit(スピリット)」は、「酒」と「魂・精神」との掛け言葉になっている。伝説のウッドストックコンサート開催に象徴される1969年以降、アメリカは爛熟した物質文明・商業主義の中で、何か大事な魂(スピリット)を失ってしまった───そんな憂いを彼はこの歌詞の裏に込めた。
 また、ドン・ヘンリーは、引き続き1990年にブルース・ホンズビーとの共作による『The End of the Innocence』でもグラミー賞を受賞した。「イノセンス=無邪気さ・無垢であること」の終わりを歌ったこの曲は、やはり時代に対するメッセージ性を感じさせる。

   * * * * *

 さて、時代が喪失しているものはさまざま指摘できるだろうが、私がその中で1つ挙げるとすれば、それは「健(すこ)やかさ」だ。私がここで言う「健やかさ」とは、次のような意味合いである。

  ○生き生きと強いこと
  ○素直であること
  ○明るく開けていること
  ○善的なことに向かっていること
  ○自然と調和していること

 現代社会が抱える問題の多くは、「反・健やかさ」あるいは「離・健やかさ」の力が増長、圧迫、堆積して起こっているように私には思える。「健やかさ」というのは、レトロで野暮ったい観念だろうか。いや私は、こういう時代だからこそ、逆に清新であると感じる。

 健やかな身体、健やかな心、健やかな思考、健やかな生活、健やかな社会。
 健やかな詩、健やかな絵、健やかな物語、健やかな食べ物、健やかな会話。

 ……こういったものは、ほんとうのところ、いつの時代にあっても人びとが求めたいものだ。しかし、普遍的なものほど退屈になりやすい欠点がある。問題はいかにそれを新しい気持ちで、新しい形にして求めていくかだ。

 私たちはブータン国王夫妻が来日したとき、その国が「国民総幸福量」を指標にして国づくりを行っていることをうらやましく思った。また、映画『ALWAYS三丁目の夕日』を観て、古き良き昭和の日を懐かしんだりもする。私たちはこうした「健やかさ」に触れて、自分たちは、もうそこには戻れないんだと溜息をつく。しかし、いま大事なのは、いろいろなことに対し、平成ニッポンの「健やかさ」を新しい形で生み出すことは可能ではないかと考える「健やかさ」である。少なくともそうしなければ、この国の21世紀は開けてこないのだ。


 例えば、宮崎駿監督のアニメーション映画はひとつの「健やかさ」の作品表現かもしれない。グリーンツーリズムや日本の“おもてなし”も旅行業界での「健やかさ」価値の体現かもしれない。「無印良品」も、商品づくりの思想のなかに「健やかさ」という一本の軸が通っているように思える。“ロハス”や“スローライフ”も「健やかさ」と通底している。また、ビジネス書としてベストセラーになった『日本でいちばん大切にしたい会社』(坂本光司著)の中には、それこそ「健やかさ」を保った企業の話がたくさん出てくる。

 世の中の商品・サービス・芸術が、刺激性・中毒性を増さなければ振り向かれない潮流にあって、「健やかさ」などという普遍的だが退屈な価値で支持を集めるのはラクな仕事ではない。
 しかし、「健やかさ」を蘇生する作業を怠れば、歴史上、多くの爛熟しきった社会がたどった道と同じ道を私たちも進んでいくことになりかねない。

 私は企業の研修現場で仕事観の醸成教育をやる身であるが、プログラム開発のテーマに据えているのは、次のようなことである。
 ・「成功のキャリア」から「健やかなキャリア」へ
 ・「勝ち組/負け組の生き方」から「自分らしくを開く生き方」へ。
 ・「得点の競争で疲れる職場」から「知恵の競創が面白い職場」へ。
  (“競創”とは創造性を競うこと)

 1人1人の仕事・働く意識が健やかになる。1つ1つの職場が健やかになる。私自身、そのための教育はとても大事な仕事であると自覚している。

 再び名曲『ホテル・カリフォルニア』に戻って。
 ドン・ヘンリーは最後の部分でこう歌う───

  “We are all just prisoners here, of our own device.”
   俺たちはみんなここの囚人さ、自らが仕掛けた罠にかかって。

  “You can check out any time you like, but you can never leave.”
   チェックアウトしようと思えばいつでもできるのに、決してここを出ていけないのさ。

 「ホテル・カリフォルニア」という「喪失の園」から抜け出られないのは歌の世界だが、現実世界の私たちは、しっかりと「健やかさ」を取り戻し、自らの罠にかからないようにしたい。



2012年7月3日火曜日

■大阪市政改革最終案 市民交流施設を「全廃」


大阪市政改革最終案 市民交流施設を「全廃」
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/osaka/news/20120628-OYT8T00120.htm
(2012年6月28日  読売新聞)

 大阪市が27日に発表した市政改革プランの最終案で、地域住民の活動拠点となっている10か所の市民交流センターと、出産や子育ての支援講座を開くなどしてきた5か所の男女共同参画センターを、2014年度中に全廃する方針が盛り込まれた。廃止撤回を求める多くの声を押し切る形での最終案決定に、利用者らの間には落胆が広がった。(浦野親典、冬木晶)

 市が市政改革プランの素案を発表したのは5月11日。その後のパブリックコメント(意見公募)で、素案への反対意見が1000件を超えたのは9事業あり、最多だったのが2845件、市民交流センター廃止に対するものだった。

 全施設で週1回開かれる無料の識字教室は、十分な学習機会を得られなかった住民や外国人らの貴重な学びやだ。同センターの「すみよし南」(住吉区)の教室に通っている日系ブラジル人、坂口みどりさん(72)は昨年、小学生が習う漢字を書けるようになった。

 「それまで、市役所から通知文が届くといつも隣近所の人に読んでもらっていた。仮に別の施設で実施されるとしても、有料だと通い続けるのは難しい」と、坂口さんは不安がる。

 「クレオ大阪」の愛称で知られる男女共同参画センターは、心理カウンセラーによる悩み相談も実施している。「中央館」(天王寺区)の沢田薫・企画課長代理(50)は「せめて相談場所はどこかに作るべきだ。区役所などで実施すれば、近所の人に会いたくないからと足を運ばない女性がいるのでは」と話し、女性の地位向上に努めてきた市地域女性団体協議会の吉村八重子会長(82)は「我々が積み上げてきた取り組みを無にしてほしくない」と訴える。

 このほか、放課後の児童を無料で預かってきた28か所の民間施設「子どもの家」への補助は、利用者に月2万円程度の負担を求める学童保育事業に移行することに。「じゃがいも子どもの家」(生野区)の新家茜施設長(32)は「有料になると、保護者の理解を得られない子どもたちが来られなくなる」と指摘する。

 市議会は今後、こうした声も参考にして最終案を審議することになる。自民党市議団はこの日、男女共同参画センターの存続など12項目の要望書を橋下市長に提出し、「市民サービスの質を可能な限り落とさないでほしい」と求めた。

◆子育て世帯支援説明していく

 市政改革プラン最終案の決定後、橋下市長が市役所で報道陣の質問に答えた。主な発言は次の通り。

 ――最終案に対する市長の評価は。

 評価は有権者が判断することであり、(有権者代表の)市議会に否決されてしまったら終わり。ここまでまとめた(市役所の)組織の力には十分満足している。

 ――パブリックコメントでは反対が多かったが。

 パブリックコメントは有権者全体の意見ではなく、それに左右されるものではない。全体的な判断をせざるを得なかった。

 ――市民の理解は得られると思うか。

 他都市との比較で標準を上回っている住民サービスについて少し是正をお願いして、子育て世帯に税配分を回したということ。子育て世代をみんなでサポートしようというメッセージをしっかり説明すれば、市民の多くの皆さんに支えてもらえると思う。

 ◆屋内プール9か所に縮小

 大阪市の市政改革プランの最終案で、住民サービスが見直された109事業での削減効果額は、今年度からの3年間で約399億円に上る。

 市民交流センターや男女共同参画センター以外にも、24か所の屋内プールが9か所に縮小されるなど、廃止・縮小される施設や事業は多い。




■エキスポ跡地に大観覧車 高さ170メートル、国内最大級


エキスポ跡地に大観覧車 高さ170メートル、国内最大級
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/osaka/news/20120627-OYT8T00115.htm
2012年6月27日  読売新聞

 吹田市の万博記念公園内にあった遊園地・エキスポランドの跡地(17・3ヘクタール)で、三井不動産(東京都)が2016年9月までの開園を目指す複合型エンターテインメント施設に、国内最大級となる高さ約170メートルの観覧車の建設が計画されていることがわかった。

 同社が市に提出し、26日に公開された環境影響評価提案書に盛り込まれていた。実現すれば現在、国内最大の葛西臨海公園(東京都)にある高さ117メートルを超える大観覧車となる。

 提案書によると、ほかに商業施設やアクアミュージアム(水族館)、アニメをテーマにした施設などを建設し、年間約2000万人の利用を想定している。

 三井不動産広報部は「観覧車の高さは未定だが、吹田市などと協議し、大きなものを作りたい」とした。

 エキスポランドは2007年にジェットコースターで死亡事故があり、09年に閉園。府が跡地の開発事業者を公募し、昨年12月、同社に決まった。



■震災がれき受け入れ処分場  知事「首長判断で決定を」 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/osaka/news/20120701-OYT8T00083.htm (2012年7月1日 読売新聞)  関西広域連合が検討中の、東日本大震災のがれきを「大阪湾フェニックス計画」の廃棄物処分場へ受け入れる計画を巡り、松井知事は30日、受け入れ先の処分場が決まらない場合、各知事や政令市長がトップ判断で決める意向を示した。大阪市内で開かれた広域連合議会で明らかにした。  フェニックス計画では、関西の174自治体などが出資する「大阪湾広域臨海環境整備センター」が、尼崎沖(兵庫県尼崎市)、泉大津沖(泉大津市)、神戸沖(神戸市東灘区)、大阪沖(大阪市此花区)の4処分場を運営。同センターはいずれの処分場でも、震災がれきの焼却灰を埋め立てる場合に法的、技術的に複数の課題があるとして受け入れ決定には時間がかかる、としていた。  松井知事は「状況によっては(知事や政令市長でつくる同センターの)委員会を招集して対象処分場などを決定したい」と述べた。 ◇  広域連合議会はこの日、議長に田中英夫・京都府議、副議長に日村豊彦・兵庫県議を選出した。


震災がれき受け入れ処分場  知事「首長判断で決定を」
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/osaka/news/20120701-OYT8T00083.htm
(2012年7月1日  読売新聞)

 関西広域連合が検討中の、東日本大震災のがれきを「大阪湾フェニックス計画」の廃棄物処分場へ受け入れる計画を巡り、松井知事は30日、受け入れ先の処分場が決まらない場合、各知事や政令市長がトップ判断で決める意向を示した。大阪市内で開かれた広域連合議会で明らかにした。

 フェニックス計画では、関西の174自治体などが出資する「大阪湾広域臨海環境整備センター」が、尼崎沖(兵庫県尼崎市)、泉大津沖(泉大津市)、神戸沖(神戸市東灘区)、大阪沖(大阪市此花区)の4処分場を運営。同センターはいずれの処分場でも、震災がれきの焼却灰を埋め立てる場合に法的、技術的に複数の課題があるとして受け入れ決定には時間がかかる、としていた。

 松井知事は「状況によっては(知事や政令市長でつくる同センターの)委員会を招集して対象処分場などを決定したい」と述べた。



 広域連合議会はこの日、議長に田中英夫・京都府議、副議長に日村豊彦・兵庫県議を選出した。



2012年6月30日土曜日

■大阪市:文楽補助金、全額カットへ 橋下市長は「面会断られた」 住大夫さん「知らなかった」

■大阪市:文楽補助金、全額カットへ 橋下市長は「面会断られた」 住大夫さん「知らなかった」
http://mainichi.jp/feature/news/20120630ddm012010067000c.html
毎日新聞 2012年06月30日 東京朝刊

大阪市の橋下徹市長は29日、公益財団法人「文楽協会」(同市中央区)への補助金について、予算ヒアリングのため申し入れた面会を人間国宝に拒否されたとして、「特権意識にまみれた今の文楽界を守る必要はない」と、全額カットする意向を表明した。

市は今年度本格予算案に昨年度比25%減の3900万円を計上しているが、橋下市長は議会で可決されても執行しない方針=写真は「曽根崎心中」の一場面。

文楽トップの人間国宝、竹本住大夫(すみたゆう)さんは「面会の申し込みがあったとは聞いていません」と驚き、「こっちが会いたいです」と話した。全額カットには「運営していけません」と話した。





■橋下市長、文楽協会は「特権意識」と予算凍結
(2012年6月29日16時53分  読売新聞)

 大阪市の橋下徹市長は29日、2012年度補正予算案に計上した財団法人文楽協会(大阪市)への補助金3900万円について、協会が公開での市長との協議に応じないことを理由に、予算執行を凍結する考えを示した。


 松井一郎大阪府知事も府教委の補助金約2000万円について同調する方針。文楽協会の担当者は「市長との協議が予算執行の条件という話は聞いていない」と困惑している。

 橋下市長はこの日、報道陣に、「(協会は)市民の代表と話さなくても、補助金をもらえると勘違いしている。唯一無二の特権意識を持った集団だ」と批判。「協会だけでなく、特権意識にまみれた文楽は守る必要がない」と、補助金凍結の理由を述べた。

 また松井知事も、「もらって当たり前という『上から目線』はいかがなものか」と語った。




■大阪市:美術館構想、乱立 中之島図書館/府庁/中之島一帯、実現決め手なく


大阪市:美術館構想、乱立 中之島図書館/府庁/中之島一帯、実現決め手なく
http://mainichi.jp/area/news/20120628ddf001040002000c.html
毎日新聞 2012年06月28日 大阪夕刊


 大阪市中心部で美術館を拠点に集客を図ろうとする提案が相次ぎ、構想乱立の様相を呈している。橋下徹市長が府立中之島図書館(同市北区)を、松井一郎大阪府知事が府本庁舎(同市中央区)を、それぞれ美術館に転用するアイデアを披露、府市の有識者会議も美術館整備計画をまとめた。市内に美術館整備を待望する声はあるが、転用のための施設整備やコストなどハードルは高い。【熊谷豪】

 「図書館を空けてやってもらえませんかね」。19日の府市統合本部会合で、橋下市長は中之島図書館の用途見直しを打ち出し、美術館に利用する考えを後日示した。同館は1904(明治37)年開館。重厚な洋風建築で、公立図書館としては全国でただ一つ国の重要文化財に指定されている。

 一方、近現代の名作など約4500点を市が集めながら宙に浮いている市立近代美術館(仮称)について、府市の有識者会議(座長=橋爪紳也・府立大教授)は北区中之島の計画地に、8〜10の小型美術館を屋上に配置した大型美術館を整備する案を発表した。この市立近代美術館を巡っては、松井知事が1月、都道府県庁舎で現役最古の府本庁舎=1926(大正15)年完成=を転用する構想を明かしている。

 しかし、3構想とも課題は多い。中之島図書館には、貴重な作品を保管するために湿度管理ができる空調など、不可欠な設備がない。エレベーターもないが改修には文化庁の許可が必要で、府教委は「防災などやむを得ない理由でないと認められないのではないか」と懸念する。有識者会議案の整備費は不明だが、約122億円をかける市の元の計画を橋下市長が「しょぼい」と白紙にした経緯がある。小型美術館の費用調達について「企業名を冠し寄付を募る」案も出たが、実現性は未知数だ。府本庁舎も、天井高が3・5〜5メートルで市所蔵の美術品の一部が展示できない▽床が収蔵品の重さに耐えられない恐れがある−−との課題を担当部局が松井知事に報告した。

 さらに、大阪市に譲渡された旧サントリーミュージアム天保山(10年閉館、港区)も、美術館として存続する可能性がある。

 結果的に構想乱立の火付け役となった松井知事は25日に中之島図書館を視察し、首をひねった。「何でもかんでも美術館というのでは、大阪は美術館ばっかりだという話になってしまう。適切に配置できるよう考えたい」



■阪南市社会福祉協議会 事務局長代理7,000万円着服か


■阪南市社会福祉協議会 事務局長代理7,000万円着服か
http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE120629170700583753.shtml
2012年06月30日(土) 18時09分

 大阪府阪南市の社会福祉協議会の事務局長代理が、街頭などで集めた募金、およそ7,000万円を着服した疑いがあることがわかりました。

 阪南市社会福祉協議会によりますと今月下旬、「協議会の金を使い込んでいる」と匿名の通報が市役所に入り、協議会事務局が調査していました。

 その後、事務局長代理(38)の男性が、市民や自治体から集めた共同募金から、およそ7,000万円を私的に流用した疑いが強まり、事務局の調べに対し着服したことを認めているということです。

 事務局長代理は、募金を管理する立場だということで、社会福祉協議会は、29日午前中に警察に被害を申告し、近く業務上横領の疑いで告訴状を提出する方針です。
(06/29 19:15)





■使途不明7千万円、事務局長代理が着服認める 大阪・阪南社協
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120629/crm12062922060036-n1.htm
2012.6.29 22:05

 大阪府阪南市社会福祉協議会(同市尾崎町)で約7千万円の積立金が使途不明になっていることが29日、同協議会への取材で分かった。内部調査に対し、事務局長代理の男性(38)が着服を認めており、同協議会は業務上横領罪で大阪府警に告訴することを検討している。

 同協議会によると今月25日、「局長代理が横領している」という匿名の通報が市と協議会にあった。同協議会が局長代理に確認したところ、「平成23年度くらいから10回以上引き出した」と、流用を認めたという。

 局長代理は会計の出納係で、同協議会への補助金や、寄付金などを積み立てていた通帳や印鑑を管理していた。



■飲酒運転で事故、逃走 岸和田市職員を逮捕(大阪府)

■飲酒運転で事故、逃走 岸和田市職員を逮捕(大阪府)
http://news24.jp/nnn/news89038990.html
[ 6/30 12:26 NEWS24]

29日夜、大阪・岸和田市役所の職員が飲酒運転で事故を起こし、警察の追跡から逃れようと逃走、さらに接触事故を起こして現行犯逮捕された。

  道交法違反(酒気帯び運転)で逮捕されたのは岸和田市役所市民課主査・大西昌一容疑者(38)で、29日午後11時50分頃、岸和田市下池田の民家の植え込みに車で接触する事故を起こした。すぐに警察が駆けつけたが大西容疑者はそのまま車で逃走、約500メートル離れたコンビニエンスストアの駐車場で別の車2台に接触したところで現行犯逮捕された。

  大西容疑者は警察の調べに対し、「酒を飲んで帰宅する途中だった。酒を飲んでいたので逃げた」と話しているという。





■岸和田市職員が飲酒運転で物損事故、逃走
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120630-OYO1T00582.htm?from=main3
(2012年6月30日  読売新聞)

 29日午後11時50分頃、大阪府岸和田市下池田町で、同市箕土路町、同市市民課主査大西昌一容疑者(38)運転のワンボックスカーが道路脇の民家の植え込みに突っ込んだ。通行人の通報で岸和田署員2人が駆け付けると、大西容疑者は車で逃走。約1分後、北西約300メートルのコンビニエンスストア駐車場に逃げ込み、駐車中の軽乗用車2台に接触して停車した。同署員が調べたところ、呼気1リットルあたりの基準値(0・15ミリ・グラム)を超えるアルコール分が検出されたため、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕した。

 大西容疑者は「酒を飲んで運転し、ばれるのが怖くて逃げた」と容疑を認めているという。



■ネットに自分のわいせつ画像 大阪・泉佐野市職員を停職「バカなことをした」

子ども達の全国共通テストでは全国で最低レベルにある大阪。その中でも北(大阪北部)に比べて、泉州エリアの南部はレベルが低い、とか。橋下さんが嘆くのもうなづけるが、ま、今回のコレはそれを裏付ける結果ともいえるのではないか。
ん、どないもこないも‥、理解に苦しむわ、ホンマ。

以下転載。


ネットに自分のわいせつ画像 大阪・泉佐野市職員を停職「バカなことをした」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120629/crm12062921200034-n1.htm
2012.6.29 21:19 サンケイ

自らを撮影したわいせつ画像を勤務中などにインターネットサイトに掲載したとして、大阪府泉佐野市教育委員会は29日、社会教育部の係長級職員(39)を停職3カ月の懲戒処分にした。市は個人の特定につながるとして、職員の性別は公表していない。

市によると、職員は昨年9~10月、勤務時間内や業務終了後に、庁舎内で市のネットワークに接続している私有パソコンを利用。インターネットの会員制サイトに自分の陰部を撮影した画像2枚を掲載したという。

職員は約10日の間に1日1~2回サイトを閲覧し、複数の画像を投稿したとしており、「なぜそんなことをしたか、今となってはわからない。バカなことをした」と話しているという。



2012年6月28日木曜日

■あの泉佐野市、今度は「飼い犬税」の導入検討


■大阪・泉佐野「飼い犬税」検討
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120628/k10013166051000.html
6月28日 6時46分

大阪・泉佐野市が、犬のふんの被害がおさまらないとして、犬の飼い主に対し「飼い犬税」を課すことを検討していることが明らかになりました。

泉佐野市ではことし1月から公共の場所に飼い犬などのふんを放置した場合、飼い主から千円を徴収する条例を施行していますが、ふんの放置はおさまらず、市民からの苦情も続いています。

このため市は犬の飼い主に対し、「飼い犬税」を課すことを検討することになったということです。

泉佐野市では5300匹余りの飼い犬が登録されています。

飼い犬税の額などはまだ決まっていませんが、これを財源に、ふんを放置しないよう取り締まる人を雇うことなどを検討しています。

総務省によりますと、昭和20年代や30年代は飼い主に「犬税」を課した自治体があったものの、現在は、犬をはじめペットを対象に課税をしている自治体はないということです。

泉佐野市の千代松大耕市長は「関西空港直近の町で世界各地の人が訪れるため、美しい町づくりを進めたい。ふんの放置が改善されれば税を導入しないこともありえるが、改善されなければ2年後をめどに導入を検討したい」と話しています。




■あの泉佐野市、今度は「飼い犬税」の導入検討
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120627-OYT1T01023.htm
2012年6月27日19時32分  読売新聞

 大阪府泉佐野市が、犬の飼い主に課す法定外税「飼い犬税」の導入を検討していることがわかった。

 ペットのふんの路上放置をなくすため、取締員の雇用や啓発活動費に税収を充てる。総務省によると、1955年頃には約2700の自治体が「犬税」を導入していたが、現在はペットを対象にした法定外税はない。

 法定外税は自治体が独自に課税できる税で、総務相の同意が必要。市内で登録された飼い犬は約5400匹いるが、戸外でのふん放置が相次いでいる。市は、今後も改善されない場合、2年後をめどに税導入を判断する。

 市では環境美化推進条例に基づき、今年から飼い主がふんを放置した場合に1000円の徴収を始めたが、啓発が主目的で徴収例はない。飼い犬税について千代松大
ひろ

やす
市長は「世界から多くの人が訪れる関西空港対岸の自治体として、きれいな街づくりを進めるため」と話している。




■泉佐野市「犬税」導入検討 ふん害対策で2年後にも
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120627/waf12062720000042-n1.htm
2012.6.27 19:54 [westナビ]

 大阪府泉佐野市の千代松大耕(ひろやす)市長は27日、放置された犬のふん害対策として、飼い主に課税する「犬税」の導入を検討していることを明らかにした。早ければ2年後にも条例を制定する方針。総務省によると、現在、飼い犬に対する課税を行っている自治体はないという。

 市では平成18年に施行した市環境美化推進条例で、飼い犬などのふんを放置することを禁じ、今年1月からは、違反者から千円を徴収すると定めている。

 ただ、これまでに徴収例はなく、ふん害も改まらないため、今後、市民への啓発や取り締まりを強化。改善されない場合は犬税を導入し、清掃や見回りを行う巡視員の人件費にあてる考えだという。

 市には現在約5400匹の飼い犬が登録されている。犬税は、狂犬病ワクチンの予防接種の際、同時に徴収する方法などを検討している。税額については今後、人件費の必要額などから算出する。

 犬税は、同市が10月から関西国際空港連絡橋の通行車両に課税する橋利用税と同じ法定外税で、自治体が独自に条例を定め、総務相が同意すれば導入できる。

 総務省によると、犬の飼い主への課税は昭和30年には2686自治体が実施していたが徐々に減少し、57年3月に長野県四賀村(現松本市)が取りやめたのを最後になくなっていた。

 千代松市長は「街がきれいになることが一番なので、改善されれば導入しない。飼い猫については、美化条例改正などで罰則強化を検討する」としている。




■大阪府泉佐野市:「犬税」を検討 ふん放置対策の財源に
http://mainichi.jp/select/news/20120628k0000m040020000c.html
毎日新聞 2012年06月27日 18時57分(最終更新 06月28日 00時50分)

 大阪府泉佐野市の千代松大耕(ちよまつ・ひろやす)市長は27日、犬や猫のふんの放置対策の財源として飼い主を対象にした「犬税」(仮称)を導入する検討を始めたことを明らかにした。市議会本会議で「モラル、マナーの向上を市民に求めたい。徹底的に取り締まりと啓発を行っていく」と述べ、改善されない状況が続けば2年後をめどに導入に踏み切る考えを示した。

 同市は環境美化推進条例で、ペットのふんの放置やたばこの吸い殻のポイ捨てを禁止。違反者には1000円の過料の徴収を定めているが、実際の徴収例はないという。

 千代松市長は取材に対し「街がきれいになることが一番大切。啓発で効果がなければ導入したい」と述べた。税収はパトロールや清掃作業の費用に充て、具体的な税額は今後検討する。

 市によると、市内で登録されている飼い犬は5375匹(猫は登録制度がなく不明)。犬税は1960年代には約2700の市町村にあったが、地方税の税目が整理される中で廃止が進み、現在課税している自治体はないという。


2012年6月27日水曜日

■「M7」巨大地震、実は近畿が危ない!地下水に異常確認


「M7」巨大地震、実は近畿が危ない!地下水に異常確認
http://news.infoseek.co.jp/article/26fujizak20120626012
2012年6月26日17時12分 夕刊フジ

 「3・11」から1年以上が過ぎ、体感できる地震の数も減っている。だが安心しているとしたら大間違いだ。マグニチュード(M)7級など巨大地震のリスクが収まったわけではない。未曾有の大災害を最小限に抑えるために「予知分野」の研究が進むなか、地下水に着目する専門家がいる。最近の調査では「南海トラフ」に関する不気味なデータが表れているという。地下の異常現象は何を物語っているのか。

 M9・0が襲った東日本大震災を契機に、地震の活動期に入ったとされる日本列島。首都直下地震の確率について、東大地震研が4年以内に50%以下で起きると警告したのは記憶に新しい。

 3月末には、内閣府の検討会が駿河湾から九州沖までを震源域とする「南海トラフの巨大地震」の被害想定を発表。静岡など10県153市町村が震度7、11都県90市町村が10メートル超の津波に見舞われるとした。

 こうした地震を事前に察知できれば、被害も低く抑えられる。その観点から「地下水の異常」に着目し、前兆現象を研究しているのが、元東大地震研の准教授で、日本女子大非常勤講師の佃為成(つくだ・ためしげ)氏。『東北地方太平洋沖地震は“予知”できなかったのか?』(ソフトバンク クリエイティブ)の著書で知られる地震学者だ。

 佃氏は「岩盤の中の水の動きを調べて地震発生の可能性を読み取っている」とし、独自の理論をこう説明する。

 「地震はプレートを構成する岩盤が起こす。“圧力のバランス”が崩れると岩盤に亀裂が走り、地表に揺れが伝わる。岩盤の中には間隙水という水があり、圧力で温められたり、(温度が)上昇したりするが、それにより地下水にも水温や電気伝導度の変化が現れる」

 電気伝導度とは、電気の流れやすさの目安。岩盤に圧力がかかって収縮すると流れやすくなり、圧力が軽減して膨張すると流れにくくなる特徴がある。こうしたさまざまな異常をとらえ、前兆として役立てようというわけだ。

 「阪神淡路大震災をきっかけに震源地に近い兵庫県猪名川町(いながわちょう)で電気伝導度と地下水温の観測をスタートさせた。現在まで全国28カ所に観測点を設置し、データ収集を続けている」(佃氏)

 最北端は、新潟県阿賀野市の出湯(でゆ)温泉内に設けた観測点。ここでは2004年の新潟県中越地震(M6・8)、07年の同中越沖地震(同)、さらには「3・11」の前兆らしき現象が確認された。

 「どの地震の前にも水温と電気伝導度の激しい上昇と下降がみられ、東日本大震災の前には、より顕著な変動があった。最初の兆候は09年末で伝導度と水温が急下降。10年5月末には伝導度が上昇に転じて、12月中頃からは水温も上がり始めた。いずれも巨大地震の準備過程を反映していた可能性がある」(同)

 その佃氏がいま最も警戒しているエリアがある。「近畿地方が危ない。京都や兵庫など複数の観測点で02年頃から(データの)異常が確認されている。岩盤が相当動き、地震が起きやすい不安定な状況にある」

 観測上の異常が長期にわたっているのも注意すべき点で、地盤の歪みが広範囲の公算が大きく、巨大地震の前触れの可能性もあるという。

 「南海トラフの巨大地震」の衝撃的な被害想定と重なり、不気味さは募るばかり。「琵琶湖底でも09年頃からガスの吹き上がりや井戸水の濁りなど相次いでいる。一連の異常が『南海トラフ』の前兆現象として連動して起こっているとも考えられる」(佃氏)

 地下で起きる異常現象。巨大地震の前触れなのか、それとも…。



2012年6月21日木曜日

■橋下徹批判  税金で養われている


橋下徹批判  税金で養われている(爺庵独語)
http://ameblo.jp/jiji-an/entry-11270871482.html
2012 年 6 月 19 日 gataro 

税金で養われている
2012-06-06 22:49:15

 橋下徹の奇矯で品のない言動には飽きあきしている人も多かろう。世間の耳目を集める爆弾発言を繰り返す橋下であるが、長い間ウォッチしていると、案外パターンが決まっていることに気付くはずだ。

 橋下の言論テクニックについては、すでに北海道大学の中島岳志准教授が分析しているし、ネット上でも「Afternoon Café」というサイトの運営者が、先日の橋下とMBSの女性記者のやり取りを克明に分析し、その詭弁テクニックを暴露している。

 爺庵は今回、橋下が頻りに使うフレーズを採りあげて、その詭弁ぶりを追及してみたいと思うのだ。そのフレーズが見出しの「税金で養われている」である。

 このフレーズの同類として「税金で飯を食べさせてもらっている」や「給料に税金が入っている」、「税金で支援されている」といったものも挙げられよう。

 このフレーズは橋下の十八番である公務員批判においては、使用率100%といって間違いない。

 橋下のツイッターから拾ってみると、最近では京都大学の中野剛志准教授への批判で「中野剛志もしょうもない思い上がり識者だったか。残念だ。だいたい、年下のくせに面識のない俺を呼び捨てにすんじぇねえよ。霞が関の官僚で大学の准教授。最悪のタダ飯ぐらいルートだろ。こういう奴らは税金でふんだんな時間を与えられて、朝から晩まで責任のないことをやっている」とやったのを皮切りに、悪罵を垂れ放題だったのは記憶に新しい。

 ちょっと前なら北海道大学の前出中島岳志や山口二郎教授について「道州制の話になるとすぐにメリット・デメリットを説明しろと、北海道大学の中島とかいう税金で養われている役立たずが言うでしょう。未だに大阪都構想について説明が足らんと言い続けている。師匠が山口とかいうこれまた税金で養われている役立たず。この人達は、単に僕のことが嫌いなだけ」と、これも下品な言いようであった。

 もっと前には神谷宗幣という吹田市議会議員も「まず神谷君らがやるべきことは吹田を変えることでしょと。神谷君らの報酬は吹田市民の税金です。ところが彼らの活動は吹田市をないがしろにしている」と批判されている。

 ちょっと変化球では同志社大学教授の浜矩子。私立大学の教員なのに橋下ときたら「この浜と言うおばはん大学教授は、自分が税金を受けていることも分かっちゃいない。大学教授はこう言う人多いね。国立大学はもちろん、私立大学だって運営交付金で税が投入されている。大学教授も、公務員と同じく税で養われている存在なんだ」と、トンデモ論を展開して挙句に「浜さん、あなたの紫色の髪の毛とその眉毛、そのために国民はあなたに税金を投入しているんじゃないんですよ!」と来たもんだ。

 もうひとひねりすると文楽への批判になる。曰く「なぜ人間国宝の公演でも客席が3割程度しか埋まらないのか。文楽の世界は身分保障の公務員の世界となっている。公務員の世界と、観客を集めてなんぼの芸事の世界は対極にあるはずだ。にもかかわらず、文楽という芸事の世界が公務員の世界になっている」。ここでは税金から補助を受けているということはイコール公務員の世界であるということにされており、以下に述べるような批判の対象に絡めとられているのである。

 これら一連の発言から確実に読み取れるのは、橋下は「税金から恩恵を受けるいうことは、それ自体が悪である」と考えているということである。橋下にとって税金から給料をもらっている人間は、そのことを負い目として感じなければならず、それゆえ市民から選挙で選ばれた政治家を批判することは許されないのだ、と考えているのだろう。そのことは浜矩子への批判で、私立大学への運営交付金という、浜の給料に果たしてどれほど寄与しているのかも判らぬものを持ち出してまで、「税で養われている」という批判に結びつけた牽強付会ぶりから判断できる。橋下自身も税金で飯を食わせてもらっている立場なのだが、それは選挙で選ばれたことが税金から給料を貰うことへの絶対的正当性になっているという理屈なのだろう。

 だが税金から給料を得るということが悪であるなどという理屈があるはずがない。なぜなら公務員は労働力を提供する対価として給料を受けているのであり、その給料の財源が税金であるに過ぎないからである。

 例えばここに一人の清掃作業員がいたとしよう。彼の会社は役所の清掃業務を請け負っていて、彼は毎日その役所へ出勤して清掃業務にいそしむ。彼の給料は安いかも知れないが、その財源はまさしく税金から出ているはずだ。さて橋下はこの清掃作業員から批判されたとき、「税金で養われている役立たず」と罵るのだろうか。

 役所に採用されている公務員も、この例え話で引き合いに出した清掃作業員も、労働力を役所に対して提供し、その対価として給料を得ている。その財源は税金であることに変わりはない。違うのは公務員は役所から直接給料を受け取り、作業員は自らが雇用されている会社を通じて受け取っていることだけである。

 浜矩子への批判に使われた私立大学への運営交付金を引き合いに出すという暴論。これを容認するなら、同じ論旨であらゆる市民に対して橋下への批判は許されないという理屈を組み立てることができることに、我々は気づかなければならない。

 例えば学生。大学に運営交付金が入っていることによって、学生は授業料の軽減というメリットを受けているはずであり、それは税金で生活の一部を養ってもらっているわけだから、橋下を批判することは許されない。同時に学生の親も、子供の授業料の軽減によって教育費負担の一部を支援されているから、橋下批判は許されないことになるだろう。

 難病患者や障害者などは、公費負担医療制度によって税金で医療費という生活の一部を養ってもらっていることになるから、橋下を批判することは許されない。

 介護サービス受給者。介護保険制度は介護費用の半分を公費=税金で負担することになっている。したがって介護サービス受給者は生活の一部を税金で養ってもらっていることになるから、橋下を批判することは許されない。

 生活保護受給者に至っては言うまでもない。橋下の論で言うならまさしく「税金で養われている」ことになるが、橋下は生活保護受給者から批判を受けたら「税金で養われている役立たず」と叫ぶのだろうか。人権侵害も甚だしいと爺庵は思うし、そんなことを言ったら暴動が起こるんじゃないかと心配してやるぞ。

 例え話で清掃作業員を引き合いに出したが、役所にボールペンやコピー用紙を納入している業者の従業員はどうなんだ。役所が発注した土木工事を請け負う建設業者の従業員はどうなんだ。役所の食堂で働く調理師などはどうなんだ。役人が常連になっている飲み屋のおやじも税金で生活の一部を養ってもらっているのか。

 極論すれば、道路を歩くのだって、洪水やがけ崩れの被害にあわずに生活しているのだって、食中毒になることなく三度の飯を食えるのだって、実は税金によってその安全が確保されている。この国で生活していく上で、税金の恩恵を受けない者などどこにもいない。税金の恩恵を受けていることが悪であるなら、この国に橋下を批判できる者は一人もいないことになる。

 それを意識して橋下が「税の恩恵を受けることは悪」というロジックを振り回しているのだとしたら、それこそ独裁願望以外のなにものでもない。



■「消費税増税法案だけを急ぎ成立させようとする大政党の動きに“待った”ではなく称賛を贈る主要メディアの倒錯ぶり」


「消費税増税法案だけを急ぎ成立させようとする大政党の動きに“待った”ではなく称賛を贈る主要メディアの倒錯ぶり」
http://www.asyura2.com/12/senkyo131/msg/566.html

「全国紙の新聞社は、主要広告主であるグローバル企業の意向を汲んで消費税増税を強く求めていると思われる。

 そのような全国紙など新聞社が次に狙うのは、新聞への“軽減税率”の適用であろう。
 そうであれば、低所得者層への給付付き税額控除を政策とする民主党より、食品などへの軽減税率の適用を政策とする自民党に“親近感”を寄せるのは当然である。
 軽減税率は、消費税=付加価値税の内実から、消費者のためにあるのではなく、直接及び間接の効果で供給する事業者のためにある。」

と書いたところ、そのコメント欄で次のような情報をいただいた。

「11. 2012年6月18日 19:31:42 : gLYNZSkXQ6

新聞が提言税率の対象になるという約束になっているそうです。ラジオでどっかの新聞(○経新聞)の人が言っていました。したがって、各紙とも、消費税に肯定的になっているんですね。すべてやらせ!!恥かしくないのかな?日本のジャーナリストは、利権屋ですね。
新聞が低減税率の対象になるなら、何に消費税がかかるの?またここに、利権の温床が出てきます。」

http://www.asyura2.com/12/senkyo131/msg/566.html#c11


 勝手ながら、「提言税率」や「提言税率」は、軽減税率のことと理解させていただいた。


 「軽減税率」は、民主・自民の消費税税率アップ共同作戦のなかで自民党から出されたアイデアである。
 「軽減税率」は、付加価値税先駆者である欧州諸国でも採用されているが、税務処理の実態は定かではない。
 特定カテゴリーの商品に対する付加価値税税率が他の商品よりも低く適用されることはわかるが、最終的な徴税処理がどうなっているかが不明だからである。
(「軽減税率」を説明しているものをいくつか読んだが、適用される商品カテゴリーや税率で、税処理まで入り込んだ説明には行き着かなかった)

 gLYNZSkXQ6さんのコメントをきっかけに、消費税の理解を深める目的もかねて、「軽減税率」について少し考えてみた。


■ 「軽減税率」にインボイス方式は必要か?

 20年以上も前の消費税導入段階から言われていることだが、付加価値税の“不正”を防ぐためには、付加価値税の受け払いを明示するインボイスが必要だとされている。
 今回も、「軽減税率」案が浮かび上がってくるなかで、インボイス方式が再び俎上にのぼっている。

 結論的に言えば、「軽減税率」があろうが、「輸出戻し税」があろうが、徴税当局にとってインボイス方式は必要なものではない。

 インボイス方式は、徴税当局のためというより国民向けの付加価値税(輸出戻し税)正当化装置であり、徴税当局にとっての“効用”は、伝票保存付き帳簿方式となんら変わらないからである。

 売上と仕入をきちんと把握すればいいということでは、法人税の徴税と消費税の徴税はまったく変わらない。
 消費税の仮受や仮払という話は、税務処理上の虚構であり、実際の取引実態とは無関係だからである。

 消費税の“不正”を帳簿と伝票のチェックで防げないのなら、法人税の“不正”も防げないことになる。

 課税される事業者の会計処理は面倒になるが、徴税当局にとっては、申告制度の消費税で「軽減税率」が適用されて面倒になるとしても、税務調査のときに「軽減税率」が品目として正しく適用されているかどうかをチェックする手間だけである。


■ 新聞に「軽減税率」が適用されると新聞購読料は安くなるか?

 これは、食料品に「軽減税率」が適用されると食料品は安くなるのかという問いと基本的に同じである。

 消費税の税率が10%の段階で「軽減税率」は採用されず、15%といったもう一段高い税率になったときに採用されるようだが、「軽減税率」の適用云々だけでは、適用対象の商品の価格がどうなるか何とも言えない。

 「軽減税率」が実際に採用されるか、採用されるとしてもどのように適用されるかまったくわからないからである。

 新聞に「軽減税率」が適用されるときには、電子版新聞や書籍も「軽減税率」の適用対象になると予測する。

思考実験として、いくつかの場合について考える。


1)非課税的な「軽減税率」の適用

 現在でも、「軽減税率」の適用ではなく、非課税の適用を受ける取引はある。賃貸住宅や福祉関連商品そして金融取引である。

 消費税率のアップと同時で、新聞や食料品に「軽減税率」ゼロ%が適用され、消費税の申告処理が非課税と同じだとすれば、算術の範囲でも、新聞や食料品の価格は上昇する。

 というのは、新聞社も農家も、自給自足ではなく、様々なものを仕入れており、その多くが通常税率の適用を受けるからである。
 課税売上分は別だが、仕入がほとんどない新聞社でないかぎり、消費税で仕入控除を受けられない非課税措置はコストアップにつながる。
法人税も、売上から消費税分が控除できないため、課税強化になる。

 値上げに踏み切る新聞社幹部の代弁をすると、「社会的使命を帯び文化的意義も持つ新聞は、良識ある政府や国会のおかげで「軽減税率」の適用を受けることになりました。しかしながら、新聞用紙やインク代などの必要資材は消費税税率のアップで高くなります。また、日夜を分かたず取材活動に励む記者たちの消費税負担も増大することになります。つきましては、消費税の転嫁はまったくいたしませんが、かかるコストの上昇に見合うだけの購読料の引き上げをお願い申し上げます」というものだろう。

 この理屈は、農家や食品スーパーなども同じである。

 非課税的な軽減税率を適用されるとなったら、新聞社は、輪転機など設備投資を前倒しで行うはずだ。
 新聞が非課税として扱われるゼロ%税率になったら、これまで一括消費税分を控除できた設備投資が、新聞(たぶんそのときは書籍もゼロ%)以外の課税取引の比率に見合う金額しか控除できなくなるからである。

2) 免税的な「軽減税率」の適用

 この場合は、「輸出戻し税」と同じ恩恵が受けられることになる。
「軽減税率」がゼロ%なら、消費税をまったく(課税売上を除くほとんど)負担しないで、消費税還付金まで受け取ることになる。
 新聞社が輸出企業の仲間に入ったと考えればわかりやすいだろう。

 では、この場合に、新聞購読料は下がるのだろうか?私の判断では、この場合も、新聞購読料は上がるとみる。

 さすがに、謂われのない還付を受ける、新聞用紙やインク代などの必要資材が消費税税率のアップで高くなったというようなことは理由として持ち出さないだろうが、「日夜を分かたず取材活動に励む記者たちの消費税負担も増大します。つきましては、消費税の転嫁はまったくいたしませんが、かかる負担の増加に見合うだけの購読料の引き上げをお願いしたい」と言うだろう。

 「輸出戻し税」の実態が覆い隠されている現実を踏まえると、新聞社は、厚顔無恥で、「新聞用紙やインク代などの必要資材が消費税税率のアップで高くなる」という理由も持ち出すかもしれない。


3) 「軽減税率」5%の適用で、仕入控除は実態のまま

 新聞に「軽減税率」5%が適用され、消費税計算での仕入控除は、仕入れ取引ごとに適用される税率で算出するとする。

 納付すべき消費税は、「(新聞売上×5/105+一般売上×税率/(100+税率))-(一般仕入×税率/(100+税率)+軽減税率品仕入×5/105)」となる。

※ 軽減税率は、複数の税率も可能だが、煩雑なのですべて5%とした。食品・生理用品は3%、新聞書籍は5%などと分けることができる。

 売上に占める新聞(書籍)の比率が高く、仕入に占める一般商品の比率が高ければ、「消費税還付金」を受ける可能性が高い。

 この場合も、仕入れコストが上がることもあるが、消費税増税で同じレベルの生活に必要な生活費が増加することを盾に新聞購読料を上げるだろう。

■ まとめ

 以上のことから、新聞社が新聞の軽減税率適用を約束されているのなら、2)か3)の適用を受けるはずである。

 非課税業者となる1)は、ほとんどメリットがない、設備投資まで考えるとマイナスになる制度なので強く忌避するだろう。

 「軽減税率」が適用されるとしたら、2)か3)になるだろう。
 2)3)いずれであっても「消費税還付」を受けることになり、まだまだ価格支配力を維持している大手全国紙なら、収益性を高めることができるはずだ。

 もっと詰めて検討しなければならないテーマだと思っているが、消費税を考える一助になればと思い急ぎ投稿させてもらった。



■橋下市長:政治活動の職員、懲戒免職に


橋下市長:政治活動の職員、懲戒免職に
http://mainichi.jp/select/news/20120621k0000m010094000c.html
毎日新聞 2012年06月20日 21時58分(最終更新 06月21日 01時29分)

 大阪市の橋下徹市長は20日、市職員の政治活動を勤務時間内外を問わず規制強化する条例案について、条例で禁じた政治活動をした職員を原則、懲戒免職とする規定を盛り込む方針を決めた。橋下市長は当初、懲役2年以下などの罰則を検討していたが、政府が「違法」との見解を示したため、見直しを表明していた。総務省によると、自治体が政治活動を理由に職員を懲戒免職にした例はほとんどない。市が条例に基づいて免職にした場合、処分の妥当性が問題になる可能性もある。

 この問題を巡っては、政府が19日、地方公務員の政治活動に対して、自治体の条例で罰則を盛り込むことを「地方公務員法に違反する」と閣議決定。同法が成立した際、「懲戒処分により(職員の地位から)排除すれば足りる」との理由で罰則規定を盛り込まなかった経緯を指摘していた。

 これに対し、橋下市長は20日、「閣議決定が『地位から排除すれば足りる』というなら、忠実に従う。(政府は)バカですね。政治活動については原則、懲戒免職にして、ばんばん排除していく」と述べ、7月の臨時議会で「懲戒免職」規定を盛り込んだ条例案を提出する方針を示した。



■大阪府市統合本部:1万人を非公務員化 年200億円経費削減 中之島図書館は廃止

大阪府市統合本部:1万人を非公務員化 年200億円経費削減 中之島図書館は廃止
http://mainichi.jp/area/news/20120620ddn001010002000c.html
毎日新聞 2012年06月20日 大阪朝刊

公営企業などの経営形態見直しや二重行政の解消策を検討していた大阪府市統合本部は19日、市営地下鉄やバス、ごみ収集などの経営形態を見直し、市の技能職員ら約1万人を非公務員化する基本方針を決めた。3事業で少なくとも年約200億円の経費削減につながるが、当初掲げた削減目標と比べると当面は20分の1にとどまる。府市で類似した18団体・施設の統合・一元化、10団体の廃止や補助金打ち切りなども決めた。

統合本部は、府市の行政サービスや施設について、地下鉄やバス、上下水道などの経営形態を見直す「A項目」▽類似団体や施設を統廃合する「B項目」と分類して検討した。市単体で所管する地下鉄やバスなどは民営化に向けた日程などが示された一方、水道や消防など他市町村との協議が必要な事業は具体的進展がなかった。橋下徹市長と松井一郎大阪府知事は昨年12月の初会合で、事業の統合などで府市で年約4000億円を生み出すとしていた。




■大阪府市統合本部:1万人を非公務員化 地下鉄など民営に
http://mainichi.jp/select/news/20120620k0000m010114000c.html
毎日新聞 2012年06月19日 23時03分

公営企業などの経営形態見直しや二重行政の解消策を検討していた大阪府市統合本部は19日、市営地下鉄やバス、ごみ収集などの経営形態を見直し、市の技能職員ら約1万人を非公務員化する基本方針を決めた。3事業で少なくとも年約200億円の経費削減につながるが、当初掲げた削減目標と比べると当面は20分の1にとどまる。府市で類似した18団体・施設の統合・一元化、10団体の廃止や補助金打ち切りなども決めた。

統合本部は、府市の行政サービスや施設について、地下鉄やバス、上下水道などの経営形態を見直す「A項目」▽類似団体や施設を統廃合する「B項目」と分類して検討した。市単体で所管する地下鉄やバスなどは民営化に向けた日程などが示された一方、水道や消防など他市町村との協議が必要な事業は具体的進展がなかった。橋下徹市長と松井一郎大阪府知事は昨年12月の初会合で、事業の統合などで府市で年約4000億円を生み出すとしていた。





■1万人、非公務員化 大阪府市統合本部
http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/120620/20120620018.html
2012年6月20日

 大阪府と大阪市でつくる府市統合本部は19日、同市住之江区の府咲洲庁舎で第14回会議を開き、府市で業務が重複している行政サービスの見直しや地下鉄など公営企業の経営見直しについての基本的方向性を示した。地下鉄・バスの民営化やごみ処理事業の民間委託などで市職員の3割弱に当たる約1万人の非公務員化を図るなどとしている。経費削減効果は最小の試算で年間約200億円にとどまった。

基本方針について協議する(左から)松井一郎知事、橋下徹市長ら=19日午後、大阪府咲洲庁舎
 橋下徹大阪市長らは2015年4月の「大阪都」移行時で、府市の予算規模の5%に当たる年間計4千億円の経費削減を目指しており、今回の試算に含まれていない人件費や施設運営費で削減額を上積みできるかが課題となる。

 公営企業や公立病院などの経営形態の見直しでは、地下鉄は15年民営化を目指し、バスは民間への路線譲渡や管理委託を拡大。ごみ収集に従事する職員の非公務員化を図り5~10年で完全に民間開放するとした。

 府市で重複、類似する行政サービスは22分野で見直し。信用保証協会や高校・支援学校などを統合・一元化し、国際交流や保険医療の財団など12法人・施設は廃止・自立化するとしている。

 ただ、多くの分野で統合や事業廃止の具体的なスケジュールが示されず、出席者からは先延ばしにつながらないよう求める意見も。このため、法改正が必要など理由があるものでも、現状でできる取り組みを含めた具体スケジュールを作成し、実現性を高めることを確認した。

 このほか会議では、「大阪都」を踏まえた新たな府市一体の都市政策のあり方について検討を重ねている都市魅力戦略会議の報告「世界的な創造都市に向けて~グレート・リセット」も行われ、文化施策を担う新組織の新設や国際観光都市推進に向けた「大阪観光局」の設置などが提案された。15年を新たな都市制度での魅力創造のシンボルイヤーと位置付け、大規模イベントの開催なども提唱している。




■大阪府市、1万人を非公務員化 行政改革で基本方針
http://eonet.jp/news/kansai/osaka/article.cgi?id=38074
(06月19日 18:50)

 大阪府市統合本部は19日、地下鉄・バスの民営化や市のごみ処理事業の民間委託などで市職員の3割弱に当たる約1万人の非公務員化を図る行政改革の基本方針をまとめた。ただ地下鉄を除き人員削減の具体的期限は打ち出していない。経費削減効果は最小の試算で年間約200億円にとどまった。

 二重行政解消を目指し9分野18法人・施設の統合も盛り込んだ。

 橋下徹大阪市長らは2015年4月の「大阪都」移行時で、府市の予算規模の5%に当たる年間計4千億円の経費削減を目指しており、今回の試算に含まれていない人件費や施設運営費で削減額を上積みできるかが課題となる。



■生活保護に「現物支給」…大阪維新の会、政策集に明記へ


生活保護に「現物支給」…大阪維新の会、政策集に明記へ
http://www.asahi.com/politics/update/0617/OSK201206160170.html
2012年6月17日21時6分.

 大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)が、次の衆院選に向けた政策集「船中八策」(維新八策)に、生活保護制度の現金給付を改め、クーポン券の利用や生活用品を渡す現物支給を基本にする考えを盛り込むことがわかった。セーフティーネットのあり方にかかわるだけに、議論を呼びそうだ。

 関係者によると、橋下代表ら幹部が生活保護制度の見直しを検討。不正受給問題を解消し、保護費の増大を抑えるため、現物支給を軸にすることで一致した。

 食料品や衣服、生活用品は対象者に配布するクーポンと引き換えてもらったり、指定店で入手できるようにしたりする一方で、現金給付をほとんどなくす方向という。医療費についても一定の自己負担を求めるほか、受給資格は期間限定とし、受給を続ける場合は再審査する制度も盛り込む。



■レディー・ガガのチケットと病院の予約券、許せるダフ屋は?――マイケル・サンデル教授の「民主主義の逆襲」


レディー・ガガのチケットと病院の予約券、許せるダフ屋は?――マイケル・サンデル教授の「民主主義の逆襲」
http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1206/05/news080.html
2012年06月05日 18時05分 UPDATE

5000人が白熱した特別講義

米ハーバード大学のマイケル・サンデル教授が、東京国際フォーラムで5000人を前に特別講義を行った。テーマは「ここから、はじまる。民主主義の逆襲」。受講者に語りかけながら議論を促すおなじみのスタイルを取ったサンデル氏。これから数回にわたってその模様をお伝えする。
[上口翔子,Business Media 誠]


マイケル・サンデル教授

 「もしあなたが大学生で、『あなた自身の命名権をくれるのなら授業料を出す』と企業に言われたらあなたはどうしますか?」「3.11のような震災がまた起こった場合、政府が発信する情報とTwitterや個人ブログの情報、どちらを信頼しますか?」――ベストセラー『これからの「正義」の話をしよう』筆者で米ハーバード大学教授のマイケル・サンデル氏が来日し、5月28日に東京国際フォーラムで約5000人を前に「ここから、はじまる。民主主義の逆襲」と題した特別講義を行った。

 サンデル氏の講義はこのように、YES/NOをハッキリと示しにくい議題を受講者に投げかけ、自分の頭で考えさせるのが特徴だ。ハーバード大学でのサンデル氏の講義「Justice(正義)」は、延べ1万4000人超が履修し、テレビ放映で一般公開されたほど。今回の特別講義も5000席の枠に倍の応募があったという。2年前の出張講義(参照記事)では500人だったから、今回は約10倍の受講者を集めた。


サンデル氏は今回の特別講義の中でもいくつかの難題を提示。受講者はサンデル氏の問いかけに対し賛成であれば白、反対であれば赤、というように手持ちのパンフレットを掲げて自分の意思を示した
 当日の内容は大きく前編、後編の2部構成。前編は5月16日に発売した近著『それをお金で買いますか――市場主義の限界』でも触れているダフ屋のチケット問題や命名権、インセンティブについて。後編は東日本大震災を受けて日本の原発問題などを題材としたものだ。いずれもボードやスライドは一切使用せず、受講者に語りかける対話形式のスタイル。議論を促す“サンデル流”講義の全ぼうをお伝えする。


今回の特別講義は、東京国際フォーラム開館15周年記念事業という位置付け。「皆さん、準備はできていますか?」――。盛大な拍手で迎えられたサンデル氏の問いかけで講義は始まった(写真右は早川書房の早川浩社長)


社会でお金が果たす役割とは

サンデル 今晩のテーマは『ここから、はじまる。民主主義の逆襲』です。今、民主主義が直面している課題が「お金と市場の役割は何なのか」「社会でお金が果たす役割は何なのか」ということです。今日の世界では、お金で買えないものはどんどん少なくなってきていますよね。


 例えば皆さんが罪を犯し、刑務所に行かなければならないとします。ところが普通の独房は狭くて嫌だ、お金を払って快適な独房に行きたい。こうした要望が米カリフォルニア州のある町ではできるんです。お金があれば快適な独房が買えるんですよ?

 少し昔話をしますが、子供のころ、私は野球のファンでした。お気に入りのスター選手のサインを集めていたんです。当時は少し早めに野球場に行けば、選手たちはファンにサインをしてくれたんです。私はボールや紙にサインをしてもらいました。

 一度ラッキーだったのが、あるゴルフトーナメントに行ったときのこと。チャリティートーナメントだったので、いろいろなスター選手が来ていて、私にもサインをしてくれました。元メジャーリーガーのミッキー・マントル、ジャッキー・ロビンソン、ジョー・ディマジオ。今でも実家の屋根裏部屋のどこかに彼らのサインがあるはずです。

 こうしたサインは、一瞬の思い出ではありますが、記念ですよね。偉大な私のヒーローであった選手との思い出です。しかし現代では、こうしたスポーツ選手のサインの集め方がずいぶんと変わっています。それはもう数十億ドルもの一大産業に育っているんです。そしてブローカーやディーラーなどの仲介業者、さまざまなお店がサインを扱っています。これは時代の象徴といえるでしょうかね。時代はここまで変わってきているんです。


自分の街の命名権は誰のもの?

サンデル 最近スポーツスタジアムに行くと、企業の名前が付いている場合がありますよね。命名権というものです。今ではおなじみとなっていますが、実は30年前はほとんど知られていないことでした。

 あるニュースで見たのですが、日本でも大阪府の泉佐野市が命名権を売却する話題がありましたよね。そのように今ではスポーツスタジアムなどの域を超えて命名権が広がっています。さて、ここで皆さんに意見を聞きたいと思います。

あなたの住んでいる町の財政が厳しく、今にも破たんしそうです。そんなとき、ある企業が何百万円かを寄付してくれることになりました。ただし、条件があります。町の名前を企業の名前と関連したものしてほしいというものです。あなたなら賛成ですか? 反対ですか?

サンデル (会場では白[賛成]と赤[反対]が半々)なかなか面白い結果ですね。半々に分かれるとは、私はこういう結果になるとは思っていませんでした。興味深いです。


命名権の売買を多数決で決めた場合

サンデル では、あなたが住んでいる町や市の名前を企業に売ることについて、まずは賛成の人の意見から聞いてみましょう。白を挙げた人、賛成する理由は何ですか?

ケイタ(賛成) 賛成です。命名権を売ることに反対する理由はないし、賛成をすればお金が入ってくるので。

サンデル 分かりました。では反対意見も聞いてみましょう。どういう理由で反対したのか、そしてその反対意見を聞いて賛成の人を納得させられるかもしれませんし、できないかもしれません。

アオイ(反対) 市というのは、企業の財産ではありません、市民の財産です。ですから一企業が市の名前を買うのは正しくないと思います。

サンデル あなたの名前は?

アオイ(反対) アオイです。

サンデル では先ほどの人は? ケイタですね。ではケイタ、アオイに話してください。そしてアオイの理由に納得したかどうか答えてください。

ケイタ(賛成) 当然、市というのは企業のものではないと思います。でも、市が市民のものである以上、市民にとって利益になる命名権が与えられる場合は、承認されてもいいんじゃないかと思います。

サンデル アオイはケイタのこの意見にどう反論しますか?

アオイ(反対) そうですね。命名権の売買を決める人は責任者ですよね? 市で言えば市長など。うーん……ソーリー(困った様子)。

サンデル いいですよ、ではちょっとアオイに質問をしましょう。例えば市の名前を変えることで、市民はお金を受け取れるとします。それに対して市民投票をしたら過半数がよい(お金をもらえるのなら命名権を売ってもいい)と答えたとします。アオイはどう答えますか?

アオイ(反対) もしも市民の過半数が良いと言ったとしても、100%ではないですよね? 100%が良いとしたのなら、変えてもいいと思いますが。

サンデル 全市民が賛成しないとダメですか? それは厳しい条件ですね(笑)。では99%なら?

アオイ(反対) 99%ということは、反対の人が1%いるということですよね。市の名前は重要で、大事だと考える人が1%でもいるのなら変えない方がいいんじゃないでしょうか。

サンデル アオイがその市民なら、きっとその1%ということですね。(会場笑)


自分自身のアイデンティティーを売ることはできる?

サンデル 過半数の意見が必ずしも正しいとはいえませんので、アオイは正しいかもしれませんね。では市の名前、町の名前、なぜこれが大事なのでしょうか?

アオイ(反対) 一部の人にとっては、自分のアイデンティティーを表すからだと思います。そういう人にとって、市の名前を変えることはたやすいことじゃないと思うんです。お金のために市の名前を変えるのはよくありません」

サンデル では市の名前が市民としてのアイデンティティーを表すものならば、お金のために名前を変えるのは、いわば市民としての価値の中心のあるものを変えてしまうと、だから反対だということですね。これは非常に強力な議論だと思うのですが、ケイタはいかがでしょう?

ケイタ(賛成) そう思います。ただ、もしアイデンティティーよりもお金の方がいいと市民が判断すれば、市の名前を変えてもいいんじゃないでしょうか。アイデンティティーとお金のどちらが重要かは、市民によると思います。


サンデル それでは、ケイタに質問です。市民としてのアイデンティティーがいま問題となっていますが、もしそれが個人としてのアイデンティティーだとしたらどうでしょう? あなたがお金を必要としている場合、そしてある企業が申し出をしたとします。『あなたが必要としているお金をあげましょう』と。例えば大学の授業料です。あなたは大学生で、ワシントンD.C.の学校に通っているとします。そして授業料が必要だった。するとある企業が「あなた自身の命名権をくれるのなら授業料を出します」と申し出をしてきました。例えばあなたの名前がマスターカードとか、マクドナルドとかになるんです。ケイタ・マクドナルドとかね。あなたは授業料と引き換えに名前を変えられますか?

ケイタ(賛成) はい、やると思います。

会場 (笑)

サンデル (拍手をしながら)いくらくらいですか?

ケイタ(賛成) 10億円です。

サンデル 随分と多額のお金ですね。それ以下では応じないということですか?

ケイタ(賛成) たぶん。

サンデル もしかしたら応じるかもしれない、企業は交渉の余地があるということですね。つまりあなたは自分自身の名前、自分自身のアイデンティティーも価格が付けられるということです。アオイは今のケイタの意見についてどう思いますか?

アオイ(反対) もしかしたら、ケイタにとってはそうなのかもしれません。自分のアイデンティティーにも価格を付けられる。でも、私の場合にはそうではありません。

サンデル あなたは名前を売らないということですね。

アオイ(反対) はい、売りません。

サンデル アオイ、ケイタ、ありがとう。

会場 拍手


 続いての議題は「何ならばお金で買えるか」だ。サンデル氏は「友情」「結婚式の祝辞」「コンサートのチケット」「医師の診察券」などを例に挙げながら受講者に問いかけた。

お金で変えるもの、買えないもの


サンデル さて、何ならばお金で買っていいのかという議論をするに当たって、たとえ試みたとしてもお金で買えないものがあることを認める必要がありますね。例えば、友情。これはお金で変えないですよね? 今よりも友達の数を増やしたいと、でも普通では友達ができない人だとすると、お金で友達を買おうとしても、うまくいきませんよね。これは非常に興味深い哲学的な命題でもあります。

 なぜお金で友情は買えないのか。恐らく皆さんはこう思っている思います。お金で友人を買ったとしても、実際に自分が求めている本質的なところは変わりません。お金で買った友人は本当の友人ではないということです。皆さんもそう思いますよね? ケイタも、さすがにお金で友人は買えないですよね

 ところが多くのものが、友情と違ってお金で買えてしまうんです。ということで、さらに倫理的、あるいは市民という立場から『何ならばお金で買えるか』という疑問を考えてみましょう。

お金で買った祝辞で感動できる?

サンデル ちょっと友情に似た例を挙げましょう。皆さんの中には、友人の結婚式の祝辞を頼まれたことがある人はいますか? スピーチをして乾杯の音頭を取るんです。一度くらいはありますよね? それで経験した人は分かると思いますが、祝辞をしてくれと頼まれると、皆が皆、気安くOKとは言えませんよね。雄弁で感動的で、それでいてジョークも交えたユーモラスなスピーチをしなければとナーバスになります。もちろん、みんながそんなスピーチを書けるとは限りません。

 実は、結婚式の祝辞を代筆してくれる『 The Perfect Toast.com 』という有名なWebサイトがあるんですよ。このサイトで新郎新婦の人柄や、自分との関係、そして祝辞の内容はユーモラスがいいか感動的がいいかという条件を書き込むと、3日で出来上がった祝辞が届きます。

 皆さん、これはいくらくらいだと思いますか? ちょっと大声で言ってみてください。(会場からの声を拾って)50ドル? わざわざあなたのために作ったオリジナルなのに? たった50ドルですか?(笑)――答えは送料込みで149ドルです。


 さて、皆さんに質問です。このようにお金で買った祝辞は、心を込めて書いた祝辞と一緒でしょうか? 例えばあなたの結婚式で、親友が本当に感動的な祝辞をしてくれたとします。あなたももう涙、涙で。ところが後からその祝辞がオンラインで149ドルで買ったものだと分かります。皆さんどう感じますか?

 あの時の感動は何だったのかと、価値が下がったと思いますね、恐らく。結婚式の祝辞は友情とは違ってお金で買えるものかもしれませんが、ある意味では友情と一緒です。お金での取引によって、価値が失われてしまうんです。意味のないものになってしまうということですね。

 これは多く物や財に言えることです。家族としての生活、市民としての生活、いろいろなことに当てはまります。お金で買おうとしても実はお金で買えないものなんです。


ダフ屋行為が許せるチケット、許せないチケット

サンデル 別の例を挙げたいと思います。自由市場を適応して販売しているチケットの話です。ロックコンサートや野球のワールドシリーズの試合、誰もが手に入れたいと思うチケットです。そうしたチケットの売買は時々ダフ屋が仲介してしまうよね。チケットを買い取って、別の人に高額で売り付ける人たちです。

 ここで皆さんに質問です。

米人気歌手のレディー・ガガのコンサートがあり、チケットが販売されています。中にはダフ屋もいて、皆がほしいとい思うチケットを数倍の値段で売っています。あなたはこうした自由市場の在り方について、賛成ですか? 反対ですか?


サンデル 今回の質問でも意見が半々に分かれていますね、ただ、どちらかと言うと賛成、つまりレディー・ガガのコンサートチケットでダフ屋が出るのは構わないといった人の方が若干多いようです。

 では違った例を上げてみましょう。やはりチケットのダフ屋の例です。同じような意見か、皆さんにもう一度聞いてみたいと思います。

 私が中国に行ったときのことですが、北京の病院の外で長い行列ができていました。田舎から出てきた患者が、医師の診察を受けようとして行列を作っていたんです。その人たちは夜通しまたは数日間待たなければ、医師の診察を受けられないそうです。朝9時になると受付が始まり、医師の予約券が配られます。予約券自体はそれほど高価なものではありません。ただ、限られた数の予約券しかないんです。

 そしてダフ屋が気が付きました。これがビジネスになると。ホームレスなどを雇い、行列で待ってもらって、予約券を手に入れるんです。そしてその予約券を、レディー・ガガのコンサートチケットと同じように売りつける。例えば「リュウマチ専門医の予約券ですが、いくら払いますか?」という形で売りつけているんです。これも自由市場ですね。では皆さんに意見を聞きたいと思います。

病院の予約券を競りにかけて売るダフ屋行為は、自由市場の在り方として構わないですか? 間違っていると思いますか?

サンデル 今回はかなり違った結果になりましたね。大多数が「間違っている」で、「構わない」という答えは少数という結果になりました。では皆さんの意見を聞いていきましょう。まずは予約券のダフ屋行為は何かおかしいと思う人、理由を教えてください。どういう理由で間違っていると思いますか?


レディー・ガガのチケットは良くて、医師の診察券のダフ屋行為はダメ?

男性(反対) 私はレディー・ガガのチケットの場合も医師の診察券の場合も両方とも反対しました。ただ問題は、レディー・ガガがチケットのダフ屋行為についてどう思うのか、そして病院や医者がどう思うのかにかかっていると思うんですね。レディー・ガガが自分のチケットがダフ屋で売られていると知ったらどう思うでしょうか? そして医者も自分の診察の予約がお金で売り買いされていると知ったらどう思うでしょうか?

 非常に残念でがっかりすると思います。ですからこの問題は、供給サイドと需要サイドの気持ちが重要ということです。資本主義というのは、需要サイドにばかり目が向いて、供給サイドを忘れていると思います。

サンデル でもそんなこと構わないんじゃないですか? あなたがレディー・ガガだったらどうしますか? 気にしますか?

男性(反対) いや、レディー・ガガの気持ちは分かりません。ただ、恐らく彼女のこれまでの行動などを見るならば、いろいろな非営利団体での慈善活動をしているので競り行為でチケットが売られるのは嫌がると思うんですよ。皆が平等に見られるように願うと思うんです。

サンデル では逆に、ダフ屋行為に反対はしない、レディー・ガガのチケットも医師の診察券もどちらの場合も構わないんじゃないかという人に聞いてきたいと思います。どうぞ立ちあがって意見をお願いします。

女性(賛成) 私は医師の診察を受けるのも、レディー・ガガのコンサートに行くにも、それが本当に必要だとするならばお金はいくらでも後から貯めることができると思うんです。特に病院の場合は、私はお金で片が付くのならば、お金を貯める方を考えます。

サンデル では医者の予約は、最も高いお金を払った人が行くべきだと思うのですか? それで構わないんですか?

女性(賛成) いえ、それが本当に必要であるならば、そのお金を貯めるために何でも努力をすると思います。

サンデル では構わないということですね。では次にレディー・ガガのチケットの場合は構わないけども、医師の診察券の場合には反対という人の意見も聞いてみましょう。

男性(医師の予約券は反対) 人は皆、貧しい家庭の出身かお金持ちの家庭の出身なのかにかかわらず、誰もが同じ権利を持つべきだと思います」

サンデル 「それは医師の予約についてということですね。ではレディー・ガガのコンサートについてはどうですか?

男性(医師の予約券は反対) 私はレディー・ガガのチケットが手に入らないからといって、そんなに苦しむことはないと思います。

サンデル でもつらい人がいるかもしれませんよ?

男性(医師の予約券は反対) それほどひどく辛いとは思わないのではないでしょうか。医療行為を受けることができない人の方が辛いはずです。

サンデル では医療行為については誰でも受ける権利があるけれども、コンサートには行く権利はないということですか?

男性(医師の予約券は反対) そうです。

サンデル 分かりました。では他に、やはりダフ屋行為について、医師の予約券には反対だけどコンサートのチケットは問題ないと考える人、どうぞ。

レイカ レディー・ガガのコンサートはエンターテイメントで、なくても生きていけるものだと思います。行けなくても次のチャンスがあります。でも医師の予約券は人間にとっては健康が必要ですから、もしお金がなくて医師の予約が取れなかったら死んでしまうかもしれません。ですから、お金を貯めて医者にかかる、そうでなければいけないというのは、正しくないと思います。

サンデル あなたの名前は? レイカですね。ではレイカ、別のケースについて聞きましょう。哲学の授業のダフ屋行為はどう思いますか?

レイカ この講義であれば私は払います。(会場笑)

会場 拍手

サンデル でも、出なくても生きていくことはできますよ。

レイカ 私の知識や勉強のためです。

サンデル では教育というのは医師の予約に似ていますか? それともエンターテイメントに似ていますか?

レイカ 医師の診察券に似ています。

サンデル 医師の予約に似ているということですね。それは気に入りました。(会場拍手)

サンデル この議論で面白かったことは、ダフ屋行為、これはもちろん自由市場の活動と捉えることができるのですが、どういう場合ならば良くて、どういう場合は良くないのか。今の議論を聞いていると、状況によって変わるようですね。

 すなわち、どういう対象物に関してのダフ屋なのかで、許せるか許せないかが変わってくるということです。例えば自分のよい生活のために、あるいは人間の暮らしの中で娯楽といえるエンターテイメントならばダフ屋行為もよいのではないか、市場経済は構わないのではないかということだと思います。

 ところが大多数の人は、医師の予約券に関しては市場主義は適切ではないという意見でした。これは絶対的に必要なもの、人間の尊厳にかかわるものは、売り買いしてはいけないのではないか、という気持ちが強くなっているからだと思うんです。つまりわれわれは、お金で買えるもの、買えないものをどこで線引きをするのか。どういうものならば許されるのか。そういう議論が必要だということではないでしょうか。



■放射性廃棄物の受け入れはお金で解決できる?――マイケル・サンデル教授の「民主主義の逆襲」


放射性廃棄物の受け入れはお金で解決できる?――マイケル・サンデル教授の「民主主義の逆襲」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120607-00000020-zdn_b-bus_all
6月7日(木)9時58分配信 誠 Biz.ID


5000人が白熱した特別講義

 ベストセラー『これからの「正義」の話をしよう』の筆者で、米ハーバード大学教授のマイケル・サンデル氏。5月28日の特別講義「ここから、はじまる。民主主義の逆襲」での様子を伝える。前回の「レディー・ガガのチケットと病院の予約券、許せるダフ屋は?」に続いて今回は、放射性廃棄物の受け入れ問題などについて講義した。

●有名大学への入学権はお金で売り買いしていい?

サンデル さて、続いては皆さんが大学の経営者だった場合の話をしましょう。あなたの大学は優れた学生を輩出し、多くの受験生が入学したいと思う有名大学です。しかし資金難に苦しんでいました。そこで次の質問です。

優れた大学経営のためにお金を使いたいので、入学の権利の10%を最もお金を払った人から順に与えるというアイデアを思い付きました。裕福な親を持った学生達が寄付金をふんだんに払ってくれるなら、入学させるというものです。このような市場のメカニズムの使い方、そしてエリート大学への入学の権利を売り買いすることについて、あなたは賛成ですか? 反対ですか?

 サンデル氏の講義は、単純に授業を聴くのではなく、ある問いに対して受講者に答えを考えさせながら進んでいく。入学の権利が売り買いできることに賛成の人はパンフレットの白色の面を、反対の人は赤色の面を掲げて意志を示した。サンデル氏は会場を見渡すと、こう話した。

サンデル やはり意見が分かれていますね。反対意見の方が多いようですが、賛成意見の人もかなりいます。ではまず反対意見の人から、反対とする理由を聞いてみましょう。

男性(反対) 僕が反対する理由は、裕福な家庭で寄付金が出せるからといって10%の人を集めると、残り90%の一般入試で入った人に不公平だと思ったからです。

サンデル 90%の学生、豊かな両親がいなくて入学権利をお金では買えない人にとって不公平だということですね。でも競争で、入試で受かれば入学できますよね? そうじゃありませんか?

男性(反対) そうなのですが、入学後の環境といった形でも「あの人は寄付金を出したから入れたんじゃないか」とうわさが立つ可能性もありますし、学内の問題も出てくると思います。

サンデル 大学が10%の入学枠のことを公表しなかったらどうでしょうか? 「あなたは寄付金を払って入学した学生だから違った色の服を着てこい」のような要求をしなかったとしたら?

男性(反対) 確かにその通りですが……。難しい質問です。

サンデル 分かりました。ではお金で入学を許可することを構わない、それは正しいと思う人の意見も聞いてみましょう。

マサコ(賛成) もしその10%の人たちによって寄付金が入れば、大学はもっと良い教授を採用できて、90%の人たちにもメリットがあります。また、その10%の人も十分に優秀でなければ卒業できないとしたら、両方にとってWin-Winの状況になると思うんです。教授にとっても、優秀な学生にとっても、そして10%の学生が卒業できればその人たちにとってもメリットです。

サンデル お名前は? マサコですね。今マサコが言ったのは、大学が10%の分のお金を手に入れたらどういうことができるのか、入試で入った人たちにもメリットにもなるという話でした。寄付金によって余分にお金が使えることで、大学は有名教授を採用できて、みんながそのメリットを享受できるということです。ではどなたか、このマサコの意見に反論してくれる人はいますか? 彼女を説得できるか、直接マサコに話しかけてみてくださいね。

●マサコ、君は間違っているよ

ケンジ(反対) マサコ、君は間違っているよ(笑)。お金が一番大事だと考える人が多すぎる。10%の学生に、両親がお金を払えば入学を認めるというようなことは、私は認めてはいけない。それは、学生にお金が大事だというメッセージを伝えてしまうからです。大学がそういうことをしてはいけません。

サンデル でもお金は大事でしょ? 大事じゃないのかな?

ケンジ(反対) ある程度までは、大事だと思います。

サンデル なるほど。でもマサコが言ったように、大学はそのお金をいい目的のために、全員のためになるように使えるんですよ? あなたの名前は? ケンジですね。ではケンジ、あなたは私のこの意見にどう答えますか?

ケンジ(反対) 一部はその通りかもしれません。たださっきも言ったように、考え方として、お金で買ってはならないものまで買えることを学生に伝えてしまいます。例えば教授です。これは学生にとって非常にマイナスの影響を与えると思います。

サンデル ではマサコは今のケンジの意見にどう答えますか?

マサコ まず、お金は大事です(笑)。私はお金そのものではなく、お金が夢をもたらすことが大事だと思います。お金で積極的にならないと、その機会を失ってしまいます。今回の例で言えば、いい教授の講義が聴けるというように夢がなくなってしまうじゃないですか。

ケンジ いや、その意見には僕は反対です。というのも、今の世の中は環境よりも経済が優先されている。だからこそこうした体たらくな世界になってしまっていると思うんです。ですから人類がお金にどれほどの重要性を与えるのか、コペルニクス的な発想の展開をすべきです。環境の方が経済よりも大事だと変えるべきです。

●「裕福な学生の寄付金を貧困な学生の奨学金に」に納得できる?

サンデル マサコにちょっと提案をしたいと思います。こう主張すれば、ケンジも納得するかもしれませんよ。ちょっと私が助けてあげましょうか。

 例えば、集めた寄付金は新しい教授を雇い入れるために使うのではなく、優秀な学生、特に貧困な家庭で育った優秀な学生に奨学金を与えるのはどうでしょう。つまり裕福な家庭の学生は寄付金で入学し、そのお金で20人、成績は優秀だけど貧しい学生に奨学金で入学してもらうんです。これならばどうでしょう? その主張をしたらケンジは納得するでしょうか?

ケンジ(反対) その方法であれば、10%という寄付金を使わなくても税金という良い手段があるわけです。あるいは福祉政策というのもある。高所得者の税金を高くすれば、そのお金で貧しい世帯の学生の授業料に当てられます。すなわち直接的なお金の取引でなくてもいいと思うんです。

サンデル では民間の私立の大学だったらどうですか?

ケンジ(反対) 同じです。

サンデル 私立の大学でも、市民に税金をかけて、奨学金を学生に与えるんですね。分かりました。マサコとケンジに感謝します。

●「成績優秀なら50ドル」はありかなしか

サンデル さて、今回の議論でもお金の役割について意見が分かれていました。お金の対象となっている高等教育へのアクセス、そしてそれ自体をお金で売り買いすることで価値が損なわれるかどうか、です。

 実際、市場メカニズムを教育に使うのは、成績があまり良くない学生の動機付けをする試みとして一部で行われているんです。米国の多くの学校区域で、貧しい家庭の生徒のやる気を引きだそうとして、現金のインセンティブを使っています。

 つまりこうです。テストで高い点数を取った生徒に対し、成績がAであれば50ドル、Bであれば40ドルを与えるのです。これはニューヨーク、シカゴ、ワシントンD.C.、そしてダラス(テキサス州)でも試みられています。実際にどうなったか、それは後ほどお答えします。

 まずは似たような例の話で、皆さんに質問をしてみたいと思います。

あなたはある学校区域の教育委員長です。地域の生徒に現金でインセンティブを払うことで、よい成績を取ろうという気持ちや、もっと本を読もうという気持ちにさせよういう意見がありました。これは検討に値しますか?

 サンデル氏は再び、会場の聴衆に赤と白のパンフレットを掲げさせた。

サンデル やはりかなり半々近くに意見が分かれていますね。反対が大多数のようですが、検討に値する、賛成という人もかなりの数がいます。まずは反対意見の人に聞いてみましょう。なぜ反対意見なのですか?

ミツヒロ(反対) そうですね、お金は確かに大事で、貨幣経済が成り立っている中ではお金が常に身近にあると思います。けれど、あくまでもお金は自分の外にあるものであって、自分の能力や内側にあるものではないと思うんですね。本を読むとか能力開発においては、自分の内側のモチベーションが大事です。例えばサンデル教授みたいに面白い講義をするとか、そういうことが大事なんです。

 本を読むことでお金をあげるというのは「何かをすればお金がもらえるのが当たり前だ」という潜在的な意識付けになってしまい、むしろ教育的にはマイナスだと思います。だから反対です。

サンデル あなたのお名前は? ミツヒロですね。ミツヒロは生徒に「学習をしたい」「読書をしたい」という内なる動機付けを狙うべきであって、お金のインセンティブ(お金を払うこと)で間違った教育になることを心配しています。この意見が違う、反論したいという人いますか? どうぞ。

リサ(賛成) 私がお金のインセンティブがいいかなと思ったのは、きっかけは何でもいいから、本を読む面白さに目覚めれば、それでしめたものではないか、ということです。常にお金がモチベーションではダメだと思いますが、家のお手伝いのようにお金をもらえるから必ずやるんではなくて、お金をもらえるという市場のメカニズムは知りつつ、自発的にしようと目指していけばいいと思います。

サンデル お名前は? リサですね。ではリサ、あなたは家でお手伝いをしてお金をもらいましたか?

リサ いいえ。

サンデル ではいい成績を取ったらお小遣いをもらいましたか?

リサ そういうチャンスがあったらそうしたかもしれませんが、そういうチャンスはありませんでした。

サンデル ということは、成績が良くなかったということかな~?

リサ ただ、私はいい成績をとったらダンスを続けてもいいと、親から別の条件をもらって、勉強を頑張ることで勉強の楽しさに気付きました。だから、別にそれがお金でもいいのかなと思います。

サンデル 分かりました。ではミツヒロはどうでしたか? 両親から良い成績を取ればお小遣いがもらえましたか?

ミツヒロ 小学生のときに、テストで100点を取ったら500円をあげるよとは言われました。

サンデル それでいくらもらいましたか?

ミツヒロ いや、80点とか90点はいくんですけど、ノーミスで100点はいうのは難しかったので、結局0円でした。

サンデル 残念でしたね~。では自分の子供にはどうしますか? いい成績を取ればおこづかいをあげますか?

ミツヒロ 勉強に教育費は必要だと思いますが、やはりインセンティブとしてお金を使うのは、反対です。子供が勉強の本質そのものの面白さに気付けるように、難しいとは思いますが、勉強は楽しい、将来こう役立つということを教えるのが親としての役割ではないかと思います。

サンデル 分かりました。皆さんも同感だったと思うのですが、ただリサはこう言っていましたよね。生徒たちがまだ学ぶ喜びを理解していない場合には、おこづかいをあげることによって、そのことに気が付くキッカケになるかもしれない。その後、学ぶ喜びを取得するかもしれないと。

●学ぶキッカケ作りにお金を使うのはいいこと?

サンデル つまりリサが言っていたのはこうです。読書習慣が付くまでの最初のころは、1冊読めば2ドル払うのはいいと。お金がそういうきっかけ目的に使われて、結果として習慣が付いて学ぼうという姿勢が出てくる。それで生徒も喜びを見いだすとしたらどうでしょう? ミツヒロはどうかな?

ミツヒロ (少し沈黙)……キッカケだとしても、やはりいつかお金をもらうことから離れていく必要があるときに「あの時はよかった。読めばお金をもらえた」と後ろめたさを残してしまうと思います。勉強は外から何か与えるのではなくて、自身でモチベーションを発生させる仕組みを作る必要があるのではないでしょうか。

サンデル 分かりました。今の意見の食い違いは、私が理解した限りでは、いくつかの異なる立場がありますね。まず、学びに対する究極的な目標では意見が分かれていませんでした。そして、そこに到達するのに「喜び」「内なる動機付け」が必要であるとする考えも同じだったと思います。ただ意見が分かれたのは、お金が果たす役割です。

 お金で悪い習慣を育ててしまうと、悪い教育になってしまう。それともお金を使うことによって、やがてはいい動機に結び付くかもしれない。この点で意見が分かれていました。

 ではさっき紹介した実験について結果を述べましょう。

ニューヨークやシカゴ、ワシントンD.C.では、生徒に勉強のやる気や読書習慣を身に付けさせるために、成績がAであれば50ドル、Bであれば40ドルというように金銭的インセンティブを払うことにしました。またダラスでは、本を1冊読む度に2ドルあげる、という試みをしました。

サンデル 結果は……地域によってまちまちでした。ニューヨークの場合、良い成績の生徒に報酬を払う方法を取りましたが、結果、生徒の成績は上がりませんでした。ところが、本を1冊読めば2ドル与えるとしたダラスでは、地域の生徒が本を以前より読む結果に結び付きました。ただ残念ながら、短い本ばかり読むという習慣にもなってしまったのですが……。(一同苦笑)

サンデル 金銭的インセンティブには、より大きな問題があります。非常に面白い議論でしたね、ミツヒロとリサに感謝します。ありがとう。(会場拍手)

●お金をもらってお礼状を書く子供

サンデル さて、今の議論の中でより大きな問題が浮き彫りになってきました。つまり、お金をインセンティブとして使うことで、どういう教訓を得ることになるのか、習慣を身に付けることになるのか、ということです。

 お金がきっかけで習慣になるのか、本当の動機付けや学習意欲につながるのか。それとも、お金を払うことで間違った教訓となり、自分のためという本来の勉強意欲が湧かなくなってしまうのか。

サンデル ここで、1つお話をします。私の友人が、子供達にお礼状を書くと、お礼状1通につき1ドル払うという試みをしていました。夕食会に招かれた、あるいは贈り物をもらったときに、お礼状を書かせるためです。私もその子たちからお礼状を受け取ったことがあります。そして読むと、無理やり書かされているのが伝わってくるんです。

 妻と私は、そのことについてそれほど悪いことだとは思いませんでした。しかし、子供達が今後どう育っていくのかには関心を持っていました。

 2つの可能性があると思います。1つ目は、お礼状を書く習慣が身に付いて、大人になっても本来の感謝の気持ちを表すためにお礼状を書くようになるんです。その場合には、リサが言うようにお金を払うことで、それがきっかけとなり習慣付けられたと言えますね。本来の目的のためにお礼状を書くようになります。

 2つ目は別の可能性として、ミツヒロが言ったようにお礼状は嫌々書くもので、お金をもらうことでやっと書く気になるという例です。金銭的インセンティブを払うことで、道徳的には間違ったことを教えていたことになります。子供には感謝の気持ちを表すためにお礼状を書くのだということが伝わっていません。

 ではこの2つの可能性の結果どうなるのか。お金を払うことがきっかけで、本来の目的につながる。もしくはお金を払ったことによって、目的が堕落してしまって本来の目的が果たされない。この2つに分かれてしまいますね。

 実はこのことは、子供の勉強意欲、読書習慣、お礼状を書くことだけに当てはまることではないんです。ある社会的に重要な意思決定にもかかわってきた実例がありました。金銭的インセンティブによって、秀でた目的を閉めだしてしまったのです。

●あなたの町で放射性廃棄物を受け入れる?――報奨金を知ったら賛成派が半減

サンデル スイスでは、長年に渡って原子力の放射製廃棄物処理場をどこに置こうか探していました。日本でも今、同様のことが問題になっていますよね。スイスでも同じです。どこの自治体でも、非常に危険性があることなので自分の裏庭では嫌だと思っていたわけです。

 そして1990年代に、スイスの議会では山の中の小さな町が一番安全だとして、候補先に決めました。しかしながら当然、町民の承認が必要でしたので、議会が承認を下す前に町民に対して調査を行いました。「もし議会が決定をして、処理場をあなたの町に置いたら、構いませんか?」と。すると51%の町民は「はい。構わない」と答えました。

 その後再び質問をしました。「この提案を受け入れる代償として町民1人1人に毎年6000ユーロという保証金を払います。そうすれば受け入れてもらえますか?」と。

 この質問に対して、どのくらいの人が「はい。構わない」と答えたと思いますか? ちょっと数字を叫んでみてください。70%ですか? 80%? 90%? 20%?

 ――実は下がったんです。報奨金が支払われると知ったとたんに「構わない」という人が51%から25%に、半分になってしまいました。標準的な経済論理からすると、これは逆説的な結果ですよね。ほとんどの経済学者はこう予測するはずです。「金銭的なインセンティブを与えれば、もっと受け入れてくれる人が増えるはずだ」と。当然そういう論理になります。ではなぜ、実際にはこうした結果になってしまったのでしょうか?

 その理由は何か、思い付く人はいませんか? どなたか説明してもらえませんか?

男性A お金が払われることで、危険性の認識が高まったのではないでしょうか。お金を払うと言われると、そこに対する報償や賠償があるという認識が自分の中に生まれてしまい、危険なものとして心の中に根付いてしまった。だから25%に下がったのだと思います。

サンデル 分かりました。それも1つ可能性のある理由ですよね。報奨金を払うならば町民の人たちは以前よりも本当に危険なのだと思ってしまう。そういう可能性もあります。ただ実際は、スイスの場合は違った理由からだったんです。というのも、事前に「どのくらいの危険性があると思いますか」という質問も町民にしていたんです。すると「リスクの推定については(報奨金の話が出る前も後も)ほとんど同じ」としました。つまり他の理由があったはずです。他に理由が思い付く人、どうぞ。

男性B 6000ユーロと金額を提示されると、もっとそれ以上価値があると思った。だから金額が出た時点で反対の人が増えたんじゃないでしょうか。

サンデル ただ、金額を提示する前、報奨金がゼロのときには賛成票が多かったのですよ?

男性B 政府が払うと言っているので、6000ユーロでは妥協しないという人が増えたんじゃないでしょうか。もっと言えばもっと払ってもらえると思う人が多かったということです。

サンデル 反対票を投じたのは交渉の戦術だったかもしれない、というわけですね。そういう可能性もあるかもしれません。他にはどうでしょう?

ミワコ 最初は善意というか共同体のために人肌脱ごうという気持ちでいたのが、値段を付けられて、おとしめられたような気持ちになったのだと思います。

サンデル お名前は? ミワコですね。今ミワコが面白いことを示唆してくれました。最初の質問のときには「自分の地域や国のために必要だから犠牲になろう」という責任感からでした。それがお金を払うことになれば、もう犠牲でも何でもなくなってしまいます。つまり「共通善」ではなく、お金のためにする堕落感が生まれてしまったのです。町民は全体のためになる犠牲は払うけども、お金のために家族を危険に晒したくないということですね。ありがとうございます。

 今示唆されていることは、標準的な経済理論、すなわち金銭的インセンティブは実際には複雑だということです。というのも、市民的責任感や愛国心、共通善に対してお金を受け取るのは、何だか賄賂を受け取る気持ちになるということです。

 そしてスイスの例ですが、一部の人に「何で気持ちを変えたのですか?」と聞くと、「賄賂なんかもらいたくない」「お金なんかいらない」という声が返ってきたんです。

●金銭的インセンティブが賄賂になるとき

サンデル それでは、金銭的なインセンティブが賄賂と受け止められてしまうのはどのような時なのでしょうか。人々が持つ目的との関連性、スイスの場合は原子廃棄物処理場をどこに置くかでしたが、そこにお金という要素が入ると、ある他の価値観が閉め出されてしまいました。つまり態度や価値、規範は市場では図れない価値がある場合が多いということです。

 ここで別の例を挙げてみたいと思います。

●罰金を課したら、むしろ違反者が増えた

サンデル イスラエルのある保育所では、どこの保育所でも抱えているある問題がありました。子供のお迎えの時間に親が遅れてくるのです。保育士は遅れてくる親が到着するまで、待っていなくてはなりません。

 この保育所では、経済学者の知恵を借りてこの問題を解決しようとしました。遅く来た親に対して、罰金を科すというものです。どうなったと思いますか? 大きな声で言ってみてください。

サンデル 遅く来る親が増えた? 本を読んだんですね(笑)。あるいは自分でそうではないかと思ったのでしょうか。

(※編集注)本講義の内容は5月18日に発売したサンデル氏の近著『それをお金で買いますか――市場主義の限界』を基にした内容も含まれており、スイスの町の放射性物質受け入れ問題についても触れられている

 そうです。遅く迎えに来る親の数が増えたんです。標準的な経済学の考え方を当てはめると、これは逆説的ですよね。遅刻に対して罰金を科すと減るはずが、むしろ逆のことが起こってしまいました。スイスの町で起きたことも経済学の論理と逆でした。

 遅刻する親は、以前は保育士に対して「迷惑を掛けている」そして「遅刻しないようにしなければ」という義務感があり、罪悪感を感じていました。しかし罰金を科されるようになって、まるでこの罰金は手数料のようだと親は割り切れるようになってしまったんです。サービスのためにならお金を払っても構わないと思うようになってしまったのですね。金銭的なやりとりの関係になったことで、ベビーシッターを雇うのと同じになってしまったわけです。

 このような例を見て、そして今までの議論の中で何が分かるでしょうか?

●金銭をやり取りすることで本質が変化するものとは

サンデル 標準的な経済理論において、市場は中立的なものであるという前提に立っています。すなわちその市場で取引する物自体が市場を汚したり、損なったりしないものとされています。この論理は、物質的な物ならばそうかもしれません。例えば薄型テレビやトースター。私が自分で買う場合と、誰かが私への送り物にしてくれる場合、どちらも同じ薄型テレビですよね。

 ところが、このことは市民という価値や共通善、あるいは遅刻しないように頑張ろうとする保育所への義務感や責任感の場合には当てはまらないかもしれません。先ほどの結婚式での祝辞の例に戻ってもいいです。つまり、市場やお金が導入されることによって、その対象物の性格そのものが変わってしまう場合です。

 とすれば、どこで市場が公共善のためになるのでしょうか。そしてどういう場合にはお金は使ってはならないのでしょうか。この議論は対象物ごと個々に考えなければならなりません。その対象物がどういう目的を持っているのか。そして、どういう姿勢、態度、価値観、規範が確率されるべきなのかです。

 例えば先ほどの議論に戻って、ダフ屋の問題です。レディー・ガガのコンサートチケットと同じように、医師の予約券は売り買いしていいのかなど、私たちは対象物の意味を考えました。

●「市場経済」と「市場社会」を区別せよ

サンデル これは多くの民主主義、資本主義社会で見られることですが、この30年の間、徐々に世の中が「市場経済」から「市場社会」に移り変わってきています。米国もそうですし、イギリスでも、欧州のいくつかの国でもそうです。

 ですが私の印象では、日本はまだそこまでは変わっていない、いわゆる欧米流の資本主義型社会ほど、日本では資本主義が根付いていないようです。しかし少しそういう傾向に動きつつあるように思います。ですから、市場におけるお金の役割について議論する場合の課題は、皆さんが置かれている社会によって違ってくるかもしれません。

 つまり私が言いたいのは、市場経済と市場社会を区別をしなくてはならないということです。違いはこうです。市場経済というのは、効果的な生産活動を運営するに当たって非常に効果的な1つの手段です。世界中の国が繁栄や富をもたらし、経済も成長してきています。

 一方、市場社会というのは、生活の隅々までお金や市場的価値が浸透し、全ての物が売り買いされてしまう社会のことです。人々の生活や市民生活、公の場での生活、どこでも売り買いできるものばかりが商品化されています。

 ですから市場の問題は、経済だけの論理や課題ではありません。われわれがどういう生き方をしたいのかにも関わってくるということです。

●お金で売買するもの、しないものを議論する場を持とう

 ここで最後に質問したいと思います。

今の日本では、お金はどれほどの役割を果たしていると思いますか? あなた自身が思う以上にお金がかなり大きな役割を果たすようになっている、まん延しているという人は「はい(赤)」を、そうではない、それほどお金は自分が思うほど役割を果たしていないという人は「いいえ(白)」を上げてください。

サンデル かなり面白い結果ですね。どうやら半々のようにも見えますが、少し赤の方が多そうな気もします。ということは、皆さんも気が付き始めているのかもしれません。自分が思う以上にお金が役割を果たしていて、そしてそれがいけないと思っているのです。

 ではお金が市場に果たす役割は何が適切なのでしょうか。これはわれわれ民主主義に則った市民が一緒になり、互いに議論をし尽くすことによって決めるべきでしょう。その際には、互いに反対意見を公の場で言い合うことも必要です。何か市場の適切な役割なのか、われわれは議論しなくてはなりません。

 われわれが大事だと思う社会的な財は何なのでしょうか。教育、健康、個人的な対人関係、市民社会、町の名前、市民としてのアイデンティティー。こういったことを公に議論していくことが必要です。

 市場という質問は、究極的には私たちが「どうやって一緒に生活を送っていきたいのか」「どういう生活を送りたいのか」、私たちが暮らす社会として、何もかもが売り買いの対象となる世界に暮らしたいのか、それとも道徳的あるいは市民的なものとして、市場では評価できない、お金では売り買いできないものがある社会の方がいいのか、ということです。

 今日の議論を聞いていますと、私は楽観的な気持ちになっています。ここにいる皆さんは、こうした民主主義的な議論をする能力が十分にあるからです。そして、もし世界中の民主主義の中で今日のような議論が公の生活の中心として行われるのであれば、それはとても重要なことだと思います。民主主義が復活できるでしょう。どうもありがとうございます。



■「御一人様、千円いただきます」財政難の大阪・泉佐野市が視察有料化


「御一人様、千円いただきます」財政難の大阪・泉佐野市が視察有料化
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120616-00000563-san-soci
産経新聞 6月16日(土)15時59分配信

 財政難の大阪府泉佐野市は15日、府外の自治体などから同市を視察に訪れる議員や職員1人につき千円を徴収すると発表した。7月1日以降の申し込み分から適用する。今年3月に市名のネーミングライツ(命名権)売却問題が浮上して以降、全国から視察が相次いでいるためで、配布する資料代などに充てるとしている。

 徴収対象は、市が作成した資料に基づき、職員が説明と資料配布を行うケースで、質疑を含め2時間以内を想定している。

 市によると、他自治体からの議員視察は、昨年度は4件だったが、今年度は5月までの2カ月ですでに同数に達した。うち3件は命名権や財政健全化に関する内容で、残る1件は市火葬場の視察だった。7月にも1件が予定されており、今後も増える可能性があるため、有料化を決めたという。

 視察に対する費用徴収は、財政破綻した北海道夕張市(5人以内1万5千円)や、京都府亀岡市(5人以内3千円)などでも一部実施されている。



■泉佐野市「風俗店には売らぬ」 ネーミングライツの行方は


泉佐野市「風俗店には売らぬ」 ネーミングライツの行方は
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/localpolicy/560150/
2012/05/05 14:14更新

 「市の名前に子供の教育にふさわしくない名前が付いたらどうするの」「いや、市の困窮を全国に知ってもらえた」-。財政難の大阪府泉佐野市が今年3月、市の名称を企業名や商品名に変更するネーミングライツ(命名権)売却を検討していることが判明し、議論が巻き起こっている。前代未聞の検討内容に、市民のみならず、各方面から賛否の声が寄せられる一方、改めて市の存在に注目した企業から共同ビジネスの提案が持ちかけられるなど、思わぬ余波も起きている。

 ■きっかけは収入確保

 関西国際空港の対岸に位置する泉佐野市は、平成6年の関空開港に合わせた大規模開発と、バブル崩壊、関空の利用者低迷による税収の落ち込みで財政が悪化。21年度には、財政破綻一歩手前とされる早期健全化団体に指定されている。

 そこで、昨年4月に就任した千代松大(ひろ)耕(やす)市長は、税収以外の新たな歳入確保を目指し、市の名称に企業名や商品名をつける代わりに広告料を受け取る命名権の売却構想を打ち出した。

 具体的には、市が所有する有形・無形の資産を広告媒体に、活用策を提案する企業を6~11月末まで募集し、その際の提案の参考例として、市の名称の命名権の売却▽職員が企業名の入った制服を着用▽市の名前や市庁舎、市道などに愛称を付ける-などを企業側に示す方針だ。


 しかし、市の名称変更には、知事の同意と関連条例案の市議会の可決が必要になる。市側が初めて議員に命名権売却検討の説明を行った3月の市議会全員協議会では、厳しい反論が相次いだ。

 「泉佐野の恥、(条例案に)絶対に賛成しない」

 「市民をひっぱりまわす発想がおかしい。全国から『(泉佐野市には)どこに理念があるのか』といわれる」

 「企業が金を出せば何をやってもいいという風潮に歯止めをかけないといけない」

 全18議員の大半が市名の変更に抵抗感を示し、「斬新な発想。そんなに市の財政が苦しいと初めて知ったという市民もいる」と、評価する意見は少数派だった。

 また、川端達夫総務相も報道を受け、「市名は安定的に同一の名称が用いられることが望ましい」と苦言を呈した。一方で、大阪市の橋下徹市長は「ものすごい広告価値になる」と評価するなど、賛否が広がっている。

 ■購入企業はあるか

 市によると、6月の提案企業募集開始に向け、現在は募集要領作成のつめの作業を行っている段階で、5月末にも要領をまとめる方針だ。当初、1~5年としていた契約期間を、もう少し長期的にできないかなどの検討を行っているという。

 企業の応募資格として、風営法で規制される企業でない▽代表者等が暴力団の構成員等でない▽民事再生法または会社更生法による再建中でない-などを掲げる予定だ。

 また、規制される広告内容としては、風俗営業▽政治・宗教活動▽ギャンブルその他投機心、射幸心をそそるもの-などを挙げるという。

 市の担当者は、応募企業に対し、これらの資格に反していないとする誓約書の提出を求める方針といい、「行政として、パチンコ店や風俗、暴力団関係の企業と組むことは絶対に認められない。青少年に悪影響を与えかねない名称は市民の理解を得られない」と断言する。申請に虚偽がないか、捜査当局などに企業実体の照会を行うことも検討しているという。

 市によると、現時点で市名称の命名権取得を打診してきた企業はない。しかし、サッカーのプロリーグJ1への昇格を目指すチームから「泉佐野市にスタジアムはないか。一緒に泉州を盛り上げたい」と打診があったり、中部地方の企業から「関空を利用する外国人旅行者向けに、土産物を販売する事業を共同で始めないか」と売り込みがあったりと、「予想外の注目を集めている」(市担当者)という。

 また、東京のある企業からは「命名権の購入は入札か」という問い合わせがあったが、市は「お金の多寡ではない。あくまで話し合いの中で決める」と答えたといい、11月末の応募期間終了後、選定委員会を立ち上げるなどしてパートナーとなる企業を決定するとしている。

 ■どれだけ収入増?

 民間調査会社の帝国データバンクによると、平成14年から22年6月末までに公共施設の命名権を取得した企業は累計99社ある。

 命名権の料金(年額)のトップは、Jリーグの横浜F・マリノスのホームグラウンド「日産スタジアム」(横浜国際総合競技場)などに4億7千万円を払った日産がトップ。プロ野球・広島カープのホームグラウンド「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」(新広島市民球場)にマツダが3億円、Jリーグ・FC東京のホームグラウンド「味の素スタジアム」(東京スタジアム、東京)に味の素が2億4千万円の順となっている。

 泉佐野市も、億を超えるような契約料を手にすることができるのか。命名権事業を手がける「ベイキューブシー」(千葉市)は「泉佐野市のケースは施設ではなく、市の名前の命名権ということなので、前例がない。手をあげる企業があったとしても、どれくらいの金額になるか想像がつかない」という。

 ただ、同社の担当者は、企業の命名権の取得目的については、広告宣伝以外に地域貢献という面があると指摘し、「泉佐野に思い入れのある企業なら、ふるさと納税のような気分で高額の契約料を提示することもあるかもしれません」と分析する。

 千代松市長は「企業とはパートナーとしてどれだけ長期間お付き合いできるか検討する。市の名前がころころ変わって市民に迷惑をかけないことが前提」と条件をあげている。

 しかし、昭和23年の市制施行により、佐野町から泉佐野市となった長い歴史があり、市名に愛着をもつ市民は多い。

 命名権取得に乗り出す企業があったとしても、その後の市民の反発も予想され、曲折がありそうだ。



■借金を「関空連絡橋100円」に転嫁する泉佐野市の筋違い


借金を「関空連絡橋100円」に転嫁する泉佐野市の筋違い
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/localpolicy/557758/
2012/04/21 19:24更新

 たかが100円、されど100円-。財政難の大阪府泉佐野市は、関西国際空港連絡橋の通行車両に往復100円を課税する利用税を10月にも導入する。年間3億円の増収が見込まれ、市は平成21年の連絡橋の国有化で失った年間8億円の固定資産税の補填(ほてん)として悲願を果たした格好だ。しかし、ただでさえ「遠い、高い」という関空のイメージ払拭に懸命な国土交通省や関空会社には大きなダメージになりかねず、強い不満の声がやまない。市財政の安定化か、関空の活性化か、導入の是非はいかに。

 ■「大きな影響ない」

 「税額は空港利用者や物流業界に大きな影響を及ぼすものではないと思う」

 川端達夫総務相が利用税の新設に同意した4月11日、泉佐野市の千代松大耕(ひろやす)市長は市役所で会見し、利用者への影響を懸念する質問にこう反論、強気の姿勢を示した。

 利用税は、地方自治体が条例で定めれば独自に課税できる法定外税で、昨年9月に市議会で課税条例案を可決し、地方税法に基づき、総務相の同意を求めていた。

 これに対し、国土交通省や関空会社は「関空へのアクセス改善を阻害する」と反対を表明。今年2月には市と国土交通省に対し、総務省の諮問機関「地方財政審議会」の意見聴取が行われたが、両者の意見は平行線のままだった。

 しかし、4月11日に開かれた同審議会が「税額が少額で住民への過度の負担や、通行量に重大なマイナスが生じる物ではない」として、同意が適当とする意見を提出。この判断を受けて、総務相が税新設への同意を決定した。

 千代松市長が会見で「総務相や審議会をはじめとする関係者に感謝したい」と繰り返したのもこのためだ。

 利用税が導入されれば、関空島に車で入る際に利用者が支払う通行料に合わせて徴収される見込み。現在の料金は軽乗用車600円▽普通車800円▽中型車千円▽大型車1300円▽特大車2200円で、この料金に100円が上乗せされる実質値上げとなり、関係者からは反発の声が相次いだ。

 関空会社の福島伸一社長は「関空へのアクセス向上の妨げとなる。大変残念」とコメントを出し、強い不満を表明。運送3500社が加盟する大阪府トラック協会も「少額の往復100円といえども、われわれ業界の負担は決して少額とはいえない。撤回を働きかけたい」と反発した。

 また、関空島内のテナントに勤務する大阪府和泉市の女性(42)も「通勤に車を使うので、確実に負担の増加になりますね」と困惑顔だった。

 ■4年越しの悲願

 そもそも、連絡橋は6年の関空開港に合わせ、関空会社が関空島と対岸の泉佐野市を結び、約1500億円をかけて建設、管理していた。しかし、景気の後退などで関空利用者が思うようには伸びず、建設費などの1兆円を超える有利子負債の返済は関空会社の経営の足かせとなっていった。

 このため、国は関空会社の抱える負債軽減のため、19年に国が連絡橋を買い取る国有化の方針を打ち出した。

 これに反発したのが泉佐野市だった。橋が国有化されれば、関空会社からの年間8億円の固定資産税が失われる。市は関空開港に合わせてインフラ整備や市立病院、文化センターの建設などに約2000億円を投じ、起債した地方債の償還などで財政が逼迫(ひっぱく)しており、年間8億円の減収は大きな痛手となるのは間違いなかった。

 この補填策として浮上したのが連絡橋利用税で、20年8月には往復で150円を課す条例案が市議会で可決された。この時は、国交省が21年2月に、関空2期島の22年中の完成を約束する文書を市に提出し、新たな固定資産税の増収を示したため、21年3月に条例は廃止。同4月に橋は国有化された。

 しかし、22年になっても2期島は完成せず、市は「国は約束違反」として23年9月に再度、利用税100円を課す条例案を提出。市議会で可決されていた。

 これらの経緯があったため、大阪市の橋下徹市長は「関空利用者には大きな負担」としつつも「国が誠意ある対応をしなかったのが元々のきっかけ。自治体の行動としては理がある」と、一定の理解を示した。大阪府の松井一郎知事も「関空にどんどん人が来るようになり、泉佐野市にお金が落ちるようになれば、利用税を必要としなくなると思う。とにかく、関空を日本のハブ空港としてどう発展させるかが問題」と述べる一方、「もともと固定資産税があったわけで、泉佐野市の財政を何とか立て直すためだということを理解しなければならない」との見解を示している。

 ■経営統合への影響は?

 利用税導入で、最も懸念されるのが7月に控える大阪(伊丹)空港との経営統合に水を差さないかという点だ。

 4月には、両空港の運営を行う新関西国際空港会社が設立された。早ければ26年度を目指すという両空港のコンセッション(民間への運営権売却)実現に向け、両空港の事業価値を高めることが急務。利用客増加に向け、矢継ぎ早に関空アクセス向上策を鉄道会社などと協力して打ち出している。

 南海電鉄は近畿日本鉄道、大阪市交通局と共同で、難波駅経由で関西空港から奈良や地下鉄各駅を結ぶ割引乗車券を4月1日に発売した。通常運賃に比べ奈良行きは16%、地下鉄は最大で18%安くなる。

 地下鉄の場合、南海の関西空港-難波間と地下鉄各駅への乗り継ぎ切符がセットで片道980円。なんば-梅田間などの230円区間を利用する場合、通常よりも140円割安となる

 電車の運賃割引は進むが、関空を訪れる手段は、車、電車とバス、神戸空港からの高速船の4つに限られている。

 22年度の連絡橋車両通行台数は、上下線で約670万台。つまり約335万台が関空島と泉佐野市を往復した計算だ。JRと南海の関西空港駅の乗降客数は年間1180万人で、リムジンバスは同約440万人、高速船が同約40万人となっている。

 国交省や大阪府が16~17年にかけて行った連絡橋通行料金引き下げに関する社会実験では、関空へのアクセス方法として、車と鉄道の利用者がともに約4割という検証結果が出た。21年の橋の国有化で、通行料金はそれまでの普通車1500円から800円に引き下げられ、通行台数は増加傾向にある。

 市も車による関空利用者への負担軽減策として、国交省などに通行料金のさらなる引き下げを要請しているが、実現性は不透明だ。

 また、利用税導入後、徴収業務を担当することになる西日本高速道路会社との実務的な協議も必要で、同社の料金徴収システム改修費用なども数千万円単位でかかってくる可能性がある。

 千代松市長は「関空との共存共栄という市のスタンスは大事だが、市民生活を守る方が優先順位が高い」と述べており、市の財政健全化と関空活性化、ひいては関西経済の活性化とは齟齬が出そうだ。



■台風、ハリケーンと防災体制における「効率」の問題


台風、ハリケーンと防災体制における「効率」の問題
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2012/06/post-447.php
2012年06月20日(水)09時50分 冷泉彰彦 ニューズウィーク

 まず、今回の台風4号で被害や影響を受けた皆さまにお見舞いを申し上げます。

 さて、アメリカでは台風ではなくハリケーンになるわけですが、私の住むニュージャージー州では数年に一度はハリケーンの上陸があります。また、個人的な経験としてはフロリダ州に行っていた時にハリケーンの直撃を受けたことも数度あります。そうしたアメリカでのハリケーン経験の中では、アメリカの良くない部分を見せつけられたこともあります。

 例えば、フロリダでは収入源となる観光地はハリケーン通過後に、ものすごいスピードで後片付けとインフラ復旧がされていました。一方で、その観光地に勤務するような、地元の人々の居住エリアでは1週間経っても電気も水道も復旧しないわけで、地域経済という意味での優先順位の付け方には納得させられつつも、その格差には違和感を感じました。

 また、ニュージャージーの場合は、ハリケーンの後の増水でラリタン川という主要河川が氾濫を起こした結果、泥水が浄水場に流れ込んで以降数週間にわたって上水道の水質に問題が出たことがありました。事件としては不可抗力であり、ある程度はガマンすべきことなのかもしれませんが、その結果として水道公社は経営破綻し、他州の純粋な営利企業が上水道供給事業を買収したのです。水道料金は60%近く値上がりし、サービスも低下するなど、悪しき民営化を実感させられたものです。

 一方で、ニュージャージーでもそうですが、フロリダで特に痛感されたのは防災体制への考え方が日本とはまるで異なるということです。具体的には以下のような点です。

(1)避難勧告、避難指示などという甘いことは言わず、サッサと「マンデトリー・エバキュエーション(強制避難命令)」を出してしまう。そのタイミングも、風雨が来る前の「静かに晴れている」段階からスタートして、前倒しで避難させてしまう。

(2)実際に風雨が強くなったら「非常事態宣言」を出して「不要不急の交通を禁止」し「外出禁止」にしてしまう。逆にそのタイミングの前に避難が完了するような危機管理にする。

 こうした防災体制に関しても、先ほどの悪しき民営化とかインフラ復旧における格差の問題と同じような問題があります。とにかくカネをかけないということです。晴天のうちから前倒しで避難を進めて、暴風雨になった時点では非常事態宣言で交通を遮断してしまうというのは、要するに効率を重視しているわけです。

 アメリカに来て最初のうちは、ハリケーンが接近すると州知事がTVに出てきて「早めの避難を」と呼び掛け、ものものしい姿で州兵が避難者を誘導する、更には「マンデトリー(強制)」の避難命令という「おどろおどろしい」布告が出る、そういった一連の様子を見ていると、まるで軍事戒厳令のような違和感を感じたものです。

 ですが、本当は違うのです。軍などの危機管理には市民は服従しなくてはいけないので、大人しくサッサと避難しているのではないのです。要するに、前倒しで避難をし、非常事態宣言で交通や社会活動を遮断してしまった方が、自治体としても個々人としてもリスクが低いと同時に、コストも安くつくのです。そのことを全員が分かっているのです。

 そう考えると、日本の防災体制のような「いよいよ風雨が強まってから土のうを積んだり、避難を始めたり」とか「ギリギリまで新幹線は動かし、ギリギリまでビジネスマンは出張をキャンセルしない」という方法は、大変に贅沢なことをやっている、つまり限界が来るまで社会活動を続ける代わりに、その代償も払うというシステムだということが分かります。

 インフラ復旧に露骨な差別をするとか、ライフラインである上水道を民間に丸投げするというのは感心しませんが、早めの避難とか、社会活動を停止してしまうという考え方は、ある意味ではコストを下げつつリスクも低減できる考えであるように思います。これからの台風の季節に色々な形で議論がされればと思った次第です。



大阪市、震災がれき受け入れ正式決定 ゼオライトを使用。


■震災がれき受け入れ正式決定 ゼオライトを使用 大阪市
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201206200056.html
2012年6月20日

 大阪市は20日、戦略会議を開き、東日本大震災のがれき受け入れ場所を北港処分地(同市此花区、夢洲(ゆめしま))とし、セシウムを吸着する鉱物ゼオライトを20センチ敷き詰めて埋め立てると正式決定した。11月に試験焼却し、来年2月に本格的に受け入れる。今月下旬以降、橋下徹市長も出席して此花区民説明会を3回開く予定。

 がれきは大阪府が岩手県から船で運び、市の舞洲工場(同区)で焼却。灰を北港処分地に埋める。処理量は今年度は6千トン、来年度は3万トン。市は補正予算案に経費約9500万円を計上する。




■がれき受け入れ、ゼオライトが有力で意見一致 大阪府市
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201206110025.html
2012年6月11日

 大阪府市は10日、岩手県からの震災がれきの受け入れについて専門家の検討会議を開いた。国が北港処分地(大阪市此花区、夢洲(ゆめしま))での埋め立てを「安全性に問題がない」とした環境評価を妥当とし、セシウムを吸着するゼオライトを処分地に敷き詰める方法が有力との意見で一致した。

 会議では、環境省の担当者らが検討会議の委員らに説明。委員らは「北港の陸地部分に直接埋め立てても危なくないが、(安全性の面で)ゼオライトは非常に効果的」との意見でまとまった。

 環境省はゼオライトを使わなくても安全に処分できるとの立場で、使う際の費用は自治体が負担すべきだとの姿勢だ。これに対し、大阪市は「住民理解のためにも国と交渉して費用負担をお願いする」としており、今後、具体的な処分方法を詰める。




■震災がれき、北港処分地での灰埋め立て「OK」環境省が安全性評価 大阪
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120605-00000563-san-soci
産経新聞 6月5日(火)17時23分配信

 東日本大震災で発生したがれきの広域処理をめぐり、環境省は5日、岩手県分の可燃物の受け入れを表明した大阪府と大阪市が焼却灰埋め立ての最終処分場として検討していた海面投棄型の北港処分地(夢洲、大阪市此花区)の安全評価について「妥当」とする報告書をまとめ、府市へ連絡した。

 安全評価では、水溶性の高い放射性セシウムの影響が焦点となった。

 環境省は、市の要望を受け、埋め立てに際し、セシウム吸着剤「ゼオライト」を処分地に敷き詰める方法を検討。国立環境研究所(茨城県つくば市)の解析では、ゼオライトを使用しない場合でも環境への影響はないことが確認されたという。

 市は今後、ゼオライトを使用するかどうかを検討するとともに、がれきの焼却施設について、北港処分地に最も近い舞洲工場(同市此花区)を軸に検討する。

 がれきの受入れ量は、年間2~4万トンを想定。府は専門家会議を開き、現状では陸上投棄の基準のみについて定めている処理指針を海面投棄版に改訂する。




■大阪 橋下市長 がれき 大阪市で秋に燃やす予定
2012/06/07(木)

いよいよ危機が差迫って参りました。

前スレ大阪 橋下市長 がれき 大阪市単独で受け入れたい
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1335680684/l50
http://www.nhk.or.jp/lnews/osaka/2005612911.html

“がれき処分”秋にも焼却試験

大阪府と大阪市が被災地で出たがれきの焼却灰の埋め立て処分地として 検討している夢洲について、環境省は「十分な安全性が確保できる」とする最終評価をまとめ、 大阪市は早ければ秋にも試験焼却を行う見通しとなりました。 

岩手県内の被災地で出たがれきの受け入れを表明している大阪府と大阪市は、 大阪・此花区にある舞洲工場でがれきを燃やしたうえで、 その灰を大阪湾の人工島・夢洲で最終処分する方針を固めています。 

府と市は、大阪湾への影響について国に安全確認を求めてきましたが、 環境省が、最終評価をまとめ、大阪市に伝えました。 

それによりますと放射性セシウムの吸着能力の高い「ゼオライト」という鉱物を敷き詰めたうえで、 陸地部分に埋め立てた場合の試算では、焼却灰を埋め立てた場所の真下の陸地で 1キログラムあたり9.5ベクレル、海水面では1キログラムあたり0.172ベクレルとなり、 いずれも府が定めた基準の1キログラムあたり2000ベクレルを大きく下回っています。 

このため、環境省は、大阪湾などに溶け出す放射性物質の濃度は「十分な安全性が確保できる」と評価しています。

これを受けて大阪市は、今月10日に開かれる府の検証会議で国の評価を 再度検討したうえで、がれきの受け入れを正式に決定し、 

早ければ秋にも試験焼却を行う見通しとなりました。

大阪市の橋下市長は、記者団に対し、 「埋め立て処分地の責任者は私だから、 今後住民に説明します。これまで、相当な時間をかけて震災がれきの受入れに向けた手順を踏んできた。 もちろん非常に不安に感じる住民も多いと思うが、 その手順を説明すれば、住民には納得いただけると思う」 と述べました。 

また、大阪府の松井知事は、記者団に対し、 「今後は、丁寧に説明することが一番大事だ。最終処分地の地元もそうだが、 焼却いただける市町村があれば、その焼却場のある市町村の皆さんにも、 しっかり府として最終処分地の基準や大阪府が独自に定めた基準をしっかり説明し、 説明責任を果たすつもりだ」と述べました。 




金持ちがきれいな食べ物を買い、貧乏人が汚染された物を食わされる、ということになると私でも容易に想像がつきます 小出裕章(People’s News) 
http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/06/19/jimmin_2012jun19/#more-3078
2012年6月19日 小出裕章(京大助教)非公式まとめ


▼原発事故の総括
http://www.jimmin.com/htmldoc/145001.htm

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溶け落ちた核燃料がどこにあるかも不明な現状

──事故原子炉の状態は? 

小出…1~3号機は、核燃料棒がメルトダウンして、圧力容器を突き破り、下に落ちています。その先がどうなっているのか誰にもわかりません。見に行くこともできないし、知るための測定器も配置されていないので、全くわかりません。

私は、溶け落ちた燃料が、建て屋のコンクリートも破って地下水と接触しているかもしれない、と思っています。もしそうなら、高レベル放射能が地下水に流れ出てしまうので、建て屋の外側に深い壁を作ることを昨年5月から提案し続けています。残念ながら、東電は何もやっていないという状態です。

放射能を閉じこめる最後の防壁が、原子炉格納容器ですが、1~3号機は、格納容器のどこかが壊れていることは確実です。核燃料被覆管の材料であるジルコニウムが水と反応してできた水素が、建て屋に漏れだして爆発したのですから、疑いようがありません。ただし、格納容器が完全に崩壊したわけではないので、まだまだ大量の放射能が、中に存在している状態です。
4号機の使用済み核燃料プールの崩壊

1~3号機は、原子炉建て屋の最上部でクレーンなどを設置している通称「オペレーションルーム」が水素爆発で吹き飛んだわけですが、4号機は、その下の階も吹き飛びました。ここに使用済み核燃料貯蔵プールがあります。つまり、防護壁のない核燃料がむき出しのまま、崩れかけた建て屋の中に存在しているということです。4号機のプールの中にある放射性物質は、広島原爆の約5000発分です。

毎日のように起きている余震によって、万が一この壁が崩れ落ちるようなことが起これば、人が近づくこともできなくなり、手の施しようがなくなります。福島原発事故による放射能のこれまでの放出は、総量で広島原爆160発分と政府は発表しています。私は400発分くらいだと思っていますが、4号機のプールの中には、その10倍以上の放射性物質が、むき出しのまま存在しているのです。このプールがひっくり返れば、世界がどうなるのか、想像もできません。

「次の地震がきても大丈夫」と説明する東電

東電もその危険性には気がついているので、補強工事を昨年やりました。鉄のつっかえ棒を入れて、コンクリートで固めるというものです。東電は、この補強工事で次の地震がきても大丈夫だと言っていますが、その下の床も破壊されているので、燃料プールは上図の右半分だけで支えているだけなのです。

そもそもこの工事カ所は、かなり放射能に汚染されていて、ゆっくり作業できる環境ではありません。どれほど信頼できる工事なのか、私は疑問です。

東電も心配なので、今年4月に使用済み燃料を安全な場所に移すための工事に取りかかりました。核燃料は、空気中に出た瞬間に周りの人がバタバタと死んでしまうくらいの放射線を発しています。このため、燃料棒の移動は、鉄と鉛でできた巨大な箱(キャスク)をプールの底に沈め、水中で核燃料をキャスクの中に入れ、蓋をしてキャスク全体を燃料プールから吊り上げる、という作業となります。

そのためにオペレーションルームに巨大なクレーンがあったわけですが、これが吹き飛んで使えないので、まず、このクレーンを支える強固な建物から新たに建造しないといけないのです。そこで、東電は今、壊れた建て屋を取り壊し、クレーンも撤去しています。まず、①古い建て屋を撤去し、②新たな建て屋とクレーンを建設し、③燃料の上に散乱している瓦礫を全て取り去って、初めて、使用済み核燃料の移動が可能となるのです。

この段階までくるのに、急いでも来年末くらいまでかかると、東電は言っています。この場所もかなりの汚染区域ですから、ゆっくり作業できる環境ではなく、それくらいはかかるでしょう。これからの事故の進展という意味では、4号機が一番心配です。

──この1年で何が変わったのか? 

小出…あれほどの惨事を経験しながら、原子力政策も推進勢力も何も変わらなかった、というのが率直な感想です。故郷を追われた住民が10万人と言われています。住み慣れた場所を離れ、隣人・友人と離ればなれとなり、人生設計の土台を奪われたという重みを、どう考えればいいのでしょうか? 戦争でもこんなことは起こりません。

核災害に対する政府の対応は、猛烈な汚染地域の人を避難させただけでした。その周辺の(私から見れば)これまた猛烈な汚染地域の人々は、その地に捨て置かれたのです。「逃げたい人は、自分で逃げろ」という姿勢です。

極々一部の力のある人は、家族ごと逃げて新たな生活を始めました。さらに極一部の人は、子どもと母親だけ逃がして、自分は仕事のために汚染地帯に残りました。この人々だって、家族がバラバラになって家庭崩壊のリスクを負っています。

そして大部分の人は、逃げることができず、汚染地帯で子どもを育てています。親は、「こんな所で育てて良いのか? 泥まみれで遊ばせていいのか? 」と心配しながら生きています。その重さをどう考えていいのか私にはわかりません。

ところが原子力村は、何も変わらなかった。ここまでの惨事を目にしながら、今でも「原子力をやめたら、経済が弱ってしまう」などと言っています。私には信じられないことですが、彼らが政治・経済の中枢を握り続けていて、影響力を行使し続けているのです。全くすごい国だと思います。

野田首相なんて、迷うことなく再稼働に邁進しているわけです。残念ながら、今の政治の状況を見ていると、多分再稼働になるでしょう。菅首相なら、ひょっとしたら少し変わっていたのかもしれませんが、事故を経ても変わろうとしない原子力村の完全復活です。

──反原発の気持ちはあるが、様々な理由で実際に抗議行動などができない人たちに対してコメントを。

小出…反原発運動なんて、やっていただかなくても結構です。私が原発に反対してきたのは、差別に抵抗しているからです。原発は、都市と過疎地の差別の上に建ち、下請け労働者への差別なしに成立しません。私の現場は原子力 ですから、原発の差別性に反対しているのですが、差別は労働現場にもこの世界にも、山ほどあります。

そうした「差別」に抵抗することは、誰にでもきっとできるし、それをやってくれるのなら、反原発にも、全ての問題にもつながります。原発なんて放っておいてください。私がやります。自分が「どうしてもこれだけは譲れない」という、そのことに関してだけやってもらえればいいのです。それですら大変なことですから、余力の無い人はそれでいいのです。自分を責める必要はありません。

私は、3・11以降に放射能汚染をとにかくしっかり調べて公表し、責任のある者から汚染食物を食べるべきだ、という発言をしてきました。私にとってもジレンマはあり、測定をしてきちっと知らせたら結局、金持ちがきれいな食べ物を買い、貧乏人が汚染された物を食わされる、ということになると、私でも容易に想像がつきます。

ですから責任に応じて引き受けるしかない、と言っているのですが、実際にはそうならない可能性が高い。でもそれで、貧乏人と金持ちの歴然とした差が、より明確になります。見えなければ立ち上がる力も沸かないので、可視化させるべきだと思います。

ただし、騙されないで欲しいことはあります。橋下市長などに対して、「今の酷い社会を変えてくれるかもしれない」と、期待をかける人がいますが、そんなことをしたら余計に悪くなるだけです。どんな社会を作りたいのか? を、1人ひとりがしっかり考えることなく、誰かに依存するなら、悪い方向へ行くと思います。

放射能無害化は、極めて困難

──「放射能の無害化技術」と、その現状について

小出…原子力発電はウランを核分裂させますが、核分裂させると、核分裂生成物ができてしまいます。元々ウランは、放射線を発する危険な物です。その危険なウランを核分裂させると、その途端に放射能の量が10億倍に増えます。 それだけの凄まじい力を人間は持ってしまったのです。

人間が核分裂の連鎖反応を使うようになったのは、1942年です。米国がマンハッタン計画という原爆製造計画を立ち上げ、物理学者が長崎原爆の材料であるプルトニウムの製造法を考えました。そして、プルトニウム製造には原子炉を動かすのが最も効率的、と結論しました。

皆さんは原発を「発電」のための装置だと思われているかも知れませんが、元々開発者は、発電などに興味はなく、プルトニウムを作るための手段だったのです。しかし、当初から「これをやると大変なことになる」ことはちゃんとわかっていましたので、1942年時点から無害 化の研究は始まっているのです。研究は続けられ、今年で70年になりますが、未だにできないのです。

できない理由は、主に2つあります。①作ってしまった核分裂生成物を消そうとすると、そのために莫大なエネルギーがかかる。もともと原子力発電は、エネルギーが欲しいから作った訳ですが、そのエネルギーを全部投入してもまだ足りないとなれば、意味がありません。いくらやってもダメなのです。

②先ほど「消す」と言いましたが、本当に消すことは できません。正確には、「消す」のではなく、寿命の長い放射性物質を寿命の短いものに変化させて、管理期間を短くしたい、という考え方です。ところが、ある寿命の長い放射性物質を寿命の短い放射性物質に変える作業をすると、放射性物質でなかったものが放射能になってしまったり、新たに寿命の長い放射能が生まれてしまったりする物理現象が同時に進行してしまうのです。日本でも「原子力研究開発機構」が研究を続けていますが、いくら実験を繰り返しても、この壁を突破できず、70年間 実現できずにきているのが現状です。

私たちの世代が原子力発電を始めました。これから先10~20年くらいは続くかもしれません。でも、せいぜい何十年という時間しか原子力は使えません。ウランが枯渇するからです。

ところが、私たちの世代で生み出した放射能のごみは、100万年後まで子孫たちに押しつけられるのです。そんな行為に自分が荷担したということを、私は決して許せない。だから私は、自分たちの世代が生んだごみは、自分たちの世代の責任で無毒化したいと願っています。でも、たいへん申し訳ないことに、それは不可能なようです。

日本政府の意図的サボタージュ? 

──WHOが汚染地域の推定 放射線量を発表しましたが、 妥当なのですか? 

小出…正しくは私にはよくわかりません。ですが、本来ならあれはWHOではなく、日本が行うべきです。日本にもたくさん研究機関があります。日本政府でも安全委員会でもいいですが、きちっとした調査に基づいた数値を公表すべきです。原子力村の人たちがさぼっているのか、意図的に逃げているのか、能力がないのかわかりませんが、とにかく何もしない。だからWHOが発表したのですが、日本として恥じなければならない状況です。

WHOの推定がどこまで正しいかは、まだ判断できません。発表よりも多いだろうとは思いますが、どれだけ多いのかもわかりません。

理由は、事故初期の汚染データがないからです。それは今も隠されている可能性もありますし、あるいはこんな事故が起きることを、原子力 村の誰も思っていなかったがために対応が全くできなかったということもありえます。

どちらにせよ、全く何の対応もできないまま事故が進行してしまったというのが事実でしょう。当時の菅首相は、「自分のところに何の情報も来ないので、どうしていいかわからなかった」と言っていました。政府が政府の体をなさない状態だったわけです。

しかし、事故初期の汚染量に関しても、いろいろな情報やデータを積み上げることで、明らかにできるはずです。私自身もしっかりしたデータや情報をもっていないので、できません。しかし、WHO以外にも、国連科学委員会などもいずれ何かしらの数値を発表するでしょうし、そうなれば日本も何かしら発表せざるをえなくなるはずなので、そういうデータを順番に検証していく以外にないだろうと思います。



2012年6月18日月曜日

■大阪沖、けが人なし、旅客船と漁船衝突


大阪沖、けが人なし、旅客船と漁船衝突
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0618&f=business_0618_064.shtml
2012/06/18(月) 10:44
       
 18日午前5時20分ごろ、大阪府高石市の沖合約14キロで、沖縄から大阪に向かっていた旅客船「琉球エキスプレス」(約6200トン)と、同府岸和田市の漁協に所属する漁船(約9トン)が衝突した。旅客船には乗客乗員計45人、漁船には岸和田市の男性2人が乗っていたが、いずれもけがはない。堺海上保安署によると、旅客船は16日夕方に那覇市を出発、奄美大島に寄港した後、大阪南港に到着する予定だった。

(情報提供:共同通信社)



■大阪 体長40センチ超、大阪湾で最大級のウミウシ捕獲


大阪 体長40センチ超、大阪湾で最大級のウミウシ捕獲
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0618&f=national_0618_096.shtml
2012/06/18(月) 19:41
       
 半透明の寒天状の体をうねうね、赤い色の斑紋がついた突起をゆらゆら。ウミウシの仲間では最大級の「ヤマトメリベ」が17日、大阪府岬町沖の大阪湾で捕獲された。大阪府立環境農林水産総合研究所水産技術センターが18日、発表した。体長は40センチ以上。浮遊していたのを地元漁師が捕獲し、「変なんが捕れた」とセンターに持ち込んだ。センターによると、ヤマトメリベが大阪湾で確認されたのは極めて珍しい。

(情報提供:共同通信社)



2012年6月9日土曜日

■橋下氏「停電リスクに怖気づいた」と再稼働容認


橋下氏「停電リスクに怖気づいた」と再稼働容認
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120608-00001134-yom-pol
読売新聞 6月8日(金)21時34分配信

大阪市の橋下徹市長は8日の記者会見で、関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働を容認した理由について、「停電のリスクにおじけづいたところはある」と説明した。
計画停電が実施された場合の市民生活への影響を担当部局に検討させたことを明らかにしたうえで、「病院はどうなるのか、高齢者の熱中症対策はできるか。そう考えると、原発事故の危険性より、目の前のリスクに腰が引けた」と述べた。

大飯原発の再稼働に反対してきた橋下氏は5月末に「事実上の容認」に転じ、「負けたと思われても仕方がない」と発言。再稼働を巡って「民主党政権を倒す」としていた「倒閣宣言」も撤回した。

一方、野田首相が大飯原発の再稼働の必要性を強調したことに関して、橋下氏は8日、市役所で記者団に対し、「夏を乗り切ればいったん(原発を)止めて、きちんとした安全基準による判断が必要だ。期間を限定しない稼働は、国民生活ではなく電力会社の利益を守ろうとしているだけだ」と述べ、再稼働は電力需要が増大する夏季に限定すべきだとの考えを示した。



■民主党に“白旗” バケの皮剥がれた橋下徹 (日刊ゲンダイ)


民主党に“白旗” バケの皮剥がれた橋下徹 
http://isukeya.iza.ne.jp/blog/entry/2708612/
06月02日 日刊ゲンダイ


正体見たり。ついに橋下徹大阪市長のバケの皮が剥がれた。

関西電力の大飯原発再稼働に反対してきた橋下が「事実上の容認」に転じた件である。橋下はきのう(1日)の記者会見で、「細野大臣が『暫定的な安全基準で過渡的な安全判断である』と明言した」 「発送電分離など『電力供給革命』に道筋が見えてきた」と説明。

「現実の政治というのは、その時々に応じて判断しないといけない」と言い訳しながら、自らの“変節”の理由を並べていた。

そのうえ、次期衆院選で民主党と全面対決することも撤回。「『民主党に国の統治は任せられない』と言ったのは、暫定的な安全基準なのに『安全宣言』したから。今回、細野大臣が『暫定的』と正直に認めたから、(倒閣の)前提事実はなくなった」とアッサリ白旗を揚げたのだった。


■「変節」「豹変」「言い訳」の記者会見   

あまりの豹変ぶりにフジテレビの安藤優子キャスターにまで「今まで言っていたことは建前だったんですね」と皮肉られていた。

原発再稼働問題の取材を続けているジャーナリストの横田一氏もこう言った。

「会見では完全に弱腰でした。これで維新の会のイメージダウンは避けられないでしょう。形式的に手続きを踏めば、官僚の作った『数字』を信じるのか。結局、官僚に手玉に取られる並の政治家だとわかりました」

でも、これが橋下という男の本質だ。ハデな攻撃は注目を集めるためのポーズ。計算ずくで相手を完全に敵に回さず、だから、悪者にもならない。

「橋下さんのうまいところは、『結論』を言わないことです。原発再稼働も発言をよく聞くと、原発の是非ではなく『プロセス』を批判していた。彼はリアリスト。本気で再稼働に反対したら、財界が選挙で協力してくれなくなるのをわかっている。記者会見では『暫定的』という言葉を何度も繰り返していましたが、電力使用ピークの夏を過ぎても政府が原発の稼働を止めなければ、一転、文句をつけるための下地づくりでしょう。(地元記者)



■橋下改革プランに94%「ノー」

■橋下改革プランに94%「ノー」
http://jp.reuters.com/article/kyodoPoliticsNews/idJP2012060801002201
2012年 06月 8日 20:10 JST

大阪市は8日、支出削減のための事業見直し方針「市政改革プラン」素案のパブリックコメント(意見公募)を実施した結果、意見総数の94%が反対意見だったと発表した。

橋下徹市長の急進的な改革案に多くの市民が「ノー」を突き付けた。市によると意見総数2万8399件のうち反対意見は2万6763件に上った。ただ関係者によると、利害関係者が組織的に反対意見を送ったとみられるケースもあったという。






■橋下の改革プランに大阪市民が3万弱の意見を寄せその9割が反対意見という事は維新の正体がバレたとみていいだろう。
http://www.asyura2.com/12/cult9/msg/612.html
2012 年 6 月 09 日 09:56:40: /puxjEq49qRk6

マスコミの出鱈目世論調査よりよっぽど上等だが意見投稿は満足している人はわざわざ書かないだろうから9割が橋下不支持という意味ではないがネット同様に過半数が不支持とみてよくマスコミの橋下支持70%前後というのは出鱈目でもう維新ブームは終わったとみていいだろう。

朝日の無党派層小沢支持47%にも驚いたがこちらは数字を削っているだろうから橋下に失望した層がどっと流れ込んでいるのだろう。

橋下に小泉に似た似非改革者の臭いを感じつつも出自が暴露されても突破者のようなやくざの息子である事に悩んできたからこその改革に期待した層が次長課長と同じでお涙頂戴がバレた反動でブルータスお前もかという評価に変わってしまったのだろう。

考えてみれば小泉も実力に合った窓際議員でいればやくざの孫である事もばれなかったし偽日本人の息子である事もばれなかったが調子に乗った為に馬鹿を晒しその責めを馬鹿息子が背負っていく事になるが橋下も同じでどんどん美談が醜聞化してこれから橋下フィーバーを起こさねばならないのに既に小泉末期のような勢いだ。

それも当然で口でいくらB層好みの事を言ってもやってる事が小泉と同じなのだから府知事時代に騙された大阪市民が二度も三度も騙される訳がない。

小泉は自分がアホなのを承知しておりワンフレーズで逃げたが自信家の橋下はそれができずTwitterやYouTubeで日替わりで馬鹿を晒している。

Twitterを逃げない所は評価しているのだが原発だ吉本だと彼の本質が見透かされる出来事が次から次へと起こりマスコミ弾圧もばれてしまい息子とともに小泉のツケを八つ当たりされている感じでもう風は起こせないだろう。

一方いくら無罪判決が出ても3年もネガキャンされた小沢がどれだけ盛り返せるか未知数だったが橋下と逆にゴビンタ事件が起きたりそれが沈静化しそうだった田代事件を再燃させたりと追い風が吹き無党派層の支持が集中し始めているようだ。

控訴の影響がどうなるかと思ったが国民の受け止めは無罪=冤罪という受け止めだったようでこの先マスコミがいくらネガキャンをしても無党派層が真相を知ってしまったからもう無駄だ。

思えば野党代表時代に始まった小沢事件だが偽日本人や偽ユダヤが総力をあげて小沢潰しをしても自分達の正体が国民にバレるだけの3年間だったという事で人を呪わば穴二つだったという事だ。

消費増税も野田と谷垣の皮算用は外れて民主中間派は反対に回るし創価も裏切るし自民の紐付き議員も右へならえで大政翼さんどころか与野党の偽日本人議員が魔女狩りのように炙り出される始末で9月に揃ってお役御免という所だろう。

次期民主党代表は小沢でもいいし旬の人小川でもいいし偽日本人陣営はもうまともに候補を立てる事すらできずKY前原あたりが勝ち目も将来性もない中で無駄に立候補するだけだろう。

日本を普通の国にするという事は偽ユダヤと対峙し偽日本人問題にケリをつけるという事であり小沢が初めて発した時は軽く聞き流していたがかくも大変な作業だとは思わなかったが小沢にばかり頼らず国民一人一人が身近でできる事をしてこそ成就するものでありその努力の時が来たようだ。