2012年2月20日月曜日

■早春駆ける 泉州マラソン


早春駆ける 泉州マラソン
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/osaka/news/20120220-OYT8T00070.htm
(2012年2月20日  読売新聞)


25万人 沿道から後押し

一斉にスタートするランナーたち(堺市西区の浜寺公園で、本社ヘリから) 19日に開かれた「泉州国際市民チャリティーマラソン2012」(泉州9市4町陸上競技協会、同マラソン実行委員会主催、読売新聞大阪本社、読売テレビなど後援)では、市民ランナーら3910人が早春の泉州路を駆け抜けた。快晴で、風も穏やかな絶好のマラソン日和。堺市西区・浜寺公園から泉佐野市・りんくう公園までの42・195キロの沿道には、ボランティア3800人を含む約25万人が詰めかけ、温かい声援を送った。


◇年齢に障害に負けないぞ!

■挑 戦

完走した長畠さん マラソン歴35年の長畠弘親さん(73)(大阪市平野区)は、制限時間(5時間)内の4時間半での完走を目標に参加した。32キロ過ぎで右足にけいれんが起きたが走り続け、4時間59分台でゴール。「タイムは落ちる一方で、年齢には勝てないけど、80歳まで走ります」と笑顔を見せた。
 伴走者2人とゴールを切ったのは、全盲の障害がある主婦林三千代さん(53)(兵庫県西宮市)。出場は7回目。13年前にマラソンを始めた時は、3キロを走るので精いっぱいだったという。「記録が伸びるのが面白くて、のめり込んだ。完走できて良かった」と話した。

 岸和田徳洲会病院の理学療法士・古田宏さん(31)(和泉市)は、「ガンバレ 完走!」「ファイト」などと書き込みのあるシャツを着て走った。「みんなの思いを乗せて走るから」と患者に呼びかけ、約50人にメッセージを記してもらった。レース中にしんどくなると、文字を見ては気合を入れた。患者のうち1人は数週間前に亡くなったといい、「天国で応援してくれていたはず。完走できたことをみんなに伝え、勇気を届けたい」と涙ぐんだ。


◇外国人も女優もエール送る

■声 援

法被姿でランナーに声援を送る川崎さん(岸和田市の岸和田だんじり会館前で) 堺市西区の9キロ地点では、泉佐野市の姉妹都市・豪州サンシャインコースト市から招待された選手の友人で、英会話講師のリリィ・ケリーさん(56)(堺市北区)が沿道から激励。母国選手の応援で使う、ボクシンググラブをはめたカンガルーが描かれた旗を振りながら、「自信を持った走りで、ベストを尽くして」と声をからした。

 21キロ付近の岸和田市の岸和田だんじり会館前では、同市出身で、NHK朝の連続テレビ小説「カーネーション」に、ヒロインの次女役で出演中の女優・川崎亜沙美さん(27)が法被姿で応援した。「私も一緒に走っているつもり」と言い、本町青年団による太鼓やかねのだんじり囃子(ばやし)に合わせ、大きな身ぶりでエールを送った。

 25キロ地点にあたる泉佐野市の第4給水所では、主婦や高校生ら約30人が水やバナナをランナーに手渡した。毎年ボランティアとして参加する主婦の三宅史子さん(50)(貝塚市麻生中)は「苦しそうにしているランナーもいるが、多くの人に完走してほしい」と話し、「もう一踏ん張り!」と声を掛けていた。


◇復興願うタオルやタスキ

■被災地支援

 今大会は、東日本大震災のチャリティー大会として開催され、参加費の一部が被災地に送られる。選手にはレース後、「心はひとつ 頑張ろう日本!」の文字入りのタオルが手渡された。

 初のフルマラソンを完走した和歌山県橋本市の市消防職員栢本祥次さん(39)もタオルを受け取った。3年前に北九州市であった1か月間の救急救命研修で岩手、宮城、福島3県の消防士と親しくなったといい、「復興祈願」と書いたタスキをかけて走った。「いつも心の中では一緒にいると伝えたい」と話した。


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